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若者の気持ちを投影した8分の動画を何度も再生した8月最後の日、名前はまだない。

今日は、クレジットカードでお馴染みのライフカードのWeb CMについてのお話です。

https://vimeo.com/114951416

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もうライフカードの公式YouTubeからはその動画は消え去ってしまっていて、一体いつ作られたんだっけ?と思って確認したら2015年のことだった。

約8分間のショートビデオなのだが、ぜひ一度、見てほしい。

当時の私は大学生で、数百人が住んでいる寮で夜な夜なジュースやお酒を持ち込んで「ただ集まって話す会」とか「特製キムチチゲを振舞ってもらう会」などに参加していたころ。ニトリの低価格でも買えるテーブルが多くの人の部屋にあって、その若干小さいテーブルを囲んで、授業の話とか、最近の恋愛の話とか、友人関係、眠気が来るまでざっくばらんに会話をした。

たぶん、その時は「映画会」だったと思うんだけど、映画を観終わった後に先輩が「これ、すっごいオススメだから是非見てくれ。」と今まで映画を見ていたプロジェクターに投影されたものが、さっき紹介した動画だった。

見終わって、みんなで何とも言えない染み渡った感情を抱えて、自分の部屋に帰っていったのだけれども とにかくその動画は私たちみたいな若者を励ますような、寄り添うような、キラキラしつつ優しい雰囲気を纏った作品だなと思った。

ひたすら、この映像について語っていきたい。私が考える、この映像の大好きなところを3点に絞って。

まず、独特の世界観が最高だった。

色で表現するなら、強めの赤が混じったセピア色のようなイメージ。[未来] [時間] [思い出] [今]との関係性を見ていく中で 時折、写ルンですを使って撮った写真のような色使いにもなる映像と紡がれるストーリーが、ゆっくり私を没入させていく。


殺風景のように見えてそうでもない、見たくもない悪意や求めてない善意が垣間見える社会を表現したようなシーンで静かに痛みが生じる。

とにかく、ゆっくりと、でも確かに映像に飲み込まれていく中で、ウッと腹にくる表現がある。

「『言葉』が浮遊する。 軽くて目障りで

それがちらついて僕には何もみえなくなった 」

当時は、大学生特有の悩みだと思いつつ、今もしっかり悩んでいる不安があってそれらを彷彿とさせる。例えば、「自分は何になりたいのだろう?」 「一体どうしてこの人はこんなにもキラキラしているのだろう。」 こんな感じの、漠然とした不安を。


ぐらつきそうになる自分を優しく励ましてくれる。

自分が取り巻く環境や将来に焦ったり、失望したり、逃げたくなることが多くある。そんな自分たちを、最後に彼がゆっくり語りかけて励ましてくる。

「水を浴びれば冷たいし、

太陽の下には 僕の影がある

すなわち 生きてるってことだ」

さわやかで、少し眩しい映像と共に、そう言って終わる最後のシーンを見て、今の自分のことを少し好きになれる気がした。

外出を控えてテレワークをしている間、季節が変わっていて、いつの間にか厚手のコートが要らない暖かさになっていて。なんだか表現しにくいけど、今日の日差しだとか、近所の猫に対する感情だとか、それらに対する自分の感覚を鈍くしてしまったような気がする。

けど昨日、突発的な雨が降って、そして久しぶりに見た虹をみて「そうだ、明日はあのWeb CMの話を書こう」と思ったのだった。あの感覚を思い出したのかもしれない。

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タイトルにある「名前はまだない8月最後の日」は、私がこの映像が大好きすぎて、たまらずFacebookに投稿した日。相変わらずではありますが、私は今のこの時を 生きています。



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