みりんスイーツや惣菜を販売するわけ
つい先日、2021年5月27日にアパートの1室を、「菓子製造業・そうざい製造業」の許可を受けて、事業のファーストステップとして開業しました。毎月第4木曜日販売開始にしようと思っています。そして記念すべき第1回の販売は、みりんを使ったマリトッツォを販売させていただき、たくさんのInstagram/Twitterフォロワーさんに開店祝いとして購入いただいたおかげで、好調な滑り出しとなりました。
では、なぜ、私はこの事業を手始めにしたのか。それを語って私がどんなことに着目していきたいかを話したいと思います。
他の本みりんフリークは皆、「講師」
本みりんが好きなんです!と話す人を時々見かけます。50蔵全部とはいかずとも、10蔵くらいを集めている人や、お菓子は一切砂糖を使わず、という人を見かけます。
ただ、そんな人はだいたいが「講師」として口頭で本みりんを説明したり、料理教室を開催して身の回りの人に広めています。要するに、「ソフト」面での情報共有をして、その情報を提供したことで、自分の懐を潤しているわけです。その情報を受けた人は、美味しいという情報を得ても、アフターフォローがない場合、本みりんを購入もしなければ口にすらしないことだって充分あり得ます。だって、皆さん、スーパーの店頭においてあるレシピや、健康講座を受講してもらうレシピは100%自分でもやってみますか? 絶対に違うと思います。
何より、講師だけでは酒販免許を持たないため、商品を渡すことはできません。レシピだって、どんなに習っても本当にリピートして作るようになるレシピは1000個に1つだと思っています。
それは本当に蔵元に利益を出しているのでしょうか。自分の懐を潤す“ツール”に本みりんを使っているだけではないでしょうか。儲かるよ、と言われるのはやはりそっちのビジネスモデルです。でも、本みりんの味をもっとしっかり口に覚えてもらって美味しいと実感してもらったり、蔵元に多くの利益を与えるWin-Winのビジネスモデルとは限らないように思います。
これまで本みりんをオススメしてきて感じたこと
みりん、使う人ってどんな人ですか。
たぶん、身体に気を使っていて、グルメな人だと思うんです。でも、本来みりんが売ってる「酒屋」が行動範囲外の人ばかりだと思うんです。上記で触れた講師陣のところに足しげく通う人たちもそう。「酒屋さんへ行って買ってください」と言っても、酒屋さんがどこにあるかもわからない人がたくさんいると思います。
それから、実際手にとった場合でも、どうやって使ったらいいかがわからない。とはいえ、どうやって使えばいいかレシピを渡しても、作ってもらえる可能性はかなり低い。
そうなると、みなさん、どこで「本みりんはおいしい」と思う機会を得るんでしょうか。
答え:全然ない
なんですよ。
少なくとも、みりんは安くないです。1cc1~3円の世界で、1食につかう量が4人家族で大さじ2・30ccくらい~ なので、結構かかります。その価値があるのか。それが理解できないとなかなか手が出ないと思います。
それに、みりんを使いこなすと「ちゃんと手間をかけた」料理に近いイメージの料理をつくることになるため、真性の料理好きでない限り、尻込みしてしまいがちです。
だから、
作る手間は私が負担して、みりんってこんな風においしいんだ!と実際口にして思ってもらえる機会ができたらうれしいな、
と考え、スイーツ販売に至りました。
今回のスイーツ販売での感想の多くが、やはり甘さが軽いのにコクがあるという感想をいただきました。そうやって、「もしかしたら新しい甘みとしてアリなのかも?」と考えてもらえるきっかけに少しでもなったのではと思っています。
本みりんが抱える賞味期限問題
本みりんには、いくつか賞味期限が記載されているものがあります。食品扱いではなく、酒類なので、本来は賞味期限の記載は義務化されていません。実際、本みりんは腐りません。
ですが、本みりんの調味料としての側面が大きいことから、大手が「瓶詰から1年半」という記載ルールを決めてスーパーなどに販売していることから、どうしてもロスがでます。20年放置しても大丈夫なものなのに、1年半でロスが出るんです。
その、ロスになるみりん、どうにかならないかしら?
今回の販売も、ロスになりそうなみりんを酒屋さんから引き取って製作しました。だから、みりんスイーツを皆様に手頃な価格で届けられます。
時にはそうでないみりんを使って値段が吊り上がることもあると思います。でも、これから蔵元を巡って頼み込んで、あるはずのない賞味期限で跳ね返されたみりんを微力ながら引き取るようなことができたら、と考えています。
実際に食べてもらうこと、口にしてもらうこと。そして蔵元の直接的な利益になること。
ボランティア団体ではないので、自分の取り分はそれなりに必要です。でも、これから展開していくビジネスの中で、やはりキーワードは、
“本みりんを自分を有名にするツールに使わないこと”
”蔵元の利益になることを考える”
です。
私は頼まれない限り、名前も顔も出しません、頼まれて出しているところもいくつかありますし、ショップの運営者名などは信頼性のために出すこともあります。特に顔は出す意味がわからない。私の顔より、みりんのラベルを覚えてほしい。
自分を有名にするツールとして使えば、自分の懐はよく潤うでしょう。でも、私としては在庫のリスクも製造の労力もかけて何等かのかたちで蔵元に貢献したいと思っています。
今後の販売スケジュールと販売内容について
今後のスケジュールについてですが、商品発表を毎月15日前後に予定しています。注文受付は、毎月第4木曜日。発送は、翌月初旬で考えています。
商品については、毎回入れ替えるつもりでいます。ただ、それまでに作った商品の1ロットでの受付は、問い合わせの上、いつでも受付とします。
次回の販売も精一杯がんばりますので、ぜひよろしくお願いします。
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