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Hims & Hers 好調、ハイブリッドケア、糖尿病管理、治験リクルーティング - 11月第3週デジタルヘルスケアニュース

ニュース

Hims & Hers、D2Cブランドのヘルスケア製品販売、第3四半期も好調の理由は広告費

D2Cブランドとしてヘルスケア製品を販売するHims & Hersが第3四半期の決算を発表し、好調ぶりを報告した。第3四半期の売上高は前年同期比95%急増し、1億4,480万ドルに。サブスクリプションは前年同期比80%増(新規会員174,000人)の合計991,000人。ただし、マーケティング費用も急増している(2021年第1~3四半期のマーケティング費用が9320万ドルに対して、2022年は101%増となる1億8700万ドル)。決算発表では、CEOとCFOの両者ともに広告・マーケティングが成功していると強調した。例としてはHims(男性向け製品)に専念した広告をNFL(アメリカンフットボール)に放映し、Hers(女性向け製品)の広告をHuluの人気番組で流している。さらに、アンドロイドとiPhoneの両方でアプリ提供も開始している。

2022年通年での売上は当初3億8千万ドルだったが、今回の発表で約5億2千万ドルに上方修正した。売上の53%を広告に投入しており、2022年通年で2億8千万ドルが広告宣伝に投下されると見られている。

テレヘルスからハイブリッドケアの時代へ

自宅隔離や在宅が推進された2020年にはオンライン・テレヘルスを広く普及させることが至上命題であった。必要に迫られた結果、テレヘルスを許可する規制が整備され、導入が急増した。しかし、その勢いは影を落とし始めている。公的保険であるMedicareとMedicaid利用者を対象に調査したところ、2021年は46%の患者が一度はテレヘルスを利用した一方で、2022年は29%に低下していると判明した。

このことは、時間と場所の制約から開放されるテレヘルスが便利である一方で、信頼している医師と可能なら対面で診察を希望する患者が多いことを示唆している。しかし、医療従事者が不足するアメリカにおいて(特に地方であるほど物理的な距離も遠く対面診察は難しい)、リソースを有効活用するためにも対面診療とテレヘルスを併用したハイブリッドケアが必須である。デバイス、簡易検査キットなどを利用してオンラインで対応出来る範囲を広げつつ、患者が医師を信頼できるような今の時代に合わせたコミュニケーションも考えていく必要がある。

https://www.fiercehealthcare.com/health-tech/industry-voices-telehealth-dead-era-hybrid-care-has-arrived

Verily(Googleの姉妹企業)のOnduoが2型糖尿病患者の血糖値低下に成功

Alphabet 傘下でGoogle 姉妹企業のVerilyが運営するOnduo(パーソナライズされた健康プログラム提供)は2型糖尿病患者の血糖値とコレステロールを低下させることに成功したと発表した。研究成果は、American Heart Association の年次会議で発表され、9ヶ月間使用した結果、Onduoは他社の健康プログラムよりも高い成果が出ていると公開した。Onduoのスマホアプリを使えば、ユーザーは食事・運動の記録、健康レシピや生活上のアドバイスを得ることが出来、ヘルスコーチや遠隔で医師と進捗状況を面談確認することも可能。他のデバイスをOnduoに連携することで、さらに充実したデータ集・記録とすることも可能。

本研究は、2020年12月から9ヶ月間、2型糖尿病患者600名を対象に行われている。参加者のHbA1cは既存プログラムでは変化0%に対して、Onduoでは0.3%低下し、空腹時血糖は約8.8%低下に成功した。さらにコレステロールに関しては善玉と呼ばれるHDLは1.4%上昇、悪玉のLDLは6.4%低下した。

https://www.fiercebiotech.com/medtech/aha-verilys-onduo-virtual-care-app-improves-glucose-cholesterol-type-2-diabetes-patients

Inato、より広範囲をターゲットとした臨床研究プラットフォームを構築

製薬会社の多くは、臨床試験の運営を同じセンターに依存していることが多く、上位5%の研究センターが臨床試験の約70%を占めていると言われる。Inato この状態に警鐘を鳴らしており、より多く患者を対象にした臨床研究を実現するために6年前に創業した。上位5%以外の研究センターが臨床試験に参画出来る機会を増やし、スポンサーも獲得できるような環境を提供する事を目指している。これは同時に、これまで臨床研究ではあまり光が当たらなかった患者群(臨床研究の多くは白人男性が対象になっている)にフォーカスすることを可能にする。2021年にInatoは急成長し、1200の研究センターと提携し、40カ国以上に展開。さらに対象疾患も70以上となった。「私たちが作り上げたのは、製薬会社から無作為の臨床試験を依頼されるのを待つサイトではなく、実際にプラットフォームに参加して、提携している製薬会社すべての試験に簡易にアクセスできるような体験です」とCEOのDavarpanahは言う。例として、煩雑なプロセスになりがちな臨床試験を簡単にするために開発した「Check Your Fit」ツールは、2分で治験に適合するか判定出来るという。無駄、重複作業を避け、より効率的なプロセスを目指している。

Inatoは2020年2月にシリーズAとして$14M をObvious Ventures、Cathay Innovation、Serena and Fly Venturesから調達している。

https://www.fiercehealthcare.com/health-tech/startup-inato-built-technology-reach-90-sites-ignored-clinical-research-heres-how-it


スタートアップ資金調達

Anzen

  • 11/8/2022、シード; $10M

  • VC - Andreesen Horowitz, MS&AD Ventures, 東京海上, AmTrust Financial, Greenlight Re

  • スタートアップ、中小企業向けの役員賠償責任保険

  • 42%のスタートアップ/中小企業が社員から訴えられている

  • 保険と合わせて従業員のコンプライアンスをモニタリングするツールも提供

  • 経営者、会社が社員からの訴訟を心配せずに企業成長に専念出来る事を支援する

  • 昨年1年間で患者の需要が3倍増加し、臨床医チームも5倍に成長

SAIL

  • 11/8/2022、シード; $4.7M

  • VC - Asset Management Ventures, Mozilla Ventures, Future Labs, York IE

  • 患者とその家族を支援するPatient Advocacy Groups 向けの臨床データアクセス管理プラットフォーム

  • Patient Advocacy Groupsが治験・製薬研究に積極的に参加できるようになる

  • 100以上の病院から臨床データセットを収集し、治験で大半を占める「白人男性」以外のマイノリティーデータにアクセスを可能とする

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