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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.008 読書 佐々木譲「警察庁から来た男」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は小説 佐々木譲「警察庁から来た男」についてです。

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佐々木譲さんはここ最近ハマっている作家さんです。

北海道出身、71歳、警察小説の第一人者。

佐々木さんとの出会いはミステリー小説のベスト本で「エトロフ発緊急電」が紹介されていて読み始めたのがきっかけです。

「エトロフ」はスパイ小説で第二次世界大戦前夜に日本の動向を探るために日系アメリカ人が潜入する話。

もう映画のようなハラハラドキドキのエンターテイメントでまた簡潔な硬質な文体がとてもしっくりきたんです。

そして次に読んだ「警官の血」が決定的でした!

親子孫3代にわたる警察官のミステリーサーガ、

もう日本の近代史を読んでいるような、

佐々木さんの筆力に圧倒されました。

そして強烈な猛吹雪のかな駐在警官が活躍する「暴風圏」を読み、

佐々木さんの代表的な道警シリーズを読み始めます。

「笑う警官」

北海道警察の警察官を主人公にした話。

道警の腐敗を告白することで警察組織から凶悪犯人にされ射殺命令が出た警察官を救う話。

面白すぎる!



そして今回はその道警シリーズの第二弾。

「警察庁から来た男」

前回の第一弾は警察の腐敗を告発する(うたう)警官の話。

今回はその道警にまた腐敗の匂いがし、警察庁から監査が入る話。

どれだけ汚職が凄いんですかと、まあフィクションだからと思ったら

佐々木さん実際にあった道警の事件を徹底的に調べて書いてあるらしい。

と言うことはいろいろあるんですね。

今回の話もやはり汚職は、閉ざされた組織で、きつい仕事なのにお給料も安く、警察を辞めた後の就職が難しいことが一因かもしれません。

物語はいろいろな事件が起こった道警に警察庁から監査が入る。

警察庁のキャリアが東京から北海道にやって来る。

そのキャリアは第一弾『笑う警官』で道警の汚職を告白した(うたった)警察官を監査の協力者にする。

また第一弾で主人公だった叩き上げの刑事はキャリアと別に小さな事件を操作する。

キャリアと叩き上げが違う道筋で事件を追っていくと、次第に道警の組織の何かおかしなことが匂ってくる。



もういろいろな刑事ドラマで見るキャリアとノンキャリアの話。

この小説は見事に対比させ、けどキャリアを単なるステレオタイプの悪者にせず、見事に描いている。

仕事や待遇やタイプは違え、同じ警察官としてのプライドは同じと言うところが良い。

なのでそのキャリアも良い方なんですが、

最初のシーンでカフェラテを女子職員に頼んで違うものが出てきた時のやりとりが

すごく彼の性格を表していて簡潔なエピソードで描ける佐々木さんは流石です。

また「24」のクロエや、「限界点」の凄腕のコンピューター使いの女性調査官のような、調べるのが得意な女性警察官が出てきます!

いや〜この道警シリーズ面白い!



小説って好きなハマる作家が見つかって、またその人のシリーズがあれば最高に楽しいです。

シリーズものの魅力ってまた単発とは違うんです。

知っているキャラクターが生き生きと動き出す。

少しづつそのキャラも成長して、また知らないエピソードも語られる。

キャラは同じでも、物語も違って、戦う相手が変わっていく。

読書の趣味を追求するには好きなシリーズを見つけることです!

今日はここまで。



『多くの仕事をしようとする人は、今すぐに一つの仕事をしなければならない。』
/佐々木譲







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