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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.088 映画 アルフレッド・ヒッチコック「私は告白する」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 アルフレッド・ヒッチコックの「私は告白する」(1953/米)についてです。
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ヒッチコックはこれで25本目。生涯で50本ほど撮っているようなのでちょうど半分。
ただ、ほとんどメジャーな作品は観ていて、あまり有名じゃない作品が残っている。
まあそれでもやはりヒッチコックは面白いですが。
そんなあまりメジャーじゃない一本。
しかし小作品ながらやはりサスペンスの王様のヒッチコックの演出は光り、面白かったです。
今回はなんと殺人の罪を告白された神父が、戒律によりその罪を明かすことはできず、次第に自分は真犯人として疑われてしまう話。
もうネタが面白く、またいつものヒッチコックの常連の俳優が主人公ではなく、真面目なイケメンのモンゴメリー・クリフトがとても印象的。
ヒッチコックは一番最初に階段の上を横切るところで登場していますw
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物語は、カナダケベック市の神父の主人公。ある夜、教会の使用人から殺人を犯したと告解される。
教会の戒律で、告白されたことは絶対に外へ漏らしてはいけない。
その殺人事件を担当した刑事は、犯人は僧衣をまとっていたことを突き止め主人公の教会へ調べにくる。
犯行のあった日に、主人公の神父は他の人妻と会っていて、余計に警察から疑われるようになる。
主人公は無実を証明するために、その人妻と会っていたことを話し、過去に神父になる前にその人妻と恋愛関係だったことも告白する。
ただその殺された弁護士は、二人の過去をゆすっていたことが判明し、
またその使用人が次々と神父が犯人になるように証拠をなすりつけていく。
主人公は追い詰められついに裁判になってしまう。
果たして、主人公の運命は・・・。
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キリスト教のことはわかりませんが、そこまで守らないといけない戒律なの?と現代の感覚で思ってしまいますが、そのジレンマがこの映画を面白くしていますね。
それをいつものヒットコックの常連のジェームス・スチュワートやケーリー・グラントでは軽すぎて、つい警察に話してしまいそうです。
それを真面目そうなモンゴメリー・クリフトが演じるからこそ、この映画は面白いですね。彼の神父の衣装と、ピンと背筋を伸ばして歩く姿が印象的。
また映像も下からのアングルが多用され、映像からも不安な印象を効果的に出しています。
また神父に告白した犯人が、ずっと神父の近くにいてまるで悪魔のように囁いているところは不気味で怖いですね。
やっぱりヒッチコックって面白い。
あとまだ未見の25本観ていきたいと思います。
今日はここまで。
わたしは型にはめられた映画監督だ。もしわたしが『シンデレラ』を撮れば、観客はすぐに馬車の中に死体を探すだろう。
/アルフレッド・ヒッチコック