プロジェクトマネージメントで得られるもの
プロジェクトマネージメントを通して得られることを大きく3つに分けてみました。
1. 業界知識が身に付く
2. 人脈が増える
3. 経験値の獲得
1. 業界知識が身に付く
「言われたことを右から左に伝えるのはただの「伝言役」。これは中学生でもできることだから、そんな仕事の仕方だったら君がいる意味はないよ。」
若い頃にプロデューサーの立ち位置の人に言われた言葉です。
これがショックで悔しくて、それ以降は「井本さんがいてよかった」と言われるように行動するように心がけました。
プロジェクトマネージャーは「目的」を達成するために、言われたことを「どのように」伝えれば正確に伝わるか、不足する情報はないか、よりスムーズに進行するために自分の考えも添えるなど、自分自身を通すことに何らかの付加価値(Value)をつけることが大切です。
・言われたことを自分が100%理解できているか
・相手の立場を考えた時にどう伝えるのがいいか
・相手が分かる専門用語に置き換えた方がいいのか
など、業界知識をある程度インプットしておかないといけません。
例えば、
クライアントから「インフルエンサーマーケティングやりたいから、リストくれない?」と言われたします。そこから、社内のキャスティング担当に「クライアントがリスト欲しいって言ってるから作ってくれない?」
と伝えたとします。
もしもこれを部下がやっていたら間違いなく注意します。
上記は最たる悪い例ですが、クライアントから上記のように言われたら
・クライアントがプロモーションしたい商材は何なのか
・クライアントの課題は何か
・予算はいくらぐらいあるのか
・インフルエンサーはどんなジャンルで、フォロワーは何名ぐらいいたほうがいいのか、芸能人なのかマイクロインフルエンサーなのか
・本当にインフルエンサープロモーションが適切なのか
・リストはいつまでに提出必要なのか
などヒアリングをやり直せ!と言うでしょう。
これも「インフルエンサーマーケティング」の知識があれば、クライアントから言われた時にすぐにヒアリングできるようになります。社内に持ち帰り、上司やキャスティング担当からヒアリング内容が少ないと指摘され、そこからまたクライアントにヒアリングするなんていうのは、本当に時間の無駄です。
とはいえ、初めは分からないことが当たり前です。大事なのは一度した失敗やミスを次に活かすこと。これがスピード感をもった成長をできるかどうかの分かれ目になります。
プロジェクトマネージメントを通して、得られる知識や経験を積めば積むほど、業界について詳しくなることができます。また、一度習った知識は業界が古すぎない限り残るので、違う業界に転職した時などは他の人が持っていない自分だけのスキル=武器となります。
僕はインフルエンサーマーケティングの営業を行なった後、動画プロデュース会社に転職しました。そこで大きな規模感の動画プロデュース案件に携わったおかげで「インフルエンサーマーケティング」と「動画プロデュース」についての業界知識を身につけることができました。これも自分の武器として今とても役に立っています。
2. 人脈
プロジェクトマネージャーはクライアント含めプロジェクトに関わる人全てとコミュニケーションを取る立場といっても過言ではありません。広告業界にいるとインフルエンサー案件や動画制作案件や広告配信、ポスター制作、イベント運営等、毎回プロジェクトが変わることが多く、また関わる人たちも変わるので、常に新しい人たちと出会うことができます。
プロジェクトが大きければ大きいほど、関わる人も多く、天才的なクリエイティブを持った人、発注先のプロマネ力がめちゃくちゃ高い人など能力が高い人たちと知り合う機会が広がります。
プロジェクトを通じて出会った優秀な人たちと、別のプロジェクトでまた声をかけさせてもらうことは広告業界では往々にして起こります。僕のような少人数の会社はなかなか新規営業をする余裕がありません。だからこそ頂いた仕事を丁寧にこなし、新しい人たちと知り合うことで、仕事を頂いたり、こちらから発注したりと、「仕事が仕事を呼ぶ」スタイルで有り難いことに何とか生き延びています。
また、仕事を通じて出会った人たちの中にはプライベートでも仲良くさせてもらっている方もたくさんいて、この歳で尊敬できる人たちと出会うことができるのもプロジェクトマネージメントを通して得られる大きな財産だと思います。
3. 経験値
僕はドラゴンクエストというRPGゲームが昔から好きです。モンスターを倒しながら経験値を積み、レベルアップやスキルアップを重ねながら強敵を倒していくゲームなのですが、プロジェクトマネージメントもこれに近いと思っています。
今までに誰もがしっているアーティストや芸能人、海外セレブが絡んだプロジェクトに携わらせてもらいました。やはり一流の人たちは本人や周りのスタッフも含め、癖の強さも一流です(笑)
だからこそ生み出されるものも一流で、多くの人たちを喜ばせたり感動させたりできるのですが、そうしたプロジェクトに関わることは苦労も多い分、自分の中での達成感もひとしお大きいです。
とはいえ誰もがこんな大きなプロジェクトを初めから対応できるかというとそうではないと思います。僕も初めは予算感も規模感も小さなプロジェクトを担当するところから始まりました。1個1個、目の前に現れるモンスター(プロジェクト)を倒し続けていたら、いつの間にか一定の領域では余裕がでてくるようになりました。
そうすると物足りなくなるもので次のフィールドに出向くようになります(転職)新しいフィールドでは強敵が現れ、また四苦八苦しながら戦い続けます。そうしているとある時また余裕がでてくるのがわかります。この時「あ、多少は成長したのかな、自分は」と感じられるかもしれません。
僕はプロジェクトマネージメントに関わらず仕事は何でもそうだと思います。仕事ができる人たちは圧倒的な経験値の元に仕事をされていると思います。
「若いうちは買ってでも苦労をしろ」
というのはよく言ったもので、僕もこれには賛成です。
自分が回せそうなプロジェクトと未知で不安もあるけど規模感が大きなプロジェクトだったら間違いなく後者を選ぶべきです。特に会社員であれば尚更です。会社員であれば例え大赤字を出したとしてもそれで急にクビになることは余程のことがない限りありません。
1つ気をつけてほしいのは、「過酷な環境で働き続ける事」や「自分にとって悪影響な人」と仕事をすることは「苦労を買う」事とはイコールになりません。
人格否定や休みたいのに休めなくて体が壊れそう、など肉体的・精神的に不調がでそうな時は、すぐに逃げましょう(これについてはまた別途書こうと思います)
最後に
僕はクリエイティブに富んでいるとか、デザインができる、とか撮影技術が高いとか特別な才能は全くありません。強いていえば「コミュニケーションと調整力」が人よりも高い方かなと思いますが、そんな人はゴマンといます。
そんな平凡な僕でも、経済的にも精神的にも満足する生活を得られているのは、プロジェクトマネージメントを通して得た経験のお陰だと感じています。コミュニケーションを取るのが好きな人であれば、プロマネ力は努力すれば絶対につきます。
今僕は広告の仕事がメインですが、今後はこのプロマネ力を生かして、企業の新規事業や教育事業に取り組んでいきたいと思っています。初心を忘れず、どんどん挑戦していきましょう!僕もまだまだ若手の気持ちで新しいことに挑戦し続けていきたいと思います。