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【詩】ルーキー

 月夜。

 夜風が染みる、深夜4時。
 辺りは眠り、騒音も無い。
 眠れないままの僕一人、
 川辺のせせらぎに耳を傾ける。

 電車の音でかき消されていた、
 静かな呟きが聞こえてきた。
 嘲笑う様に鳴く鳥も、
 口煩いあいつらも、今は居ない。

 月は鏡、
 悩みや迷いを写す鏡。

 夜に酔う僕の心は、
 深い迷いに囚われているという事実。

 ……静かな君、前を向けよ。

 ……そうか。

 枷など無い。
 檻など無い。
 端から拘束具なんて、
 幻影でしかなかった。

 歩む心に道はある。
 冷たい風が後押しするさ。
 単純で純粋、
 けどそれが如何した。

 サカナクション、
 「ルーキー」を流す。
 ヘッドホンから流れるサウンドで、
 川の囁きはシャットダウンされた。

 夜に酔う。
 深く痺れる。
 あぁ、何故か今思う、
 人生は実に美しい。


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