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村上春樹作品ってどんな人がどんなふうに読んでいる?(4)
※前回の記事
③村上春樹の作品ってどんなふうに読んでる?
今回で、③について話すのは最後です。
もう少しお付き合い頂けますと幸いです。
文章に圧倒される時間がある
村上作品を読んでいるときに、文章に圧倒されることがあると伝えておきたいです。
例えば、
ある人物が目が覚めると現実なのか夢なのかわからない空間にいました。
その空間がとにかく無であることを文章でこれでもかと訴えかけて来ます。
無いものは情報なのか、肉体的感覚なのか、時間という概念なのか。
夢なら覚めればいいだけですが、妙な現実感が読み手を困惑させます。
そのうち、「この空間は耐えられない。もういいから次の展開をくれ!」と思います。
いつのまにか私たちは村上ワールドにどっぷり浸かっているのです。
目的地にたどり着いたときも、「さあ、これからだ!」という時に、かなりしっかり風景を描写します。
どんな建物なのか、どんな空気なのか、
どんな匂いがするのか、等々。
「あ、また焦らされてる!」
と思いつつもなんとか読み続けます。
別の本からたくさん引用したり、朗読するシーンでは、それがあまりにも長くて焦れることも。
作品を読む上で、この引用が手がかりになることは間違いありません。
「これってこういうことなの?」と後からじわじわ効いてきます。
それでも、読み進めている最中は次の展開がどうしても気になってしまいます。
つい、前のめりで読んでしまう程、おもしろいんです!
登場人物と同じく、脳が力尽きて、眠りにつくこともあります。
それから、音楽も村上作品には欠かせませんね。
しかし、私は作品に出てくる曲を聞いたことがありません。
「そんなファンも居るんだな」と思ってください。
とは言え、何かのきっかけでその曲の名前が出てきた時に「クラシックもジャズもわからないけど、これは名前なら知ってる!」と嬉しくなります。
次回はいよいよ最後です。
④村上春樹の作品のどんなところが好き?
について語ります。
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