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秋を見つける日記



10/2(水)

10月が始まった。時間の流れは歳を重ねるごとにどんどん早くなっていく気がする。みんなもそうなのかな。ちゃんと毎日を噛み締めて生きたいのに。少し寝坊をして、いつものスタバに勉強をしにきた。店員さんがカバンに付けていたカービィのぬいぐるみを見つけて、「可愛いですね」と伝えてくれる。嬉しいようなくすぐったいような気持ち。
最近は少し涼しくなってきたのもあってホットを頼むことが多い。顔なじみの店員さんが「綺麗にできました〜」とハートのラテアートを施したアーモンドミルクラテを渡してくれた。小さな幸せ。
1日の中で、お客さんの心弾む時間を作れる接客の仕事は魅力的だと思う。私もまたいつか接客の仕事をしてみたい。
勉強をたっぷりし終えた夕方、外に出ると羊雲が広がっていて空気が涼しかった。あ、ついに秋が来たんだね。


10/4(金)

職場で仲良しだった先輩が退職した。子どもたちからとっても慕われている方だったから、しばらくはみんな寂しい思いをするんだろう。いつも明るくて、気づいたら雑談を始めるような先輩がいなくなり、少し職場は静かになったように思う。みんな口には出さないけれど、きっと寂しい気持ちなんじゃないかな。
お日様みたいに場をぱっと明るくしてくれる人だった。子供達の心も優しいパワーでときほぐして、思わず信頼してしまうような。
けれど、そんな先輩がいなくなっても変わらず日常は続いていくし、気づいたらその不在にも少しずつ慣れていってしまう。けれど、子どもたちの中には確かに、彼女と過ごした日々が根付いている。
ふとした瞬間にそれを感じて、「やっぱりね」と思う。


10/17(木)

保育士の資格試験を受けるために、有給を使って3連休を作った。今日はそのお休みの前日。3連休を作るから、その前に仕事を終わらせなきゃ、と必死の思いでパソコンに向かった定時過ぎ。
先輩や上司が「試験頑張ってきてね!」と送り出してくれた。

ここ最近、「僕のヒーローアカデミア」というアニメが私の中で再熱していて、寝る前に少しずつ見返している。苦しいことや辛いことがあっても前を見て立ち上がり続ける主人公たちに自分を重ねて、今日までの勉強漬けの日々を乗り越えてきたのかもしれない。
「誰もが誰かのヒーロー」
この言葉が大好きになった。地球を救うような、そんな大袈裟なことをしなくたって、きっとみんな誰かにとってのヒーローとして生きている。
ヒロアカ好きな方、ぜひお話ししましょう。(推しを教えてください笑)



10/18(金)

保育士試験前日。
試験会場が少し遠かったから、前日入りしてゲストハウスに宿泊しようと決めていた。住んでいる場所と同じ県内だけれど、訪れたことのない場所に行くのはいつだってわくわくする。それに、今回は初めてのひとり旅だったから、不安もありつつ冒険前のような高揚感もあった。
長いこと電車に揺られ、重い荷物を背負って街を散策する。さっそく双子の相棒オススメのブックカフェを訪れ、本に囲まれながら勉強を始めた。


📔
台湾茶とキャラメルのパウンドケーキ🧁


勉強をしていると、ふとかわいい声が聞こえた。振り向くと赤ちゃんを抱っこしたお姉さんと目が合い、つい「かわいいですね」と声をかける。
とてもフレンドリーなお姉さんだったから、子供のことや本屋さんのことなんかをお話ししてくださった。心がほわんとあたたかくなって、私はこういう風に日常を少しはみ出して人と出会うことが好きなんだな、と思う。生後4ヶ月の赤ちゃんが私の顔を見て笑ってくれた。保育士試験のことを伝えると、「この子は勝利の女神かも、明日応援してますね」と優しく伝えてくれた。
ひとり旅の、楽しい始まり。

ゲストハウスにチェックインをした後、夜のスタバで最後の勉強をした。ここら辺から急に不安な気持ちが顔を出して、思わず双子の相棒にLINEでバーっと気持ちを共有する。するとすぐに返信が返ってきて、気持ちが少し楽になった。あなたは離れていてもいつも私の心を支えてくれるね。

今回の旅で選んだゲストハウスは、「犀の角」というところ。劇場を運営していたり、「やどかりハウス」という、困っている人が安価な値段で泊まれる場所を提供していたり、さまざまな活動をしている。
やどかりハウスに泊まった人たちが自由に書けるノートを読んで、ここは誰かにとっての避難所というか、自分を大切にする感覚を思い出させてくれる存在なのかもしれないと思った。私の仕事も福祉分野だから、この活動に興味が湧いた。

部屋はベトナムで泊まったゲストハウスを思い出す秘密基地のような作りで、なんだか嬉しい。夜は久しぶりの試験大丈夫かな、と緊張でお腹が痛くなってしまったけれど、大切な人たちが応援のメッセージをくれたから乗り越えられた。
ひとりだけどひとりじゃない感じ。


10/19(土)

保育士試験1日目の朝。

おいしいモーニングを食べて出発💨

受ける前は緊張とソワソワが止まらなかったけれど、1問目で「あ、わかる!」となってしまえばもうこっちのものだった。自分で積み上げてきた過程が形になるのって嬉しいことだね。試験に出なかった知識も、しっかり自分のものになっている感覚がある。

無事に1日目を終えられたことに安堵しながら、夜のリビングで次の日の科目を復習していると、同い年ぐらいのゲストハウスのスタッフさんとお話ができた。
彼女は、広島の尾道から移住してきたことや、絵を描いたり製作したりしていること、ここに来て山の綺麗さに圧倒されたこと、最近この先どうしようかな〜って考えていることとか、たくさんたくさん共有してくれた。

とっても心がカラフルになった。こういう風に、日常から少し離れて世界を広げること、誰かと出会うことが私は好きだ。
そして、「明日試験頑張ってください」とスタッフさんが自分で作ったというシールとステッカーをくれた。ゆるくてキラキラ輝くイラストがとっても素敵で、思わずまじまじと見てしまった。あんまり誰にも言ったことがないけれど、私も密かに自分の作ったものを誰かに届けたいと思っていること、お話しできた。

柔らかくて唯一無二の世界観🥟
ひとめぼれ


昨日は赤ちゃんを連れたお母さんが応援してくれ、今日はゲストハウスのスタッフさんが応援してくれた。明日もきっと試験はうまくいく。そんな予感の中、世界が少し広がった感じがしてなかなか眠りにつけなかった。



10/20(日)

保育士試験2日目。
朝起きると空気がひんやりしていて、「あ、長野の秋だ」と思った。今日この街を去ると思うと、少しの時間だったのに寂しい気持ちになる。

生理がきてしまい、猛烈な腹痛と眠気に襲われながらもなんとか5教科の試験を乗り越え、ご褒美にひとりでラーメンとアイスを食べた。
外に出ると、朝とは違ったキリッとした寒さになっていた。この肌が突っ張る感じの寒さ。空気が澄んでいる。冬が来たのかと勘違いしちゃうじゃんか。駅まで歩きながら、ついに終わったんだという嬉しさと、今日の夜自己採点してみるまで安心はできないぞという気持ちが混ざり合う。

それでも、ここまで頑張ってきた自分を誇りに思う。どんな結果だろうと、学びを積み重ねてきた過程は私の中にきちんと存在してて、これからの人生でふっと助けてくれるだろう。
今日は帰ったら思う存分ヒロアカを見て、また明日仕事に向かおう。応援してくれた先輩と上司にもお礼言わなきゃね。
自己採点をしてみると、9教科中7教科合格できていそうだった。想像以上にいい結果だったから、舞い上がってすぐに彼にLINEする。また半年後に残りの2教科と実技試験を受けて、無事合格できるといいな。
初めてのひとり旅、いい時間だった。この心が動いた感覚、忘れられないかもしれない。


10/22(火)

今日は試験が終わってから初めてのお休み。
好きなことだけ詰め込もうと決めていて、心待ちにしていた。美容院でとても久しぶりに髪をかわいい色にしてもらい(初めのピンクベージュに)、お気に入りの喫茶店で日記を書いたり本を読んだりする。私にはやっぱりこうやって自分と向き合う時間が必要なんだ。
頭の中をぐるぐると、やりたいことや興味のあることがポンポン頭を出したり、いろんな考えが駆け巡ったりして、ずっともどかしい気持ちだった。
それを紙に書き出して、これから私はどうやって生きていきたいのか、何をしたいのか考えてみる。答えは出ないけどね。たくさん考えて、悩みながら日々を過ごそう。また双子の相棒や、友達と色々共有できる日を楽しみに待ちながら。

お気に入りの喫茶店にて



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