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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.134 読書 小野不由美「ゴーストハント7 扉を開けて 」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 小野不由美さんの「ゴーストハント7 扉を開けて 」についてです。
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ついにゴーストハントシリーズ最終巻!
シリーズが終わると、もう新しい物語が読めない寂しさと全部読めた満足感と、微妙な感覚を味わう。
何度も体験しているが、やはりいつも微妙な感覚になる。
シリーズってやはり長い付き合いになるし、登場人物への思い入れもまるで生きている人並みに輪郭がはっきりしてくる。
永遠に続くシリーズに挑戦せねばw 「グイン・サーガ」でも読みますかw 140巻あるので死ぬまで読めるかもw 山岡荘八の『徳川家康』26巻、中里介山の「大菩薩峠」41巻、プルーストの「失われた時を求めて」10巻、二階堂蘭子『人狼城の恐怖』4巻も。絢辻行人の「館シリーズ」7巻、「南総里見八犬伝」全98巻
まあとにかくシリーズものは終わると結構ショックが大きいんですよ。
話はそれましたが、ついに 今作で完結。
謎の心霊調査会社の所長ナルの正体がわかります。
すっきりするとともに、謎は謎のままで良かったような気もします。
主人公麻衣の恋模様もそのナルの謎とともに・・・。
そしてナルの謎と並行してまた不可解な事件(一応依頼はあったのですが・・)に巻き込まれます。
事件はサブストーリーかなと思いきや結構怖く、また切ない展開でした。
小野さん今シリーズは少女小説でしたが、だんだん本気を出されて、シリーズ後半はかなり読み応えのある結構サスペンスな展開でした。
「十二国記」、「屍鬼」、ときて「ゴーストハント」も小野さんの中で好きな作品です。
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物語は、第6巻で能登の事件を解決して、車で東京へ帰る途中。
道に迷いダムの湖畔に来てしまう。
突然心霊調査会社の所長のナルは、そこに自分の兄の死体があると言い、
もう東京にある心霊調査会社は閉鎖しても良いと言い放つ。
戸惑う主人公麻衣や霊媒師の仲間達は、湖畔のバンガローで泊まることに。
ナルと助手のリンは、ダイバーを雇いダムの底を調査する。
バンガローで調査を待っているとき、ダムの近くの村の人が心霊調査を依頼する。
待つ時間を持て余していたナルたちはその依頼を受け、幽霊が出る小学校へ向かう。
調査を開始するが、何も出ず、学校の外へ出ようすると・・・・・。
そこには恐ろしい罠が仕組まれていた。
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今回最終巻で、かつ物語の中で心霊調査会社は閉鎖して、せっかく仲良くなった霊媒師チームと二度と会えなくなってしまいます。
そんなのは嫌だと主人公の女の子は言うと
お坊さんが「別れのない人間関係はない」と言います。
確かに、人間には必ず死があるので、100%いつかしら別れてしまいます。
死ぬ前でも、学校や職場や恋愛関係や友情も、別れがくることが多いのです。
それでも、主人公の麻衣は自分の感情をナルにぶつけます。
そして最後にナルの謎が全て解ります。
小野さんの今までの伏線回収はお見事。
そして麻衣の恋の行方は・・・。
さすがちゃんと少女小説の基本、主人公は女の子である、恋愛がある、と言う原則を守っていますね!
いや〜最初このシリーズを読み始めた時、あまりにも軽いティーン向けの学園ホラーかなと思いきや、どんどん面白くどんどん本格的になって(5巻は本当に怖かったw)、最後にやはりキュンとする明るい良い終わり方をして良かったです。
こんなに面白い物語を世に出して頂き小野さんに感謝。
これからもついていきます!
今日はここまで。
「有り体に言うなら、霊に関しては、何一つ確実なことは分からないし、それどころか幽霊が本当に存在するという証拠もない。僕がやっているのはデータの収集だな。録画、録音、計器の観測データ。たとえば、霊姿がはっきり写った画像はないが、奇妙な光や靄が写ったものなら無数にある。これを徹底的に分析してそれが何かなのかを探る。既知の科学の篩にかけて。それでも説明できなければ、それは「何か」だ。科学的に新しい現象だということになる。「何か」を集めていくと、共通項が出てくる。そこから「何か」について法則が導き出され、「何か」がどんな存在なのか分かる。僕が探している「何か」は一般に幽霊と呼ばれているものだ」
/「ゴーストハント7 扉を開けて」より