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【詩】山の呼吸

 雨の降った午後にて
 連なり座る山々は
 音を出さず
 静かに呼吸していた

 木々の毛細血管から
 妖精の様な水蒸気が飛ぶ
 風に乗って 飛んでいくそれらは
 灰色の空を 白く雄大に染めた

 草木は気怠そうに
 鈍いリズムを発する
 雨雲に踊らされ
 休む暇は無い

 静かな生命
 穏やかな生活
 雨降った午後は
 鳥のさえずりと共に時を刻む

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