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多くの地方企業がこれから抱えるジレンマ

Webサイト制作をしていると、「採用を強化するために採用サイトを作るのもいいけれど、今いる社員さんに離職されないための施策はどうなっているんでしょうか。そちらの方が経営課題として重要だと思うんですが…」と聞きたくなるケースもなくはないです。初対面でそんなに無邪気に聞けないけど。顧客と信頼関係を作れたら容赦なく聞きます。

「いつでも転職できる人材になること」が今後の通常マインドになる

最近見た、下記のツイートが印象的でした。

“ 令和の安定は「いつでも転職できる人材になっている」こと ”

このマインドはたぶん止めようがありません。時代の変化に適応した「個人の防衛策」として当然だからです。仕事に前向きで成長意欲がある人ほどそうなるはずで。そういう人ほど勤務先を「自分が成長する場」として活用するはずです。
その意欲は企業にとって推奨すべきですが、成長する人ほど離職リスクが高まるというジレンマが生まれます。

地方企業がこれから抱えるジレンマ

「成長意欲がある人は大切だが、そういう人ほど離職リスクが高い」

今後、このジレンマの対策が重要な経営課題になるとぼくは思っています。 それは地方の中小企業ほど重要な課題になるはずです。
唯でさえ人材獲得に時間と労力がかかるのに、コストをかけてやっと採用した人が成長意欲のある人ほど辞めていくというのは悪夢に近い。穴が空いたバケツに水を入れるのはもうできません。そのバケツ、20年前は使えていたかもですが。

ジレンマの対応策

結局、企業ができることは下記の2点だと思います。

  1. 社員さんの成長を支援する

  2. 成長しても自社を選んでもらえるための努力をする

ジレンマの解決としては当然すぎる話のようですが、実際に実行するのは至難の業だと思っています。

実現が難しいテーマにチャレンジせざるを得ない

なぜなら、「社員さんに選んでもらえる会社になろう」という取り組みは企業にとってほぼ初めてのテーマだからです。地方の中小企業は特に。初めてのことは時間がかかります。会社全体のマインドチェンジも必要です。

また、この課題の特徴として、「口だけで行動が伴わないのは最悪な結果になる」という点があります。「いつでも転職できる人材になっていること」を目指す社員さんにとって口だけで行動が伴わない企業はを見限るに充分な要素だからです。

「この会社は自分が成長できる場所か?」が今後の重要な在職要因となる

「ここに留まっていても成長できない」と思われたら最悪です。「この会社は自分が成長できる環境か否か?」が今後の重要な在職要因になるので。口だけで行動しない会社では成長できないと彼ら彼女らは思うでしょう。

さらに厳しいのが、「変化するために企業に残された時間はもう多くない」ということです。社内の年齢構成はどんどん偏るばかりです。そして、今後は成長意欲のある社員さんほど離職していく可能性が高い。

変わることができた企業だけが生き残る

これは中々タフな状況です。凡庸な覚悟では乗り越えられないかもしれない。でもやるしかない。「外的環境の変化」とは要因としてそれほど強い。変わることができた企業だけが生き残る。大袈裟なようですが、ぼくはそう思っています。

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