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今日まで21作品を公開してきました。それぞれがどのくらいの方の目に届いているか、最後まで見てくれた方がどのくらいいるかは何となしに想像していますが、スキとポチしてくれた方々ありがとうございます。嬉しいです。 私は私、I.meです。 ここには、私の作品を見ていただける方が増えればと場所を求めて来ました。今のところ、場違い感が半端じゃないです。私は他の小説投稿サイトにも書いたものを公開していますが、その場所でもここと同じように邪魔になっていないかと、ほんの少し心配しています。

    • 月見

      もう目を逸らすなんて出来ないよだって 僕は月を知ってしまっているんだもの 月を見たことが無いと言うのなら 見れるといいねだとかしか言えなくて 月を見て月があるのを知っているから 瞼を閉じても月を思い浮かべてなんてして 君を忘れるだなんて無いと知るくせに 私を忘れないでと思い出させて もう目を逸らすなんて出来ないよだって 僕は月を知ってしまっているんだもの 月は道を示してくれたよ ここまで来てねと待ってるよって

      • 小指

        勝負しようよ歌って踊って嗜んで 皆が寝静まった暗がりで 君の番だけれど僕も番 見たいものには見せればいいだって それらに向けている事なんて無いんだから 蹴っ飛ばした灰は舞って 着地に弾ける水面の飛沫 君を僕に思い知らせて 僕に君を分からせてよ 寝溜めして重たい足取りに こなれない気持ち任せの足音 それでも一緒に踊ってくれないかい 暗がりにぶつけた小指にてってって

        • 雲隠れ

          僕を閉じ込めるといつも雨は耳を塞いで 雨を見上げれば雲が目を塞いでくれて居て もう何も聞かなくていいんだよ もう何も見なくていいんだよ 雲色の外に雨音の内 曇る硝子に籠る声色 零れるものを聴き返して 雫として拭っていって 僕を庇う雲の向こうに覗くのは正義で 耳を塞いでいる雨の指先はいつも冷たい

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          見上げれば

          見上げればそこには空があったらしい この影かも分からない暗がりに 月があり星があり雲があり 陽があれば青色で風が吹けば 晴れの匂いに雨の匂い 木漏れ日や雨やどりもしたみたい 見上げればそこには空があったらしい この影かも分からない暗がりに きっと誰かが見つけてくれるだなんて 待ちぼうけもいじらしいでも ここに居るねと書き置いて どこかへ行ってしまうのも捨て難い 見上げればそこには空があったらしい この影かも分からない暗がりに 僕がここに居るのか分からないから ここに居るよと僕

          見上げれば

          とんぼ道

          涼しげな風に陽差す夏の影 明るみの威圧にうだる川岸の砂利道 一つ二つと小石の足掻きに 納涼したくて流れて飛び石 鴨の水浴びに真似てみたくも 気配に押されて定石の上 溜息混じりに顔を上げれば 陽色の足された草木にとんぼ 陽向に流れる音を飛び越え 向こうの川岸はまた砂利道 振り返るのはめんどうで 思い出して陽の川辺り 帰り道にまで並行する黒とんぼ 僕は帰るよ暑いもん お前は誰の使いなのかな

          とんぼ道

          同夏

          何度見ても変わりはしない気温を確かめて、今日も暑いと分かりきったことを言ったりして。昨日と今日、明日に明後日と比べてみても、やっぱり暑いことには変わりは無くて。分かりきった夏、変わらない気温、繰り返す毎日。何度目が覚めても変わりはしない隣を確かめて、今日も君が居ないと分かりきったことを言ったりして。分かりきった距離、変わらない私、繰り返す時間。冷房はいつも効き過ぎて、涼しいのは初めだけだよ。

          空書

          音もなく声もない点に線 音にも乗らず声にもならない どこに落ちてどんな音なの 誰に触れてどんな温度で 何が見えてどんな景色か 尖り潜りする鼓動の間に 滲んで広がる情景描写 音もなく声もない点に線 音にも乗らず声にもならない 足される色彩の手掛かりに 指でなぞって息に沿う 白黒だけでは流れないから

          月桂樹

          月夜の大樹に寄り掛かり 青く淡い源の泉に指を浸す 脈を撫でた先の苔に 雫を垂らして湿らせて 滲む景色に杯を取り 汲んだ源を飲み浴びる 流れ落ちる水の景色 満たされぬまま 冠を手に髪を絞る 幹を登って枝を伝い 大樹に立って臨んでいるよ 月の明かりは忘れない 大樹の雫に月を浮かべて 源の水は月の味かな

          誘宵

          祭囃子に背を向けて 誘宵の月へ向かって歩く 遠のく音頭の静まりに 響いてくるのは下駄の足音 拾った枝をぶらりとすれば 鳴いている虫も声にする 白線に乗って綱渡り 跨いで飛んでけもの道 従う下駄にひれ伏す草花 牙を剥き出し爪を立て 見上げた月へ伸びをする 野草の香りを嗅ぎ分けて 枝で開く茂みの先で 宴の準備は整っている 腰を下ろして膝を立て 待たせてごめんね始めようか

          明影

          夜朧の向こうに月の影 くっきりとしない姿にも あれが月だと言えるのは 僕の目が覚めていないからじゃなく 明るい影は月だけだから 陽に影は無く 星も僕も照らされてしまえば 影は暗い 誰も影は暗いでしょ 明るい影は月の影だけ だから月が居ると見えれば分かる まどろみの中でも 冷えても月は 今でも僕の燎だからさ

          夜の一つ

          暗くて黒くて月があり 星も散り散る空の夜 誰もが皆が認める夜空 これが夜空と見せつけられるも 僕は何故か物足りない あんなに綺麗なお月様 こんなに輝く星々と きっと今夜だけだけど 僕が物足りないのは 同じくらいに僕が澄んでいるから この僕の欠片なら この夜空に並べても省かれない 見上げた誰かが指差して あの星が綺麗ねだなんて 言われちゃったり無かったり

          夜の一つ

          いつかは

          あなたよりも私の方があなたを愛していると言ったって、いいえ私の方があなたを愛しているとあなたは言う。いつかはそうね、あなたの方が私を愛しているものねだなんて言う時が、言われる時が来るかもしれない。そういうものだとしてもだよ、言葉が潰えてしまっても呪いあって行こうじゃない。あなたよりも私の方があなたを愛していると言えたなら、いいえ私の方があなたをもっとと、寄せて返してまじなって。

          いつかは

          スキもフォローもありがと私もスキ

          スキもフォローもありがと私もスキ

          三日月

          三日月は綺麗でもずるい 伏せ目がちにどこを見て その影に何を思い浮かべているの こっちを見ていないのが嫌なんじゃない 君の見ているものが 僕には見えないから嫌なんだ 君は綺麗でもやっぱりずるい 何があるの 何を見てるの 僕はもう星もぼやけてる 星屑なんて見えやしない 太陽は欠けることなくて偉いよね 陰るのはいつも僕等ばかりだ

          三日月

          夏の瀬

          夏の流れに僕等は萎れて、僕ですら汐らしくなりそうなのに、行ってしまう君は瑞々しくて。一息にため息をつく僕等を横目に、枯らした花を踏んづけながら、咲いている花を摘んで回って花冠。こんな朝っぱらから君はきらきらしきっていて。夜になっても耳をすませば、歌って踊っていたりして。冠を片手に眠る君の隣で、振り返るのは僕等ばかりだ。夏の流れに僕等は萎れて、僕ですら汐らしくなりそうなのに、やっぱり君は瑞々しくて。肩なんて組まないでよ暑苦しい、どうせまた巡って来るんだから。