Webマーケに向いていない企業。
地方BtoB企業を中心にWebマーケ支援を担当していると、企業の文化や体質によって向き不向きがあることが分かってきます。支援を始めると結構すぐ分かります。
圧倒的に向いていないのが、「活動の目線がユーザーではなく、社内の上司や経営者に向いている企業」です。BtoB企業におけるWebマーケティングの肝といってもいいインバウンドマーケティングの方法論に向いていないし、そもそも速度が出せない。速度が出せないと活動量が足りません。そして、活動量が足りないWebマーケは特に何も起こりません。
良い悪いではなく、社風や性格の違い
かといって、その会社が悪い会社かというとそんなことないんですよね。Webマーケティングに向いていないだけで。良い悪いではなく、その企業の文化であり、これまで培った性格の違いだと思います。
厄介なのが、時代や市場の変化で「不向きな企業もWebマーケティングをしなくてはならなくなった」ということです。
例えるなら、今までギターを弾いたこともないし、人前で表現すること自体が苦手な人がバンド活動をするようなものです。これまでは家で本を読んでいればよかったのに、急にバンドをやらなくちゃいけなくなった。これは難しいです。ぼくだったら絶対いやだ。
「向いてませんね」と伝える困難さ
Webマーケティングに向いている企業は一年も経てば見違えるような成長を遂げますが、不向きな企業は一年経ってもあまり変わりません。向き不向きでここまで違うかというくらい差が出ます。
不向きな会社のWebマーケ支援で重要なのが、「御社は向いていませんね。でも、そこから頑張りましょう」と伝えることです。現状把握を明確にしておかないと課題や施策の合意形成がやりづらい。誤魔化しても互いにいいことがありません。
だから、「向いていないんだ」「他社より時間がかかっても仕方がない」「ギターは苦手だけど自分たちが得意なことは何だろうか」と認識してもらうことはとても大切です。でも、これが難しい。ある程度の信頼関係を築けていないと言えないですよね。言えたとしても、信頼関係がなかったら納得してもらえません。
あまり言及されないけれど、Webマーケ支援の初年度において重要なハードルだと思っています。特に地方BtoB企業のWebマーケ支援では。ぼくはいつもここで苦労するけれど、他の人たちはそんなことないのかしら。
関連note
ギターが得意な社内スタッフさんや、それ以外のスキルをもつ社員さんを発掘できたら最高ですが、そもそも、今の社員評価制度はそのように設計されていません。
Webマーケティングの領域でいったら、「コンテンツを書ける社員さん」「お客さんの課題を傾聴して言語化するのが得意な人」「取材が得意な人」「動画を作れる人」「セミナーの講師が得意な人」「SNSでの交流が得意な人」などに当てはまります。現代の企業活動において重要なスキルですが、そもそも社内にそういう社員さんがいるかどうかを把握できていない企業がほとんどではないでしょうか。
これは今の評価制度の穴だと思っています。時代のニーズに追いつけていないままの穴がぽっかり空いています。この数年で外部環境が凄まじいスピードで変化したから無理はないのですが。
この社員評価制度の穴も「Webマーケをやりたいけど向いていない問題」の大きな背景だと思います。
この問題についてもnote『社員評価制度の「穴」を埋めないと企業SNSやコンテンツ作りは難しい』にまとめていますので、よかったらご覧ください。
放置しておくと他社との差がどんどん開いていく領域なので、あまり残された時間はないんじゃないかな…と思っています。
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