#13.Fantastic Planet (1973)【偏愛的映画のすゝめ】
徐々に気温が上がってきて、前髪をかき上げるようになった今日この頃。
第13回はアニメ映画の金字塔にして異色のオーラを放つ奇作、『ファンタスティック・プラネット』です。
1973年、フランス/チェコ、72分。
フランスのSF作家ステファン・ウルの原作を、幻想的な作風で知られる画家ローラン・トポールのイラストを使って、アニメ作家ルネ・ラルーが映画化したSFアニメ作品。物語の舞台は宇宙のどこかの星。進んだ科学を操る巨大な人型宇宙人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられている、地球人によく似た人類オム族の対決を描く。
この作品を端的に表現すると、、、
中毒性に満ち満ちたフランスアニメ
まず、50年近く前のアニメであることに驚かされます。一癖も二癖もある作画や音声、そしてゾッとさせられるストーリーが現代でも違和感なく伝わってきます。この映画が取り扱う内容は「異人種間の抗争」で、人間が圧倒的弱者として虐げられるさまが描写されています。そのため、一般的な戦争映画よりもより当事者意識を感じることができるかと思います。
ですが、この映画は別の捉え方もできると思います。ドラーグ人を人間として捉えると、見方が大きく変わるのではないでしょうか。そうすると、他の生物を都合のよいように扱う人間の姿が浮かび上がってきます。
また現在、この作品は東京を皮切りに全国で順次リバイバル上映されています!楽しみですね!