認知症になって1年だね。
カレンダーを見ながら、母が言った。
ばあちゃんが認知症になってもう1年、
私のお金取ったでしょ!と突然パニックになったことが始まりで、どんどん変わっていくばあちゃんの姿に寂しさばかり募っていった。
前はこうだったのに、前はできていたのに、と
つい出来なくなったこと
変わってしまったことばかりに目を向けてしまう
けどこれって違うんじゃないか?
もしかしたら、誰?と言われてしまう
日がくるのかもしれない、
考えると涙が出るほど寂しいけど
ばあちゃんが変わっていっても
ただひとつぜったいに変わらないこと、
私にとって世界にたったひとりの
大切なばあちゃんという事実だ。
そんなことを思えるようになってから
認知症のばあちゃんと過ごす時間が愛おしく思えた
ばあちゃんが忘れちゃうなら
私が覚えていればいい、
こんなことがあったんだよって
何回でも話してあげる
ばあちゃんの歩幅に合わせてゆっくり歩く路地も、
窓から顔を出し手を振ってくれる姿も、
おはよう、おかえりと笑顔で言ってくれる日々も、
いつかこの時に戻りたいと思う日がくるのだろう。
最近、家族のグループLINEに
「ばあちゃんのいる生活」というアルバムができた
思い出になるまえに、ばあちゃんとの
いま をたくさん残していきたい。
この生活が、当たり前じゃなくなるまえに。
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