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【運用初心者必見💡】②CPM・CPCについて掘り下げ解説
こんにちは!IMAGICA IRIS 運用チームです。
今回は【運用初心者必見💡】シリーズ第2回、CPM・CPCについてです!
▼第1回の記事はこちら
こちらもぜひ併せてお読みください!
前回の記事では、Web広告指標は回数・割合・費用 の大きく3つに分けられると解説しました。
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回数や割合の指標は、「その数値が高ければ高いほど広告パフォーマンスが良い」ということはなんとなく想像出来るかと思います。費用の指標であるCPAに関しても、「安い金額でコンバージョンが獲得出来るほどコストパフォーマンスが良い」という考え方は理解しやすいはずです。
では、CPC・CPMはどうでしょう?
こちらも安ければ安いほど良いのでしょうか?
結論から言ってしまえば、
「どちらとも言えない」が正解になります。
CPMやCPCに関しては、一概に「安ければ安いほど良い」という訳ではなく、シチュエーションによって解釈が異なります。
そこで今回は、CPMとCPCの考え方について詳しく解説していきます!
Web広告のオークションシステムについて
CPM・CPCについて理解する上で欠かせないのが、Web広告のオークションシステムです。
広告が表示される仕組み
広告を出したい企業は世の中にたくさんありますが、それらの企業はお金を払えばいくらでも好きな場所に広告を掲載出来るのかというと、そうではありません。
広告を出稿出来るWeb媒体(Google、Yahooや各種SNSなど)には有限の広告枠(広告在庫)というものが設けられています。
企業が広告を掲載するためには、その無数の企業(広告主)同士で、それぞれ1クリック(または1,000表示)に対していくらまで出せるか設定し(この価格のことを入札価格と言います)、オークションにかけます。
その競り合いの中で落札した広告主が広告を出稿出来る仕組みになっています。
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CPMが高くなる要因
では、CPMが高くなる時とはどのような状況なのでしょうか。
要因①競合の出稿状況が多い場合
CPMは、1,000回の表示に対してかかる費用、いわゆる「(広告の)掲載コスト」を表す指標です。
競合の出稿状況が多ければ多いほど広告枠の競争率も高まるため、オークションに打ち勝ち広告を掲載するためには、その分多くの掲載コストをかける必要が出てきます。その結果、CPMが高くなります。
要因②ターゲット設定が狭い場合
設定しているターゲットが狭いと、広告を表示出来る枠が限定されてしまうので、少ない広告枠を競合と争っている状態になります。
そのため、ターゲットが狭ければ狭いほどCPMは上がりやすくなります。
要因③投下予算の引き上げ
競合の出稿状況やターゲティング設定が同じである場合、投下予算が多いほど一般的にCPMは上がりやすくなります。
少々極端な例にはなりますが、日予算10,000円のキャンペーンと日予算100,000円のキャンペーンがあるとします。
他の条件(配信時期、媒体、ターゲット、クリエイティブなど)が全て同じであった場合、日予算10,000円のキャンペーンは10,000円分の広告掲載をするためのオークションに参加し予算を消化していくのに対し、日予算100,000円の場合は100,000円分オークションにかけないと全日予算を消化出来ません。
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ですので、当然ながら日予算100,000円のキャンペーンの方がオークションの難易度は上がりやすく、その分かかる費用も多くなるため結果的にCPMが上昇します。
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CPCが高くなる要因
要因①競合の出稿状況が多い場合
CPCについても、CPMと同様、競争が激化すると広告オークションでの入札額が全体的に引き上げられます。その結果、CPCも比例して上がる可能性があります。
また、競争が激化している中ではCPMが上昇するため、広告表示の機会が減少します。その結果、広告を表示させることの出来るターゲットユーザーが限定されるため、クリックを得るハードルが上がり、結果的にCPCも上昇します。
要因②クリエイティブの品質スコアが低い場合
広告の掲載順位は、一般的に広告ランクという、1~10のランクがクリエイティブごとに割り当てられ、そのランクが高い広告から順に掲載されます。
そして、広告ランクは以下の計算式によって決定されます。
広告ランク=入札価格×品質スコア
したがって、品質スコアが低い場合、広告を高い順位に掲載させるためにはより高い入札額が必要になるため、CPCが上昇します(CPC課金の場合)。
クリエイティブの品質スコアについては媒体ごとに独自の基準が設けられており、例えばGoogleリスティング広告の場合は①推定クリック率②広告の関連性③ランディングページの利便性という3つの要素によって決定します。
要因③設定している入札単価が高い場合
入札単価(上限CPC)を高く設定すると、広告ランクが高まり掲載順位を上げるのに有効ですが、それに伴い実際のCPCも上昇する可能性があります。
また、自動入札の場合は媒体がAIを使ってキャンペーンのパフォーマンスを最適化させるように学習が働きます。特に競争が激しいキーワードや時間帯では、成果を最大化させるために高めのCPCが選ばれる傾向があります。
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CPM・CPCが高い場合のメリット
冒頭でもお伝えした通り、CPMやCPCは「低ければ低いほど良い」のかというと、そういう訳ではありません。
ここからは、CPM・CPCが高い場合のメリットを解説します。
メリット①質の高いターゲットにリーチ出来る
CPMが高くなる場合として、競争が激化している場合や、ターゲットが限定されている場合などが挙げられると説明しました。
この状況は裏を返せば、競争率が高く、より確度の高いユーザーへ配信出来ている状況でもあると言えます。
英会話スクールの無料体験予約を例にとると、
単に「英語が話せるようになりたい」と思っているユーザーよりも「英会話スクールに通いたい」と思っているユーザーの方が無料体験予約(CV)に繋がりやすく、さらに「IRIS英会話スクールに通いたい」と具体的に訴求対象スクールへの入会を検討しているユーザーの方がCVに繋がりやすいと考えるのが一般的だと思います。
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そして、「IRIS英会話スクールに通いたい」と意志が固まっているユーザーは、漠然と「英語が話せるようになりたい」と思っているユーザーよりも母数が少なく、限定されています。
そのような確度の高いユーザーはどの広告主も狙いたいユーザーであるが故に競争率が高くなりやすく、多くのコストをかけないと広告を表示させることの出来ない希少価値の高いユーザーです。
したがって、CPMが高いということは質の高いターゲットへリーチ出来ている証でもあります。それ故CVRが上昇しやすく、最終的な広告パフォーマンスも向上しやすいというメリットがあります。
CPCが高い場合も同様、訴求内容に高い関連性を持つユーザーから質の高いクリックが得られる可能性が高いです。
その結果コンバージョンに繋がるクリックが得られやすく(無駄クリックが生まれにくく)なるため、CVRの上昇に繋がります。
メリット②広告ランクが上がりやすい(入札に勝ちやすくなる)
繰り返しになりますが、
広告ランク=入札価格×品質スコア
なので、クリエイティブの品質スコアが同じであった場合は入札価格(CPC)が高いほど広告ランクは上がりやすくなります。
広告ランクが上がると広告が上位表示されやすくなるため、ユーザーの関心が集まりやすく、結果的にCTRが上昇しやすくなります。
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まとめ
このように、CPMやCPCが高いことは、必ずしも広告パフォーマンスを悪化させる要因にはなりません。
「CPMやCPCは高いのに最終的なCPA(成果単価)は抑制出来ている」というパターンも大いに起こり得ます。
あくまでCPMやCPCはWeb広告指標の一部に過ぎず、Web広告のパフォーマンス結果には幾つもの指標変動の影響が複雑に絡まり合っています。
したがって、一部指標の変動に捉われるのではなく、広告パフォーマンス結果の善し悪しは、KPIが達成出来ているかどうかで判断することが大切です。
数値結果を正しく理解し、適切な運用改善を行っていきましょう。
次回は各数値の相関関係や、分析の考え方について解説していきます!