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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.167 読書 ピエール・ルメートル「監禁面接」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 ピエール・ルメートルの「監禁面接」についてです。

「その女アレックス」の鬼才ピエール・ルメートル。

カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ、「悲しみのイレーヌ」、「その女アレックス」、「わが母なるロージー」、「傷だらけのカミーユ」、と夢中になりました。

もう圧倒的な残虐性とエンターテイメントがミックスした作風。

題名が「監禁面接」?!

監禁ときたらまた残虐描写かなと思いきや、今回はそのピエール・ルメートルの特徴である残虐性は抑えて、でももちろんサスペンスに溢れたお話でした。

失業、再就職って今の現代の社会的なテーマにぴったりの内容。

ピッタリだが、まあそれはブラックユーモアで、とんでもない展開に。

決して再就職頑張れとかいうメッセージではないので悪しからず。

もうピエール・ルメートル節炸裂の大どんでん返しの連続です。

ジェフリー・ディーヴァーとドン・ウィンズロウと、ピエール・ルメートルは絶対面白いと信頼できる作家の一人です。



物語は、リストラで失業中の主人公。もう4年目になり今はアルバイトで生活をしている。57歳で妻と2人暮らし、娘2人は自立している。

そんなある日、倉庫でのアルバイト先で一悶着を起こし、アルバイトさえも失いそうになる。

そんな危機的な状況の時に、主人公に朗報が。

就職活動をしていた一流企業から最終試験に残ったと。ただ試験の内容が

「就職先の企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ」と言う異様な内容だった。

まあ擬似犯罪で、重役たちの危機管理能力と、採用者の力量を測ると言うもの。

4年間も失業して、妻も娘もいて、アルバイトさえも失いそう。そして一流企業の最終面接。

ちょっとおかしな最終面接だが、主人公は挑戦してみようと決心する。

そして徹底的にその企業の重役たちの人物像を調べて、面接に挑む。

そして当日、犯人役の役者たちと、同じく採用者候補と、重役会議を襲撃する。

果たしてうまくいくでしょうか。



あらすじはまだ最初の方、そこからその面接があり得ない方向へ。もう暴走が止まらなく予想不可能に二転三転とし、一気読みしてしまいました。

まあネタバレになるので後半の話の筋は言えませんが、この57歳の主人公。

ここまで頭が良く、ガッツがあるなら、違う面接を受けてもどこかで受かるのではと思いますw 確かに57歳という年齢は厳しいですが、犯罪はいけませんw そして家族を大事にしないと。


自分はカメラマンで定年はありませんが、それでもやはり年齢ってちょっと考えますね。

まして会社員だったら60歳で定年が八割、高年齢者雇用安定法で65歳まで延長できますがお給料は下がってしまいます。

そして高年齢のリストラが社会問題になっていますね。

日本はまだマシな方で、海外ではかなりリストラも多いと聞きます。

日本の失業率は2021年で2.8%、フランスの失業率は2021年で7.3%と高いですね。結構切実。

ルメートルの父親も高齢で失業したとインタビューに。

本当に老後どうサバイバルしていくか、まあこの本はエンターテイメントですが
考えないといけませんね。

もちろんちゃんとした方法で。

今日はここまで。



おれをレースに復帰させてくれ、社会に戻してくれ、人間に戻してくれ。生きた人間に。そしてあの仕事をくれ!
/「監禁面接」より











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