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#152【介護雑記】高齢者が風呂を嫌がる本当の理由。

高齢者がお風呂を嫌がる本当の理由は、「お風呂の入り方を忘れているから。」という可能性がある。

認知症を発症している場合には、中核症状の「実行機能障害」という症状が現われてくる。高齢者がお風呂を嫌がるのは、この「実行機能障害」が発生している可能性が高い。(というより、ほぼ確実💧)

◼️実行機能障害とは?!
目標の為に行わなければいけない工程を計画し、実行に移せないことを指す。

「お風呂に入る。」とか「歯を磨く。」という、誰しもが当たり前に行える行動が、認知症の実行機能障害により、出来なくなってしまうのだ。

例えば、出掛ける時に、「靴を履けなくなる。」➡️「履き方を忘れてしまう。」➡️だから出掛けなくなる。(引き籠もる)とか、さらに認知症が進行すると、「靴」というモノが、「何なのか?」も、わからなくなってしまう。(失行・失認・失語/認知症ステージ的には中度~重度)

これは、あんがい、気がつかない。よくある事例を挙げてみよう。

家人「お風呂入りな~。」
爺婆「お風呂はいいよ。面倒クサいから。(お風呂は嫌い!)」
家人「えぇ?!だってもう3日もお風呂、入ってないじゃん?」
爺婆「え?入ったよ。ちゃんと昨日入ってるよ。お風呂はいらない。」
家人「じゃー勝手にしなよ。汚いな。全く。もう知らないからね!!💢」

高齢者の入浴に関するあるある

この時、「お風呂が嫌い」「お風呂は面倒クサい」なのではなく、実は、「服の脱ぎ方を忘れている。」とか、裸になって、いざ、洗い場に入っても、どうしていいのかわからず、裸のまま、寒さに晒される➡️不安感や恐怖感に襲われる➡️お風呂は恐い➡️お風呂は嫌だ💦・・・という展開に。

しかし、それまで毎日、当たり前の様にやって来た事が、”出来なくなっている”というのを、家族に知られて、バカにされたくない。嫌われたくない。

だから「昨日入ったからいい。」とか、何とか自分を正当化するような嘘をついてしまう・・・。(どっちみち、家族には、怒られるんだけどねw)

なので、例えば、「通い介護」で、1週間ぶりに実家に行って、「お風呂に入れてあげよう!!✨」などと、健気にお風呂の準備をしても、いざ、声をかけると「えー。お風呂なんかいいよ。大丈夫だよー。」と言って、拒否られる➡️なんだよ?!せっかくお風呂してやったのにー!!💢 と、介護者の心理が、こじれる。

いや、それ、認知症の「実行機能障害」出てますから・・・。
もう一人じゃお風呂入れないんですよ・・・。恐くて。

そう理解してあげて欲しい。

若い頃から「風呂は嫌い」と言っていた人も、風呂に入らない期間が長くなった間に、認知症を発症して「風呂の入り方」を忘れてしまっている場合が多い。

🔷🔷🔷

さらに、福祉リフォームのプロ、てすり屋さんが常々、発信していらっしゃるように、認知症でも、そうでなくても、それまで毎日、使っていた脱衣所やお風呂という”設備”が、体力、筋力の低下と供に、いつの間にか使えなくなり、”危険ゾーン化”している場合もある。

特に、浴槽については、「またげなくなっている問題」がある!!

毎日使っていたのに、浴槽のふちすら、またげなくなるんですよ?!💦

これは、家族でも、ちょっと気がつかない。高齢者の体力筋力って、家族が思っている以上に低下しているもの・・・なんですよね。

でも、高齢者は、自分が劣化して来ているのを、「周囲の者に知られたくない。」と、常に、必死なんです。

なので、高齢者がお風呂を嫌がるからといって、「汚い!!」とか「不潔!!」とか「なんで風呂に入らないの?!💢」と、責めるのは禁じ手。

ましてや、嫌がる本人を、無理やり入浴させるのは、もっと「悪手」。

では、どうしたら、嫌がる高齢者を上手に入浴させる事が出来るのか?

◼️プロの技を紹介しましょう!!✨✨✨


● 認知症の方が入浴を拒否する理由とは 安心できる環境づくりが大切
@みんなの介護より
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/dementia/no127/

●認知症の方の入浴拒否にどう声掛けする?症状の背景を考え、一緒に解決策を見つけよう@みんなの介護よりhttps://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/dementia/no57/


私は、認知症の母を介護していた時、よく近所のスーパー銭湯へ連れて行ったんですよね。

それは、築古40年以上の実家の風呂の浴槽が深すぎて(当時は、そういう造りが流行だったw)、歳をとった母には、もう足が届かなくて、「怖がっている」事に気づいたからです。

それと、洗い場の「水栓」や、「シャワーの使い方」も、もう忘れていて・・・。

でも、そのお風呂は、母が若い頃、もの凄くこだわって、自分で設計した、「お気に入り」のお風呂だったから、そのお風呂に入れなくなっているなんて、とても言えなかった。

ましてや、プライドの高い母が、自分で設計した「お風呂の入り方がわからない。」なんて、言えるはずもなく・・・。

「お母さん、スーパー銭湯の無料券があるからさ、お風呂行かない?🩷」みたいなねw(ホントは無料券なんかないんだけどw)

もちろん、母は喜んで出掛けてくれた。

「露天風呂、やっぱり気持ちいいねぇ~贅沢だねぇ~🩷」と、目を細めた母の顔は、過酷な認知症介護の中にあって、貴重な良い想い出だ。

それなのに、たまーに、実家へやってくる弟達は、

「お母さん?ちゃんと風呂入ってんの?汚いよ?」と・・・。

”おいっ!!ゴラッ!!💢 そういう事、言うなっ!!! アホンだら!!💢”

と、内心、ヒヤヒヤしたもんですw


介護が始まったばかりとか、「なんで風呂入らねーの?!💢」と、ワケもわからずムカッとしている家族介護者のご参考になれば、幸いです。

その他、薬の服用についての経験談も書いていますので、良かったら、読んでいって下さいね。

「知識は武器」、「介護とは戦略」
高齢者を風呂に入れるのも、”戦略”が必要なのだw


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