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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.002 読書 ドン・ウィンズロウ「報復」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は小説ドン・ウィンズロウ「報復」について。
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この本は元デルタフォースが家族の復讐のためにテロリストと戦うミニタリーアクション小説。
まあよくあるハリウッド映画の戦争アクション、
「エクスペンダブルズ」や「ネイビーシールズ」や「スペシャル・フォース」
などの小説版と言った方がわかりやすいでしょう。
それを徹底的に現代の武器や戦い方をリアルに描いている。
ただそれだけだと手に取らなかったが、大好きな作家ドン・ウィンズロウなので選びました。
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ドン・ウィンズロウはアメリカニューヨーク出身の小説家で
「ボビーZの気怠く優雅な人生」、「ダ・フォース」「壊れた世界の者たちよ」「犬の力」「ザ・カルテル」「ザ・ボーダー」
と大好きな作家さん。
圧倒的なエンターテインメントと圧倒的な暴力性が彼の持ち味。
麻薬カルテルとの血みどろの戦いの「犬の力」シリーズは今まで読んだどの本よりもエグすぎる。
しかしただエンターテイメントで暴力だけだと空っぽな内容になってしまいますが
ちゃんとリアリティもあり、
警察の腐敗や麻薬問題、移民問題、テロリズムなど、社会的な問題も考えさせる作風です。
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今回はその中でも割とエンターテイメント寄りですが、
現代兵器の描写や戦い方がものすごく綿密で、
最近ウクライナ戦争でよく耳にする
対戦車ミサイルのジャベリンや燃料気化爆弾などが出てきます。
現代の最新の物凄い装備で歩兵部隊でも戦車やヘリと戦える時代なのは驚きました。
もちろん現実はどのくらいの差なのかはわかりませんが。
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物語は
元デルタフォースの主人公は空港の保安員として働くが、ある日飛行機事故で妻と子供を亡くす。
政府の調べでは事故として片付けられたが、独自に調べていくとテロリストの仕業ではないかと疑念を持つ。
ただ政府はイスラムを刺激したくないのか隠蔽工作をして主人公を騙そうとする。
主人公は元の仲間の傭兵たちの元へ、遺族からの飛行機事故の賠償金を資金に
武器を集め、報復を開始する。
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あまりにも面白すぎて600ページの長編だが2日で一気読みするほど。
物語はまあアクションとして定番ですが、
家族の死、仲間と訓練、敵との壮絶な戦いとw
そんなありきたりなのにドン・ウィンズロウの筆力は圧倒的で凄いです。
戦いのシーンと武器の描写は読んでみる価値ありです。
もちろん昨今のウクライナの戦争を見て心が痛みます。
何もできない歯痒さは本当に。
今日はここまで。
「悪の勝利に必要なのはただ・・・・」
「・・・・善人が何もしないことだ」
P.117「報復」より、元デルタフォース隊員デイヴィッド・コリンズの台詞