『認知症』というのは、多くの場合、ある日突然、家族が「えっ?!💧なんでそんなこと言うん?!」と、大なり小なり、”驚愕する事”から発覚する場合が多いと思う。
実は、この瞬間から、「認知症介護」は、始まっている。
『認知症』のシーズンで言えば、「春」。
しかし、この時期は、「えっ?!💧」とは思うけど、まだ生活に支障が出ていない状態なので、ついつい「老化が進んだな。」とか、「元々、嫌な性格だったからな。」とか「まだ介護なんか必要ないな。」と、放置してしまいがち。
そして、放置された『認知症』は、確実に進行し、「春」から、BPSD周辺症状が顕著になる「夏」の「活動期」に移行してしまう。
「あばれる君」の爆誕だ。
こうなってはじめて、家族は、「認知症だ・・・。どうしよう?😱」と気がつく。だが急に「認知症」だとわかっても、どうしていいのかわからない。
日々、繰り返される「暴言」や「暴力」や「徘徊」に疲弊し、戸惑い、傷ついたまま、なるべく「常識的な対応」で、治めようとしてしまう。しかし、「認知症」のBPSD周辺症状は、「常識的な対応」では、改善できない。
家族が常識的な対応で治めようとすればする程、BPSD周辺症状は、どんどん、こじれてしまう。『認知症介護の深淵』に、どっぷりとハマってしまう・・・。
私もかつては、その一人だった。
アルツハイマー型認知症を発症し、「あばれる君」に変貌した母に、更に強力な「あばれる君」で対抗しようと抗った。結果、激烈な認知症介護となり、母が亡くなった後も、その傷口は塞がってはいない。
「認知症の夏」は、熾烈だ。
”あの時、どうすれば良かったのだろうか ――?!”
ずっと、そう考え、いずれは、父も迎えるであろう「認知症の夏」に向け、日々、あれこれと「認知症介護」の勉強と対策に勤しんでいる。
そして、今、まさに、「認知症の厳しい夏」を迎えて、対応に苦慮している家族介護者の皆さんに、ぜひ、知っていて欲しい対策を、いくつか紹介しておきたい。
認知症によるつらい暴言の事例・対応例とやってはいけないNG例や改善策を解説
【知っておきたい その1.】
認知症の人が暴言を言ってしまいやすい”タイミング”がある。
これは、先日、【Ilsaの本棚】でも紹介した書籍、【理由を探る 認知症ケア】と共通する視点。
暴言や暴力が発生した「後」、ではなく、暴言や暴力が発生した直前に、何があったか?「前」を振り返り、注視するということ。
そこに、本人が「不安に思っている主体となる原因」が隠れている場合が多い。早い話、これを取り除いてやればいい。
【 知っておきたい その2. 】 認知症の人が暴言を発したときの対応例
上記以外に、私的な経験から加えるのであれば、認知症患者である本人が、機嫌が良い時の「環境」や、本人が関心があるもの、好きなものなどを、日頃からチェックしておいて、不穏な気配になったら、それらに関心を逸らす・・・
名付けて!!
ガラガラぽん☆大作戦!!✨✨✨
これは、赤ちゃんをあやすのが上手なパパやママ達なら、心当たりがあるであろう、赤ちゃんがグズった時に、さっと、好きなオモチャなど取り出し、そこへ関心を向けるというアレだw
これは、認知症介護におけるBPSD周辺症状への対応としても、抜群に効果がある。(あくまでも個人的感想です。効果をお約束するものではありませんw)
【 知っておきたい その3. 】 認知症の人が暴言を発したときにやってはいけないNG例
ただし、これらの抑制的冷静な対応を、介護素人の家族介護者が行うには、並々ならない胆力と知識の応用が必要となる。
誰でもが、出来ることではないんで。
その場合は、主治医に相談して、「薬物療法」を導入してもらおう。
「認知症」は進行性の脳疾患で根治はできない。
だが、家族を悩ませる激しいBPSD周辺症状は、「薬物療法」によって、かなり緩和することができる。これも是非、知っていて欲しい。
しかしこれは、薬物の作用によって、認知症のシーズンを、「夏」から「秋」へ、もしくは「冬」へ、強制的に移行させるという”副作用”を持つ。そのことは、心に留めておくべきだと考える。
BPSD周辺症状が治まったからといって、介護が終わるわけではないのだ。
「認知症の夏」が過ぎただけ。
やがて「秋」が来て、終末期に入り、「看取り」という「冬」が来る ――。
しかし、BPSD周辺症状への適切な対応ができれば、穏やかで、実り豊かな、美しい「秋」のシーズンを、長く過ごす事ができる。大好きな人達と供に。
それを信じて、「熱い夏」を、乗り越えて欲しい。
本日も、最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
本日、引用元として紹介させて頂いた「おうち病院オンラインクリニック」さんでは、無料の「認知症コミュニティ」も開設されている。
「直接、他者と会って相談するのは、どうも・・・。」という方々で、ひとり認知症介護に悩まれている方には、是非、お奨めします。