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【詩】或る学生の憂鬱

 つまらない授業を真面目に受けて
 嫌いなアイツを避ける日々。
 教室の隅で願う逆襲は
 叶う時が来る事は無い。

 着慣れたカーディガン
 見慣れた窓際
 母が作った弁当
 放課後に聞こえるトランペット。
 そのどれもが
 綺麗に収まったパズルの様に
 律儀に型にはまって
 青春の名で構成されていた。

 だけど、彼女はひねくれていた。

 何処か指で触れたら
 一瞬で崩れるポイントがあるはず。
 生温い空気の世界に
 一発の火花を放ちたいのだ。

 虎視眈々と狙っている
 彼女の眼は鈍い青色。
 この世界へのアンチテーゼの為に
 今日もまた優等生ぶっている。

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