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学校で働くために必要なこと

こんにちは。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所の石井です。第7期学習・発達支援員養成講座第6回のテーマは『合理的配慮』です。先日、動画視聴講座『学校で働くために必要なこと』が終わりましたのでお知らせします。

講師は日本LD学会SENSの会広島支部会事務局長の穐山和也先生でした。子どもと教師と保護者をつなぐ役割のある支援員は、どのような視点で、どのように子ども達をサポートすると教室でみんな幸せでいられるかについてお話いただきました。

受講生の感想をまとめましたので紹介いたします。

・穐山先生の教員の経験を通した具体的なご講義、大変わかりやすく、これまでの講義で学んだことをもう一度確認するよい機会となりました。特に特別支援教育コーディネーターとして子どもと保護者、支援員、担任をつなぐことの大切さを改めて感じました。支援員グッズやリフレーミングの練習は、すぐにでも支援員の方に伝えたいと思います。5年生の担任をしておりますので、なかなか支援員の方々と話す時間が取れませんが、月に1回くらいは、子どもたちの様子を聞くだけではなく、特別支援教育についての基本的なことについて話す時間をもちたいと思います。また、人間関係がむずかしくなってくる高学年の子どもたちにも自尊感情を高め、クラスの友達と円滑な人間関係を築けるように教えていただいたエンカウンターをぜひ取り入れたいと思います。100均グッズを活用したタスク表やコミック会話、視覚支援などについてもペアレントトレーニングのよい取り組みとして保護者に紹介する機会をもちたいと思います。やりたいことがたくさん見つかるお話をありがとうございました。【教員】

・小学校に勤める私にとって、非常に参考になり深い学びになりました。穐山先生の分かり易く丁寧な説明、具体的な例を取り上げて検証、支援に役立つグッズの紹介など情報が盛り沢山で早速試してみたい事ばかりでした。最近クラスで喧嘩や立ち歩きなど増えてきています。教えていだだいた五段階表やコミック会話など個々に合わせた方法で支援できればと思います。困っているのは先生ではなく、その子自身ということを忘れず子供達が楽しい学校生活を送れるように支援していきたいです。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント】

・小学校教諭の経験を通して支援員として必要となる資質能力を広範囲にかつ具体的に教えていただきました。豊富な経験値の中で、学習支援員としての在り方を学ぶことができました。子ども支援や学級づくりに優れた実践をしていた教師や学習支援員の姿が思い出され、なぜうまくいっていたのか理由が、講義内容で理解することができました。逆に学級経営や、授業づくりがうまくいかない状況にも多くであい、その対応が、個人の資質能力に任されがちになっている学校現場の苦悩もクローズアップされました。子どもも多様、教師も多様、学校の考え方も一貫性が貫けない現状にあって、特に発達障害に係る子ども達の存在を認め、安心できる居場所の拡大と人材の必要性を強く感じました。個別最適化の教育が進む中で、発達障害の子どもの学習のありかたや生活保障、集団における自尊感情を育む基盤をどのようにつくっていくのか考えさせられました。その子の背景や実態に応じた学びを共につくっていくなかで、学習支援員の果たす役割は非常に大きいと思います。しかし、その社会的な価値が認められているかといえば、十分ではありません。直接子どもを支援する専門家であるのに、必要となる知識や具体的な支援行動を学ぶ機会が保障されているでしょうか。自分の尺度や経験値で対応している現状も少なからず存在しています。今日の講義であったように、対象の子どもを取り巻く環境には、発達障害の子どもの姿を肯定的に受け止めたり、子どもの行動を背景や事前の関わりを含めて、分析的にとらえていく洞察力が求められます。学習支援員の見立てにより、担任や保護者の認識を変えていくヒントも隠されています。学習支援員の存在が尊重され、フラットな関係性の中で、子どもの対応策を考える関係性の中に存在すること、その場が日常的に位置づけられる学校現場になって行くことを願いました。将来的に、学習支援員の研修制度や、専門家としての位置づけなど権利保障していくことも必要になっていると思いました。知識と対応を身につけて支援する専門家として、親と先生をつなぎ子どものキャリア形成に確実につないでいける体制の確立を目指して取り組みを進めていく必要性を強く感じた講義でした。そして、この研修で、学ぶチャンスを提供していただいていることに改めて感謝の気持ちをもちました。ーー学習支援員の現状には、多くの課題があると思いました。自治体の判断に任された非正規雇用体制であるために、十分な研修制度が保障されていないなか、インクルーシブ教育を進めるために求められる役割は益々大きくなっています。国や、行政が主体となって、多くのハード、ソフト面の環境整備が求められると思いました。そのあたりどのような現状にあるのだろうかと思いました。日本インクルーシブ教育研究所様の研修機会提供が大きな社会的役割を果たしておられることも感じました。この取り組みが、継続し、さらに拡大していくこと、益々その存在価値が社会的に認知されるための動きが必要になるのだろうと思いました。研修を受けている一人ひとりにできることがあれば協力したいと思います。【不登校教育支援センタースタッフ】

・子ども自身が困っているという見方ができるようになれば、支援する側の行動が変わると感じます。氷山モデルの例のように、実はその行動には訳があると行動分析することは、寄り添う者として、必要不可欠なことだと思います。本人を取り巻く家庭、学校、地域さまざまな環境や子ども自身の中にあるものに目を向けて、なぜ?どうして?と、行動を分析していく目を養い、力をつけていきたいと思うと同時に、子どもと対話していきたいと強く思います。〇〇ねばならない、〇〇べきだと、一方通行ではなく。子どもが少しでも自分を好きになり、周りの人も認めることができるよう、学校で働くものとして、正しく知識を積み上げ、正しく理解していくことの大切さをあらためて感じました。【教員】

・特別支援学級の先生が、児童に分かるように一日のタイムスケジュールを絵と簡単な文章を記入しています。支援学級にしても普通学級にしても、児童が困らないように、支援する者は「環境」を整えることが大切だと思いました。学校では、電子黒板やタブレットを用いることによって、視覚で表すことが可能になったが、まだまだ序の口なのかなと思います。また、「自尊感情」を育むために、いいとこ見つけは取り入れてみたいと思いました。【ふれあい推進員, 学習サポーター】

・いかに環境調整が大事なのか、改めて実感しました。「出来ない」ではなく、「どうやったらできるかな?」の視点を持ち、子どもと合意を取りながら支援していきたいです。また、支援にあたって、継次処理か同時処理かを念頭に置いて子どもをアセスメントすると、その子に合った支援を探っていけると感じています。教員不足の今、発達障害に関する知識や最新情報を得る方法を持つ支援員が増えていくことを願います。【特別支援教育アシスタント】

・豊富な経験をお持ちの先生ならではの説得力のあるお話で、大変聞き応えがありました。学習障害のお話の中で、読み書きに必要なデコーディングの難易度が日本語と英語では異なり、そのために英語圏の国では学習障害への理解が深いとの知見をお聞きし、大変興味深く感じました。読み書きを教える上での考え方や、数概念の理解度を簡易に測る尺度なども紹介して下さり、早速支援に活かしていきたいと思いました。最後に、「ご自分の心と身体の健康を守って下さい」「いざという時には引いて下さい」という支援員自身への声掛けがあり、自分自身の心身の健康が保たれて初めて誰かを支援できるということに改めて気付きました。【言語聴覚士】

・穐山先生の大事にされている『環境調整と自尊感情』は、学校や日々の暮らしには欠かせないものだと改めて勉強になりました。学習・発達支援員講座で教えていただいた困っているのは子どもたちである事の視点を忘れない様に心がけながら支援をしている日々です。一人一人を観察し寄り添っていると、困っていることは何なのか?が少しずつでも見えてくること。そして、環境の調整をする事で、子ども達の顔つきも変わって笑顔が増えたり、行動の発信から言葉で気持ちを伝えてくれる様になると、とても嬉しく思います。明日からまたその子自身にどんな環境調整が必要かを考える事を怠らず、自尊感情も高められる支援が出来る支援者になれるように頑張っていきたいです。ありがとうございました。【児童デイサービス】

・学校において、支援の必要な子どもに対する環境調整についてのお話しだけでなく、学級という集団の中で、支持的風土のある学級をつくるポイントについてのお話しが印象に残りました。学級目標をつくる、学習規律の確立、特に自尊感情を集団の中で育むことの大切さと、どのようにしたら自尊感情を育むことができるのか、自分が子どもたちに関わる時に、どのようにして関わることが必要なのかを知ることができたので、子どもと関わる際に、意識していこうと思いました。【行政職員】

・自尊感情を育むために環境調整をすること、言葉のシャワー、行動理解など丁寧に生徒に寄り添い楽しく支援していきたいと思いました。【保育士, 教育支援員】

・どういう診断がされているかでなく、その子の困り具合を理解し支援するというのが、とてもシンプルで分かりやすかったです。それぞれ困っている人に合う環境調整、行動への対応(計画的な無視(見守り)と承認・賞賛)がとれるように、自身の学習規律を定着させたいと思います。事例を沢山紹介してくださったので家庭や職場で対応していこうと思います。【子育て支援センター職員】

・長年培われてきたノウハウくをたくさん提供していただきました。ありがとうございます。心に突き刺さる内容ばかりでした。活かせるかどうかは、自分次第です。自尊感情の正体は「他者理解のもと」「違いが受け止められる」「すべての活動の意欲の基」とありましたが、自分にとって自信のあるものが、一つでも他者に認められたときに、いかに子ども達が成長するか。既に存在しているものなのに、なかなか答えが見つけられず、困っている子達がたくさんいます。関わる子全てに、寄り添い、良さを伝え続ける支援を続けていきたいです。【保護者, 放課後児童支援員】

・放課後等デイサービスの職員としてよく思うのが、もう少し周囲が子どもの特性を理解出来ていれば、落ち着いて学校生活を送れたり、学習の機会を奪わずにすむのではないかというところです。先生の人員や、教育課程など変えられないところもあるのは分かりますが、なかなか個別に対応が出来ず、学校へ行けなくなる子ども達が増えており残念に思います。放デイの過ごし方を今一度見直し、効果的な自尊感情を集団で育み、いいとこみつけやリフレーミング等積極的にすすめていきます。また私たちも放デイの活動にとどまらず、より良く過ごせる環境作り一緒に学べる場を作れるよう先生方と連絡を取りながらすすめていきたいと思います。【児童デイサービス】

・小学校でも様子がとてもよく分かりました。1番気になったのが、発達障害以外の子が自分たちにも注目してほしい気持ちから間違った行動をしてしまったことです。発達障害の子の良い所、苦手な部分を常に把握し、伝えていくところが素敵だと思いました。学級での良い所見つけの様子も自分では気づかなかった良い所を褒めてもらえた喜びが伝わってきました。私も早速家庭で実践して良い所を見つける練習をしたいと思いました。【保育士, 補助員】

・自尊感情が低いと、コミュニケーションが苦手になるように感じます。ダメ出しをするよりも、子どもたちの集団の中に入って橋渡し的な事をすることも必要かと思いました。子どもたちの、思いを引き出して自尊感情を大切にしようと思います。【放課後児童支援員】

・講座の中で、学校現場での経験に基づいた具体的な活動や方法をたくさんシェア下さって、非常に参考になりました。ご紹介されていた本も購入して、試してみたいと思います。「困っているのは誰」は、今も子供が学校で経験していることです。学習が難しくて子供が困っているのだけれど、子供には自分の困りごとが分からない(生まれた時からそれしか知らず、普通を知らない)から、先生に説明できない。先生はサポートしたくても、どうしていいのか分からないので困っているとのことでした。先生方と毎日のように相談しながら、どうしたら子供にとって学びやすくなるのか模索しています。例えば、書くことが苦手で6〜8倍の時間がかかり、書くことに労力がかかりすぎて、一番大事な「考えること」に余力が残らなくなってしまいます。数学のペーパーテストではなく、コンピュータのアプリでしてみることになりました。テストは持ち帰り、時間をかけてしてみることになりました。今回の動画もヒントに、少しずつ工夫して行きます。【保護者】

・この勉強会の中で知れば知るほど自分自身の特性に気がついてくる自分がいました。私をわかって欲しいから、、になってないかと不安だったのですが、先生の当事者意識を持ったコメントを聞いていて、少し安心しました。学級崩壊の場の実態を見て、一人につきっきりの支援を見て、俯瞰的に見えて来たみんなにとって豊かな場作りとは?その課題を私自身も理解できた気がします。学校現場の中に入ることをこれからしようと思っている段階ですので、本当に勉強になりました。【放課後児童クラブ】

・現在療育施設で働いており、マンツーマンでのレッスンを行なっています。その子に合わせたレッスン内容を考え指導していくことができることはメリットでもありますが、子どものことを、しっかり理解できていないと意味のないものになります。講義の中にもあったように、『その子の困り具合を理解すること』というのを、本当に自分自身が理解できいるか、もう一度考え直せるよい機会となりました。支援員の役割が書かれていましたが、私は児童指導員なので、同じことも言えると思います。知識をもっていることが大切なので、残りの講義もしっかり受けて、引き出しを増やしていきたいです。【児童指導員】

・学校の教員が多忙化し 子どもたちも多様になっている中で先生自身が精神的に追い込まれないよう「教師の会」など学校外での交流や学びをする機会はとても重要だと思いました。また。教室の中の指示的な雰囲気作りは現在の職場でもあるフリースクールの集団作りとも共通する部分が多く勉強になりました。つけたい力というところの自尊感情 人間関係をつくる力 生活習慣 SOSを出すことなどは大変参考になりました。ありがとうございました。【フリースクールスタッフ】

・自分の子どもが小学生だった頃に比べても、学校の変容が激しいことに驚きました。支援員として活動する時に、そういった変容もしっかり意識しておきたいです。自閉症のお子さんが落ち着いている時に説明・契約する気持ちの5段階活用表はとても有効だと思いました。「日々大変だろうけど、3ヶ月後の望ましい姿を具体的に描いて、あせらないこと」という言葉は繰り返し自分に言い聞かせたいと思いました。あと、クラスの子どもたちや先生がヒートアップしても「支援員はどんな時も冷静に」ということを肝に銘じておきたいです。クラスでの具体的な取り組みを見ることができて勉強になりました。【保護者】

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10月22日から始まる動画視聴講座のご案内です。予測不能な多様な時代に、多様性について理解しておくことは必須となってきました。教室にいる多様な子ども達にとって障害者差別解消法の中にある合理的配慮は重要です。そして、その合理的配慮について事例と共に具体的にお伝えします。講師は星槎大学大学院教授の西永堅先生です。詳細はホームページからご覧ください。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

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