趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.128 読書 夏見正隆「スクランブル 蒼穹の五輪」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 夏見正隆さんの「スクランブル 蒼穹の五輪」についてです。
航空自衛隊が活躍する「スクランブルシリーズ」の第12弾。
このシリーズの今のところ最新巻。
東京オリンピックも最近終わったばかりで、今の時代に追いついてきました。
ブルーインパルスが東京の上空を飛んでいたのも記憶に新しいですね。
842ページもありますが、今シリーズはどんどん読めてしまいます!
今回は主人公のイーグルを操る天才女性パイロット鏡がそのブルーインパルスのメンバーに選ばれる話。
オリンピックに合わせサミットを開こうとするときに、敵国の魔の手が伸びてくる。
毎回荒唐無稽だが、今回は現実の出来事も入れているので、なかなかリアリティもあり、ブルーインパルスのことについても知れるので面白かったです。
ただ、今年の前半に夢中になったこのスクランブルシリーズ(今のパイロットたちの祖父の時代の話もある)がここまでしか出ていないので、若干の寂しさは感じてしまう。
早く新刊が出てほしい。
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物語は、F-35とF−15イーグルとの演習から始まる。
F-35はステレス機で圧倒的な性能の差を感じるが、F-15の天才パイロット鏡黒羽の腕の方が上だった。
そしてその演習の後、鏡黒羽に辞令が出る。
ブルーインパルス部隊に参加して、あと半年に差し迫ったオリンピックの開会式に上空に五輪の輪を描けという命令。
政治家の女性蔑視発言でブルーインパルスに急遽女性パイロットを入れると決まってしまった。
一方政治の方ではオリンピックに合わせ、日米豪印で民主主義サミットを開こうと準備していた。
そんなおり、日本の敵国では、オリンピックに合わせ大規模なテロを起こそうと魔の手が伸びてきた。
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ブルーインパルス、曲芸飛行の部隊ぐらいしか知りませんでした。
実際はものすごく腕の立つパイロットが集められていたり、
鏡黒羽が来て、初日で追い出そうと送別会をする予定が、本当に腕が立つとわかれば気持ちよく入隊を許すシーンは気持ちがいい。
またオリンピック当日のブルーインパルスは開会式のタイミングを合わせて海の上空で待機している、
5機で飛ぶがもう一機サブとして待機しているなど
コンピューターで自動ではなく、何度も一緒に練習して、人間の腕とタイミングであの美しい雲を描くとは!
もちろん小説ですが、裏側を垣間見れて楽しかったです。
今回も天才パイロット鏡黒羽の活躍っぷりが後半につれ盛り上がります。
このシリーズ努力型で精神的に優しい男のパイロット風谷修、大学出のOLから転身した漆沢美砂生、天才パイロット鏡黒羽の三人が主人公でした。
漆沢さんは大学出なので出世して指揮をとるようになり、風谷君は鏡と組むが、なんだか最近はサポートのように。
もう主人公は鏡黒羽ですね。
そして宿敵「牙」も破り、世界最強のF-35も破り、ブルーインパルスまで参加して、もう無双状態。
今後どうなるんでしょう。
まだシリーズ終わっていない感じですが。
この巻の終わりには、戦闘機で戦う基地での厳しい鏡黒羽とは、違う表情がみれるのが良いですね!
今日はここまで。
「あんたなら、よく承知と思うが。実は国際加盟国が193カ国もあるうち、まともな民主主義国家と呼べる国は、ごくわずかだ。193の国のうち、実に八割が独裁下軍事政権か、それに近い状態なのだ。選挙があっても形だけみたいな国が、ほとんどだ。わが国の安全な環境にいると、人権が守られていることも民主的な選挙も当たり前に見える。しかし世界の中では、俺たちのような国はむしろ少数派だ」
浜田内閣総理大臣が戦略企画班長の夏威に話す。
/「スクランブル 蒼穹の五輪」より