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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.164 読書 ジェフリー・ディーヴァー「フルスロットル トラブル・イン・マインドI 」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 ジェフリー・ディーヴァーの「フルスロットル トラブル・イン・マインドI 」についてです。
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どんでん返しの魔術師という異名を持つ人気作家ジェフリー・ディーヴァーの短編集。
彼の作品はリンカーン・ライムシリーズ、キャサリン・ダンスシリーズと大好きでほとんど読んでいます。今調べると39冊読んでいます。
短編「ポーカー・レッスン」を読んでいて、その超絶技巧に感心した記憶があります。
今回は6編の短編からなる、リンカーン・ライムとキャサリン・ダンスとジェフリー・ディーヴァーの看板スターが次々と出演。他にも昔の作品のキャラクターも。
看板スターが、長編とはまた違う味わいで読めるのはファンとしてたまりません。
まさにフルスロットルな展開で、一気に読んでしまいました。
「トラブル・イン・マインドI」ということはⅡもあるということなので期待しています。
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物語は、第1話は人間嘘発見器のキャサリン・ダンスが登場。テロリストの口を割らないと次の爆発が。犯人はプロフェッショナルな彼女の尋問でも全く尻尾を出さない。タイムリミットがどんどん過ぎてしまう。どんな手を使って自白させられるか。
第2話は「リンカーン・ライム」シリーズに出てくるロン・セリットー警部補。老婆が2人の親子に騙されそうになる事件の話。
第3話は人気の落ちた俳優が再起をかけてリアルなポーカーゲーム番組を企画し、そのリアリティショーで優勝すれば莫大の賞金とそこで名を上げればまた仕事のオファーがくる。一世一代の勝負が始まる。
第4話は、四肢麻痺の元科学捜査官リンカーン・ライムが登場。今回の犯人は犯行現場にあらゆるゴミを撒き散らし、証拠品だらけにしてしまう。今まで微差な証拠から犯人を探していたが、こんなふうに逆手に取るなんて。
第5話はジョン・ぺラム、ジェフリー・ディーヴァーの初期のキャラクターらしい。読まなくては。彼は映画のコーディネーター。いきなりブレーキが効かなくなり、他の車と接触事故を起こしてしまう。相手の車には美しい女性とヒッチハイカーが乗っていた。修理工場でその女性と話すようになり・・・。
第6話は、中国オリンピック会場、各国の選手たちが各自色々な思いを秘めている。大会当日テロが起きる。その場所は、その目的は、
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もう全部面白いです。
さすがどんでん返しの魔術師。短編なのでまさにフルスロットルで、最初から飛ばしていきます。
長編のようにじっくりキャラクターの心の内や、小さな出来事などを積み重ねることはしません。
前回の短編「ポーカー・レッスン」はもっと短い作品で16編あったが、今回は6編なので、1時間ドラマぐらいなのでちょうど良かったです。
好きな作家は長編と短編とエッセイと3つのジャンルでも楽しめて、その3つを読んでこそ本当のファンになる気がします。
短編はその作家のテクニックとエッセンスが味わえ、サイドストーリーや実験的な話などもあります。
他の作家も短編を読んでいこうと思います。
相手を欺いているとき(意図的な嘘をついているのであれ、話の一部を省略したに過ぎないときであれ)、人はストレスを感じ、そのストレスは何らかの形で表れる。チャールズ・ダーウィンはこう言っている「抑制された感情は、まず例外なく身体の動作として表れる」
P.52「フルスロットル トラブル・イン・マインドI 」より