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「知識は無料公開。学習補助は有料対応」という仮説。

下記のツイートを読んで、ハッとしました。

知識に対価を支払うべきというのはその通りなんだけど、ただでさえユーザーの少ない純粋学問の何もかもにお金を取っていたら、単に人々がそれを使わなくなるだけだと思います。だから僕は「知識」はMathpedia上に無償提供しますが「学習補助」には対価を頂くのがちょうど良いバランスと思っています。


知識は無料公開。学習補助は有料対応

このツイートにある「知識は無料公開。学習補助は有料対応」という考え方は、インターネット時代において一般化していくのではなかろうか…と思い始めています。学習補助や行動支援へのニーズが今後も高まり、対価が発生していく。その流れは今後も強くなりそうな予感です。Web活用支援やカスマターサクセスもその文脈に含まれるのかもしれません。


地方でのWebマーケ支援の場合

自社が取り組んでいるWebマーケ支援もそれに近い雰囲気があります。
もちろん、地方BtoBのWebマーケ支援の場合、「学習補助」「行動支援」の言葉だけでは収まりきらない難しさがあります。まず、「その気になってもらう」「ヨロヨロとでも歩いてもらう」ことが必要です。黎明期ゆえのハードルだとは思いますが、知識やマニュアルとは別のサムシングが必要だったりします。


サムシングとは何か?

サムシングとは何か? 一言でいえば、「人に動いてもらうために有効な何か」だと思っていますが、これが人によって違うから難しい。なぜなら、それは対人関係&信頼関係に属しているからです。

ぼくの場合は「顧客事業を深く理解する/早いレスポンスを熱意を込めてやる/約束を守る」になりますが、これが全方位的な解だとも思っていません。自分がコントロールできることがこれくらいだからです。そしてそれは人によって違うはずで。


地方Webマーケ支援は属人的な領域から始めざるを得ない

だから、地方BtoBのWebマーケ支援は最初は属人的な領域から始めざるを得ないと思っています。Webマーケが今より一般化して、顧客の世代も変わったら別ですが。あと数年、2025年くらいまでは地方BtoBのWebマーケ支援は属人的なスキルの集合体で拡張していくしかないんじゃないかな…と個人的には思っています。たぶんそれが一番近道だし、数年後の会社の強さに繋がるのでは…という妄想です。

2025年以降、Webマーケが今よりもっと当たり前になって、それが地方BtoBにも浸透して、顧客側も変化した時に、それまでコツコツ蓄積したナレッジが役に立つと思っています。そこで初めて支援側は属人的業務から脱却できる。はず。だったらいいな。と思っています。全部妄想ですが。


ナレッジは万能ではない

ナレッジは重要だけど、今は顧客側がそれだけでは動かない時期で。
ナレッジが役に立つ時ってプレイヤーがいる時なんですよね。それは自転車と乗れる人の関係に似ています。例え自転車が100台揃っていても、乗れる人が一人だけだったらあまり意味がありません。
地方BtoBのWebマーケにおいては「プレイヤー不在」が大きな課題ですので、その対策としてナレッジはミスマッチです。


「支援」の前に「育成」が必要

地方BtoBのWebマーケ支援で最初に必要なのは「プレイヤー候補」を見つけ出し、その気になってもらい、継続的な行動を習慣化し、小さな成功を積み重ね、社内に少しずつ認めてもらう活動です。これを一言で表す言葉をぼくは持っていません。敢えていえば「育成」に近いかと。

地方BtoBのWebマーケ支援では「支援」の前に「育成」が必要です。MA導入しても上手くいかない地方企業の声は多いですが、そこがミスマッチの要因かもです。


現場の人に届く言葉が必要

「育成」の落とし穴

育成といったとたんに、「教える側」「教わる側」の構造ができてしまいます。ぼくはそれも落とし穴だと思っています。勘違いしやすいですが、地方BtoBの皆さんはWebのマスターになりたいわけではありません。Webというツールを使って、自社事業に役立てたいと思っている人たちです。

ですが、Webマーケ支援を始めて「教える側」「教わる側」の関係性になってしまうと、Webが主語になりがちです。支援者がWeb側の人間なので。しかし、主語は「顧客事業」であり、その主体者は「顧客の社員」です。そして、多くの社員さんは現場の文脈で日々働いています。Webの文脈などで動いたりしません。


現場の言葉で説明できなかったら誰の胸にも響かない

数年前、社内の営業改善に取り組んでいたBtoB企業のZ社様。コンサルに入ってもらい、目指すは提案型営業へとご苦労されたそうです。

こちらの言葉が印象的でした。

「あれこれ勉強して、営業部の皆に色々働きかけましたが、結局ですね、現場で使っている言葉で説明できなかったら、誰の胸にも響かないんですね」

Webマーケ支援では担当者様の向こう側にいる別部署の方々にも動いてもらわなければいけません。つまり、担当者様が社内で説明するときに使える言葉で理解していただく必要があります。
その場だけで通じる言葉では意味がありません。顧客側の方々の行動を変える/行動を起こすのがWebマーケ支援の役割なので。


「教える側」の落とし穴

「教える側」「教わる側」の構造になってしまうと、その両者でだけ通じる言葉で完結してしまいがちです。本来はその向こう側にいる社員さんたちに通じる「現場の言葉」が必要なのに。
それは「教える側」の落とし穴だと思っています。「育成」という言葉は便利ですが、それが内包している構造的な罠に陥らないようにWebマーケの支援者は注意する必要があると思っています。


学びとして大きかった上記Z社様の発言は以前noteにまとめていますので、よかったらご覧ください。

「現場の言葉」と「借り物の言葉」


「言葉と仕事」についての関連note



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長野県BtoB企業の皆さまへ

ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。

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稲田英資について

株式会社JBNで戦略策定とWebマーケティング支援を担当しています。
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