趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.038 読書 夏見正隆「復讐の戦闘機(フランカー)」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 夏見正隆さんの「復讐の戦闘機(フランカー)」についてです。
航空自衛隊が戦う「スクランブル」シリーズ、第3弾。
第二弾も800ページ越えで読み応えありましたが、
今回は上下巻で500ページ、557ページとよりページが増えました。
今回は上巻で地上での戦い。下巻で空中戦という構成。
敵の”牙”が日本に来て彼の過去が明かされたり、
日本に潜伏している某国のスパイの銃撃戦や、
総理大臣が暗殺を命じたり、警察が自衛隊にとことん嫌がらせをするなど
なかなかの荒唐無稽感があるがもうエンターテイメントと割り切って楽しみました。
そして下巻、今回は日本の原発を爆撃しに飛行部隊がやってくる!!!
3分の2ほど空中戦でもう待っていましたとばかり、ものすごいバトルで大興奮。
今まで憲法で撃てなかったが、ついに自衛隊イーグルがミグと壮絶な戦いに。
バルカン砲が炸裂した瞬間、読みながら立ち上がってガッツポーズをしてしまいました。
そして女性パイロットたちの戦いも1番の敵”牙”と戦うシーンは
もう息を止めながら読むほど大興奮。
この第3弾、シリーズの中で一番面白かったです。
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物語は、”牙”と遭遇した女性パイロットたちがなんとか無事に基地へ帰ってくる。
今までの小競り合いは単なる偵察で、某国の秘密テロ組織”亜細亜のあけぼの”はついに日本壊滅の作戦を実行する。
狙うのは日本海にある浜高原発。
テロ組織の凄腕のパイロット”牙”は日本にいる某国のスパイの幹部に今回の作戦の説明をするために来日する。
そこで”牙”過去が明かされる。ここまでが上巻
下巻は、謎の飛行隊が日本へ近づいてきてスクランブルをかけたが次々と撃ち落とされていく。
そこへ救助隊のヘリコプターの活躍でその原因を排除しなんとか撃ち落とされることはなくなった。
ただ謎の飛行隊は原発へどんどん近づいてくる。
日本もイーグルの編隊を出してそれを阻止しようとする。
ついにイーグルVSミグの壮絶な戦いが始まる!
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現実は平和憲法でスクランブルしても警告するだけで一発も撃てない航空自衛隊ですが
小説の中、空想の中で敵の戦闘機と戦うシーンを読むと面白いですね。
そして原発が狙われるかもというところが。
実際にイスラエルがイラクが開発中の原発を破壊したことがありましたし、
今回のウクライナでもチェルノブイリが占領されたりしました。
はい、この小説は荒唐無稽なエンターテインメントです。
でも、もしかしてという想像を頭の片隅にあると良いかもしれません。
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好きなシーンはもちろん空中戦ですが、
もう一つ、”牙”に恋人が乗っている旅客機を撃ち落とされ自分まで撃墜され落ち込んでいる主人公の男性パイロット風谷に女医が叱咤激励するところは熱くなりました。
彼は戦闘中圧倒的な敵を撃てるほんの一瞬があったが躊躇してしまった。
あなたは優しいんじゃない、なぜ撃てなかったのか、誰かを守るために飛んでいない、自己満足で自分の夢が可愛いだけ、大人になれていない軟弱者よ!
か、かっこいい!
今日はここまで。
「でもな「国を護りたくて戦闘機に乗るようになった」のか、あるいは「戦闘機に乗りたかったから結果的に国を護っている」のか、どっちだと尋ねられたら、俺は確実に後のほうだ。」
/P.81 「復讐の戦闘機(フランカー)」上巻より
女性パイロットが上官に戦闘機に乗る動機を聞くシーン