趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.059 読書 夏見正隆「亡命機ミグ29―スクランブル」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 夏見正隆さんの「亡命機ミグ29―スクランブル」についてです。
航空自衛隊が活躍する「スクランブルシリーズ」の第4弾ですね。
本当にこのシリーズ読みやすくかつ面白いので止まりません。
あり得ない状況ばかりで荒唐無稽ですが、最近はこれはエンターテイメントだと割り切って楽しんでいます。
そう”リアルじゃなきゃダメだ”という病にかかっていたかもしれません。
今回はミグ29が日本に亡命してくる話。
前半はいいとして後半の展開は想像を超えあり得ない!と思いましたが良いんです。
なぜ物語を読みたいんでしょう。事実を知るだけでなく、自分の想像以上のもの、現実以上のものに出会えることがまた読書の楽しみでは。
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物語は吹雪の中で主人公の風谷(気弱で優しい男性パイロット、今まで二回謎の戦闘機と戦っている)は緊急スクランブルで発進する。
日本に近づいてきたのはミグ29。
危うく追撃するところ、そのミグは亡命するために日本にやってきた。
基地へ誘導し、戦闘機から降りてきたのは北朝鮮のパイロットと軍人の二人。
本当に日本に来た目的は、
風谷と北朝鮮パイロットとの交流。
そしてその後想像を超えた展開が始まる。
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亡命という話をメインに北朝鮮のパイロットの交流と恐ろしい計画と今回は結構面白い。
特に北朝鮮パイロットが風谷に話すシーンで。風谷は親切心で君の国は飢えているから家族を連れて国を出ないかと言うと、
「その通りだ。食い物はないのが当たり前だ。アメリカや日本のように食い物があふれているのはどこかおかしいのだ。お前はこんな国に住んでいるから、おかしいことに気がつかないのだ。人類は400万年餓えてきた。今も地球上で大部分の人間は飢えている。作ったハンバーガーを10分で捨てる方が狂っている。お前は自分達が狂っているとーおかしいと、気がつかないのか」
と逆に言われてしまう。
結構この北朝鮮のパイロットの言葉にハッとしました。
確かに逆におかしいのは自分達かもと。
こんな風に食料廃棄しているのは。
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そして気弱で優しい主人公が戦闘と人との交流でどんどん成長していく様が楽しいですね。
他の2人の女性パイロット(このシリーズのもう二人の主人公)たちは天才だが、この風谷君は良い意味で普通の人で本当にしっかりしろと思いますが
その優しさが、人の話を聞けるところが好感を持てますね。
今日はここまで。
「人の話に耳を傾けられる男は、成長するよ」
「そうでしょうか、俺は自分がないのかなって、時々思います。もっと自分の主張とか、我を通すようなところが、あった方がいいのかなって」
「自分の我の強さに、気づいていないだけさ。あんたたちパイロットは、みんなそうだよ」
P.413「亡命機ミグ29―スクランブル」より
整備長と風谷が話をするシーン