見出し画像

もう少しの我慢

いもあんです。
「もう少し我慢すればきっとよくなるから」
私はずっと子どもたちに言い続けてきたように
思います。

もう少しっていつ?

娘からも息子からも何度も言われました。

少し前に、娘から
いつも私ばかりが我慢しているから
その状態がしんどかった
お母さんはもう少しというけど
いったい何年たったらよくなるのか

というような言葉をもらいました。

振り返ってみると
彼女が幼稚園の時に
お兄ちゃんが学校に行けなくなり

外に出ることさえ怖くなってしまい

他に頼る人もいなかったので
私はいつも彼の側にいなくてはならず

彼女がお友達の家に遊びに行くときは
兄と共に私がついていくか
娘一人で遊びに行ってもらうかでした。

どうしても幼稚園に迎えに行けず
しばらくお友達の家で預かってもらうことも
ありました。

仲良しのお友達と思っていたのですが
卒園してから、娘がその子に意地悪をされていたことを知りました。

その事実に気が付かなかったことも
悲しかったですが
娘が大きくなるまで言わずにいたことも
ショックでした。

頭の良い子なので
私や兄の状況もよく理解していたのでしょう。
また、何の力にもならない父親のことも…

娘は、私さえ我慢すればと
ちょっとした我が儘すら言わず
家族団らんの場でも
面倒なことにならないよう
自分のことはなるべく話さないように
していました。

今になって
もう我慢できない!
みたいな感じ?

だって、約20年ですから…

兄は兄で
幼少期に義父母に預けられたことで
自分が経験したしんどさを
妹や母には受けさせまいと
自分を殺して
結構な年まで、自分を抜け殻のようにして
生きてきてしまいました。

今、20代後半になって
ようやく今が安心できる環境だと気づき
自分のしたいことをしていいんだと思え
頑張らなくていいんだと思え

やりたいことって何だったんだろう
と、少しづつ様々なことに
手を出そうとしています。

係わる大人の中には
その年になったら「ちゃんと働かないと」とか
「こうあるべき」と言われる方も少なくはなく
また、そのような支援者が担当になることも
何故か多く…

せっかく自分を取り戻せてきているのに
足を引っ張らないでほしいと
私は母としてやきもきしていました。

今までずっと我慢をしてきた彼ですが
先日、自分の思いを多少の感情も込めて
係わる方に伝えられたようで
少しづつですが、彼の環境も変わり始めました。

自分の思いを伝えていいんだ。
伝えたら変化するんだ。

を実感しているようです。

こうした兄の変化により
我が家の団欒の場にも変化が現れました。

娘と息子が楽しそうに
なんでもない雑談をしているのです。

お互いが何かを我慢することなく自然体で。

ずっと言い続けた「もう少しの我慢」が
いらなくなる日も近いのではないかと
思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?