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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.044 読書 月村了衛「土漠の花 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 月村了衛さんの「土漠の花 」についてです。

月村さんは「機龍警察シリーズ」でファンになり、シリーズではない作品を読みたくなりました。

そのシリーズ外の初めての作品。

もうめちゃくちゃ面白く月村さんは間違いないと確信しました。

この作品はソマリアで救助活動をしている自衛隊が、ある女性を助けたことによって武装勢力と戦う話。

ハリウッド映画並みのアクション戦争小説。

「ブラックホークダウン」や「スペシャル・フォース」のような世界観。

ドン・ウィンズロウや村上龍、高野和明、伊藤計劃のレベルを軽々と超えているのでは。

圧倒的なリアリティと戦闘シーンの描写にノックアウト。

多分90%ぐらい戦闘シーンですw

ちょっと自衛隊が強過ぎて、あまりにもかっこいいので、そこの部分はまあ冒険活劇だと思いましょう。



物語は、アフリカのソマリアで墜落ヘリの救助活動をしている陸上自衛隊第一空挺団の隊員たち。

その野営地に部族間の紛争で命を狙われている女性が駆け込んできた。

そこへ女性を追ってきたソマリアの兵士たち。

実戦経験もなく、圧倒的な数、兵器、土地勘、通信手段もない中、女性を守りながら逃走劇が始まる。

次々と倒れる隊員たち。

無事にジプチまで逃げ切れるでしょうか?



アクションに次ぐアクションで2日ほどで一気読み。

隊員たちの個性も引き立ち、一人一人にドラマがある。

自衛隊の中でも凄腕のスナイパーだが、人を殺すことに躊躇う隊員。

隊員同士、過去のあることで反目しあっていたり。

部族のリーダーである女性と自衛隊隊員との微かな恋模様も。

ソマリアやアフリカの紛争が起こる原因について、西欧諸国の武器の援助や、資源や石油の利権などが絡んでくる。

武器や市街戦の戦い方などものすごくリアリティに溢れている。もう本当に戦場にいるような錯覚さえ覚えてしまう。

リアリティはあるけどエンタメ要素が全く隙がないほど物語に詰め込まれている。

抜群に面白い戦争アクション小説!



なんだかここ最近自衛隊が戦う小説を読んでいる。

別段自衛隊に興味があるわけもなく、戦争にも興味があるわけでもない。

偶然なのか、無意識に選んでいるのか?

それとも戦争をリアリティを持って描ける小説家が増えているのでしょうか。

リアリティは間違いなく今の小説には欠かせないことの一つだと思います。



このようなドンパチするアクション小説を読みながら

国のためや仲間のために戦うことに感動します。



でも、それでも、今の戦わない自衛隊を誇りに思います。

ずっと戦わない平和な時が続きますように。






今日はここまで。


「土漠では夜明けを待つ勇気のある者だけが明日を迎える」
/「土漠の花 」より
逃げてきた女性アスキラが自衛隊隊員に聞かせるソマリアの格言












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