
ミッドライフクライシスの正体と私が試した5つのステップ
1. まえがき
そもそもミッドライフクライシスとは何なのか?という話。
本業がデータ分析のため、前提条件や定義を整理したくなったことと、この機会に自分がどのようなプロセスを踏んできたのかをまとめました。
すでにミッドライフクライシスをご存知の方は、「5. 私が試した5つのステップ」からお読みいただけると嬉しいです。
2. ミッドライフクライシスとは?
2-1. ミッドライフクライシスの定義
中年の危機とは中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病や不安障害のことをいう。ミッドライフ・クライシスの訳語であり、ミドルエイジ・クライシスとも表記される。
中年期は働き盛り、熟年とも呼ばれ、1960年代までは人生の最盛期として認識されてきた。1970年代より発達心理学では、中年期を大多数の大人が経験する人生の一つの段階として研究が進められ、臨床心理学などを含めて「中年期危機」という用語が用いられるようになった。
中年の危機は30代後半から40代にかけての中年の入り口で体験される他、現役引退期にも訪れやすい。しかし2020年現在では30代でも若手や青年などと扱われることが少なくなく、逆に30代を中年や中高年と呼ぶ人は多くはない為、入り口と呼べる年齢に制限は無い状態にある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-2. どの年代に起こりやすいのか
上述の通り、一般的にミッドライフクライシスは40代から50代にかけて起こることが多いが、早い人では30代後半から生じる。
特に仕事や家庭環境に大きな変化があるタイミングで顕著に現れる傾向がある。
2-3. 一般的な症状や兆候
仕事やキャリアに対するモチベーションの低下
自分の人生の選択に対して後悔や迷い
若さや健康の衰えに対する不安
家庭や人間関係の変化で生じるストレス
新しいことに挑戦したくなるが、何をすればいいのかわからない
ミッドライフクライシスはネガティブな側面がある一方で、正しく向き合うことで人生の新たなステージを前向きに進むきっかけになる。
3. ミッドライフクライシスの原因
3-1. 人生の折り返し地点で感じる不安
40代になると、人生の半分を過ぎたという実感が湧き、若い頃に描いていた「理想の自分」と現実の自分とのギャップに気づき、
「このままでいいのか?気が付けば大したスキルを持っていない・・・」など、漠然とした不安に駆られる。
3-2. キャリアの停滞と将来への迷い
若手の頃は成長や昇進のチャンスが多かったものの、40代になるとキャリアがある程度固まり、大きな変化が起こりにくくなる。
特に会社員の場合はキャリアの終着点がリアルに見えるのがこの時期で仕事への情熱が薄れたり、新たな挑戦をためらう傾向が強まる。
3-3. 家庭や人間関係の変化
子どもが成長し親の手を離れ始めると、自身の家庭内での役割が変化する。
また、両親の高齢化に伴い介護の問題が出てくることも。
こうした関係性の変化が自分の人生を見つめ直すきっかけになる。
3-4. 身体的な変化による影響
40代に入ると、体力の低下や健康への不安が増える。
特にこれまで無理ができた人ほど「疲れが取れない」「昔ほど頑張れない」といった変化にショックを受けることがある。
ミッドライフクライシスを経験した多くの人が共通して抱える悩み。
4. ミッドクライシスを乗り越える方法
4-1. 自分の価値観を再確認する
ミッドライフクライシスは「今の自分」と「理想の自分」のギャップに悩む時期。
まずは自分が本当に大切にしたい価値観を明確にすることが重要。
仕事、家族、趣味、健康――何に時間とエネルギーを注ぎたいのかを整理し、優先順位を決める。
4-2. 小さな挑戦を積み重ねる
いきなり人生を大きく変えるのは難しいが、少しずつ新しいことに挑戦することでポジティブな状態に持っていく。
例えば新しい趣味を始める、副業を試してみる、資格取得に挑戦するなど、小さな成功体験を積み重ねることが大切。
4-3. 人生の「第2ステージ」を意識する
「40代は終わりではなく、新しいステージの始まり」と考えることでポジティブな思考を持つ。
人生100年時代と言われる今、40代はまだ折り返し地点。
これからどんなキャリアやライフスタイルを築いていくかを考え、ワクワクする未来を描く。
4-4. 同じ悩みを持つ人とつながる
ミッドライフクライシスを経験しているのは自分だけではない。
同じ悩みを持つ人と話したり、副業などのコミュニティに参加したりすることで、新しい気づきを得られることもある。
noteはもちろん、セミナーなどを活用することが一つのきっかけになると言われている。
4-5. 健康を最優先にする
心と体の健康が整っていないと、どんなに良いアイデアがあっても行動に移すのが難しくなる。
運動や食事、睡眠を見直し、エネルギーを充電することもミッドライフクライシスを乗り越える大切なポイント。
ミッドライフクライシスは、決してネガティブなものでなく、「これからの人生をどう生きるか?」を真剣に考えるチャンスである。
5. 私が試した5つのステップ
わたしの場合、ミッドライフクライシスを意識し始めたのは、40歳を迎えた頃。
症状的なものはびっくりするほど上記の通りで、こんなに典型的にハマるのね・・・と振り返ってみて驚くばかり。
特に子どもが高校生になり怒涛の育児に終わりが見えはじめ、自分の時間が取れ始めた時、ふと ”このままでいいの?もっとやりたい事あったよね?”と自問自答。
仕事も気づけば20年が過ぎ、見えてきたキャリアの着地点。
そして、日々唸りを上げる腰痛と深みを増すほうれい線・・・。
経済的な自由、時間の自由、人間関係の自由、自分の生き方の自由を叶えたい。
そう考え始めたのは別の記事で記載したとおりです。
その後、これが世間一般で「ミッドライフクライシス」と呼ばれ、中年期の多くの人が直面しているという事を当時英語学習で視聴していたポッドキャストで知り、「あ、自分これだわ」とつぶやいた事を今でも覚えています。
Podcast 「勝手にEnglish Journal」
2020年8月号(2) 中年の危機 / 新人ポッドキャスター向け愛想笑い入門
詳細は別の記事に託しますが、私がこのミッドライフクライシスに挑むべく歩んだプロセスは以下の通りです。(現在進行中ですが)
5-1. 体質改善
「健全な精神は健全な肉体に宿る」ということで、まずは身体的に感じるストレスをリセットしようと腰痛と四十肩の治療で整形外科(リハビリ)、整体へ。
そして、若かりし頃のフィジカルを取り戻すためスポーツジムに入会。
個人的に好きな時間にひとり黙々と取り組みたかったこともあり、24時間制のエニタイムフィットネスは合っていたと思います。
5-2. ジャーナリング
次の実践したのがジャーナリング。自分の内面の整理が必要と思い、「この漠然とした不安は何なのか?結局自分はどうしたいのか?」を一切合切洗い出しました。これだけでもだいぶ気持ちがスッキリした記憶があります。
5-3. 副業
そうこうしている中、とあるご縁をきっかけに本業のスキルを活かした副業を始めたことで、会社員一本に縛られた思考から解き放たれた事を覚えています。
もちろん、今でも試行錯誤の真っ只中にいるわけですが、会社員としてのキャリアのモヤモヤ感が落ち着いてきたのはフリーランスという自分業を軸に人生設計を考え始めることが出来たからだと思っています。
5-4. セルフコーチング
副業で多少の副収入を得ることができ、ミッドライフクライシス初期の典型的な不安を抜け出せた一方で、単発の収入形態では理想のライフスタイルには到底辿りつかないだろうな・・・と感じていました。
この時に見つけたのが「手帳を使ったセルフコーチング」。
詳細は別途投稿しますが、このスキルコーチとして起業されている高田晃氏の書籍やYoutubeコンテンツ「手帳の強化書」でその考え方と大まかな方法論を学び実践しました。
ざっくりお伝えすると、自分の人生のビジョン・ミッションの策定にはじまり、10年後の長期計画、5・3年後の中期計画を立て、それを実現するための今期の計画を四半期・月次・週次・日次レベルでタスクに落とし込んでいきます。
本業さながらの(本業以上の?)プロジェクトマネジメントを自分の人生をテーマに展開していくことで、主体的に人生を進めている充実感が得られます。
5-5. 生活習慣の見直し
最後に上述のセルフコーチングを進めるにあたり痛感したことは、圧倒的に時間が足りないということ。
昔ほど子どもに手が掛からなくなったとはいえ、長男は高校生で次男は中学生の荒くれ者。妻もフルタイム勤務のため、もれなく私も家事にリソースが割かれます。
当然、本業の手を抜くわけにはいかないので、副業や人生計画に時間が割けるのは平日の微々たる時間と土日祝日に限られていました。
そこでこの状況を変えるべく実践したのが、毎日4時起きの朝型生活。
いわゆるモーニングルーティーンとして、自分のためだけの時間を捻出することで、いろいろな事が上手く進み始めたのは言うまでもありません。
そして、この習慣を実行するために必須だったのが ”禁酒”。飲むと4時起きが出来ないことから試しにやってみた禁酒によって、フィジカルもメンタルも安定したことが何より大きかったと思います。
6. おすすめの書籍
ミッドライフクライシスを乗り越えるためには、自分の価値観を見直し、これからの人生をどう生きるかを考えることが重要です。
ここではそんな悩みを抱える40代におすすめの書籍をいくつかご紹介します。
6-1.『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』
40代に差し掛かると、多くの人が仕事や家庭、健康などに不安を感じ、「このままでいいのか?」と悩むようになる。
本書ではそうした「40歳の壁」を乗り越えるための思考法や行動のヒントを具体的に解説し、人生後半を充実させるための実践的な戦略が学べる一冊。
結局、今振り返ると全てこの本の通りだったんだなと思います。全体を通してとても読みやすく1日で読み終えました。個人的に全40代に読んでほしい一冊です。
6-2.『手帳で夢を叶える全技術』
私が勝手に心の師匠と仰ぐ、高田晃氏の名著。手帳を活用して夢や目標を実現するための具体的な方法を紹介する一冊です。
書き方の工夫や習慣化のコツ、モチベーションを維持するテクニックを解説。手帳を単なるスケジュール管理ツールではなく、人生をデザインするツールとして活用する方法が学べます。
この本に出会わなければ40半ばでここまで自分の夢に向き合わなかったと思いますし、生活習慣も変わらなかったと思います。
6-3. 『ライフシフト 100年時代の人生戦略』
人生100年時代を生き抜くために、働き方や学び方、人間関係のあり方を再構築する重要性を説く一冊。
長寿化に伴い、従来の「教育→仕事→引退」という三段階の人生設計は崩れ、新しいキャリアやスキルの習得が求められる。変化に適応し、充実した人生を送るための戦略や具体例が紹介されています。
6-4. 『嫌われる勇気』
アドラー心理学をベースに「他人の期待に縛られず、自分の人生を生きる」ための考え方を説いた本。ミッドライフクライシスのモヤモヤを解消し、自分らしい生き方を見つける助けになります。
6-5. 『エッセンシャル思考』
ミッドライフクライシスで「何をすべきかわからない」と悩む人におすすめ。
本当に重要なことだけに集中し、不要なものを手放す思考法を提案する一冊。
やるべきことを減らし、最小の労力で最大の成果を出すための選択と実践方法を紹介しており、忙しさに振り回されず、自分にとって価値あることに時間とエネルギーを注ぐためのヒントが詰まっています。
7. まとめ
ミッドライフクライシスは、40代を迎えた多くの人が直面する人生の転換期。
これまで積み重ねてきたキャリアやライフスタイルに疑問を感じ、将来への漠然とした不安を抱えるのはごく自然なこと。
この時期をネガティブに捉えるのではなく、自分の価値観や人生の方向性を見直すチャンスと考えたいと思います。
長文お付き合いありがとうございました!