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連載(89):人類の夜明|まどろみの中で「イライラには二つの種類がある」
この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。
イライラには二つの種類がある
一つは、モノや金や地位などを欲するにもかかわらず、思うように手に入れられないときに起きる欲求不満のイライラである。
もう一つは、何の努力もせず、ただのんべんだらりと生きるがゆえに生じる魂の嘆きのイライラである。
人は何かに打ち込んでいるとき、何かに挑戦しているとき、何ともいえぬ輝きを見せるものである。
何によらず、ひたむきに打ち込んでいる人を見ると感動を覚えるのは、その輝きを見せつけられるからである。
その輝きに決して上下は無い。
だが楽ばかり、安逸な人生ばかりを追い求めている人から滲み出ているものは、どんよりとした曇天のような暗さである。
そのような人は、どんなに物質的に満たされていても、心底から喜べないのである。
だからまた、その満たされぬ喜びをモノや享楽で埋めようとするのだろうが、それではいつまでたってもイライラの堂々巡りから抜け出せない。
厭なことに勇気を持って挑戦するとき曇天は去り、人は晴れ晴れとした爽やかな気分になれるのである。