(令和三年・2021/04/11〜04/20) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 💕🐧
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月20日(火曜日)弐 通巻第6872号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「世紀のペテン師」マドフの獄中死から教訓とするべきは何か
倒産寸前だった恒大集団、EVで株価十倍の奇跡。これをどう読むか
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まずはハーバード・マドフの想い出。世紀の詐欺師はポンジ・スキーム(ネズミ講)の原理を応用してウォール街でのし上がった。
ご先祖は東欧から移民してきたユダヤ人で、最初はユダヤ人コミュニテイィで信用を確立し、NASDAQ会長という輝かしい肩書きもあった。
その彼がセレブの集まりで、そっと囁くのだ。
「じつは内緒のもうけ口がある。年利10%だ」。
ころりと騙されて、「マドフ投資会」に大金を預けたセレブたちのなかには、有名スポーツ選手、GM金融子会社の大幹部、あのスピルバーグ監督。日本の金融会社数社も被害にあった。
搾取したお金は空前の650億ドル。逮捕・起訴され、150年の禁錮刑で収監され、4月14日に獄死した。この世紀のペテン師の人生は「嘘の天才」というタイトルで映画化された。主演はロバート・デニーロだった。
さて場所は上海。おりから開催されているのは「上海自動車ショー」。中国最大の自動車ショーだが、ことしは参加が1000社、トヨタもEVモデルなど三点を展示、数十万人が訪れる予定で、4月28日まで。しかし、このショーで話題を浚ったのはトヨタでもテスラでもなかった。
天下の名門BMWの隣のブースは、初耳のEV自動車「NEV」(恒駆)が並んだ。
この会社はエバーグランデ(恒大集団)。香港の株価、過去12ヶ月で十倍。時価総額はなんと870億ドル。
おっと、この新車NEVは一台も売れた実績がない。
イーロン・マスクのEV「テスラ」は、一応、50万台を売って、トヨタの二十分の一の売り上げ、ただしマスクのEV時価総額は、トヨタの四倍。トヨダEVの昨年度の売り上げは、たったの3300台!
なんとも不思議なことがあるなぁ、と感心している場合ではない。
NEWの親会社は「恒大集団」(英語名がエバーグランデ)。率いるのは許家印。2017年フォーブスの富豪ランキングでは中国の一位だったこともある。
ところで、名前が酷似しているが、許家屯と許家印(恒大集団CEO)の関係はまったくない。
専門家の樋泉克夫氏の分析では「両人が「家」の文字を使っていますが、基本的に同じ文字は一族の同世代が使うものですから、たとえば李一族で「澤」を使うのは李嘉誠の息子の世代で、李澤楷と李澤鉅。父と息子の間では同じ漢字は使われないはずです。許家屯の元の名前は許元文。許家屯はたしか江蘇省の産で、許家印は河南出身。以上から考えて、両人の間には特段の血縁関係は」ない、という。
許家屯は元新華社香港支社長、天安門事件では趙紫陽と親しかったため粛清を懼れて、1990年に米国へ亡命し、2017年頃、百歳で死去した。
しかし農村出身の許家印がよく、まぁ、ここまで出世できたものですね。
樋泉教授の分析を続けると「なんせ匪賊や馬賊でも、度胸と時の勢いで共産党幹部として栄耀栄華の生活を満喫できる国である。おそらく日中戦争末期から国共内戦期、文革、それに野蛮強欲市場経済・・・その都度、社会がシャッフルされる。時の勢いに乗ったやつが勝ち。チャンスがてんこ盛りなんでしょうか」。
さて恒大集団である。中国最大のデベロッパー、全土に高層マンションをおったてて、大半は空室。空恐ろしや、借財は13兆円。倒産寸前といわれ、ドル建て社債は14%、つまりジャンク債だった。
その恒大集団がEV製造に乗り出した。最初はバッテリーの生産、そして欧米五社のエンジニアリング会社と契約し、大工場を建てて、「恒馳」ブランドのEVカーを宣伝、そのデビュが上海の自動車ショーだったのである。
EV参入発表からIPO(株式公開)。株価はEVブームに載って鰻登りとなった。時価総額は870億ドル!
このニュースに接したとき、咄嗟にマドフのことを思い出したのだ。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2224回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港106)
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もう少し世界史教科書のような話が続くことになるが、ご容赦願いたい。
534年前後の北魏分裂から東魏の成立、550年の東魏から斉への交代を経て577年の斉の崩壊までの歴史を綴る『北齊書』の出版は、田中訪中から2か月後の1972年11月だ。
『北齊書』は、「搾取階級が自らを守る秩序を維持し、政権を固め、人民を縛り付けるための封建的な荒縄にすぎない天命や神権」という「反動的唯心史観が浸み込んだ封建史書」に過ぎない。
だが、「『階級と階級闘争の視点に立ち、階級分析の方法によって一切を見通し、一切を分析せよ』との偉大な教導を真剣に学んで、『北齊書』が示す記述を再検討するなら」、「この時代の歴史を研究する上での一定の資料価値がある」とした。
「一定の資料価値」とは、「鮮卑貴族と漢族地主が連合した封建政権」に対し立ち上がる「各地の人民の武装闘争に関する記述」を指している。
以上が「出版説明」の趣旨だが、「反動的唯心史観が浸み込んだ封建史書」と否定する一方で、「一定の資料価値」と肯定している。否定なのか肯定なのか。どちらに力点が置かれているのか。出版の狙いは後者にあったように思えるのだが。
?小平が国務院副総理に返り咲く一方で、毛沢東が周恩来批判を臭わせ始めた前後の1973年5月に出版された『梁書』では、「出版説明」は次のように記されている。
『梁書』は502年から557年の前後56年間、江南に在った「封建割拠政権」である梁の歴史を綴っている。「反動歴史観に支配されているから」、「記述には往々にして隠ぺいや歪曲が認められる」。だが「封建政権の歴史を記すからには、封建支配階級に依る搾取や血塗られた事実を覆い隠し、人民大衆の革命闘争の姿に蓋をするわけにはいない」。
だから『梁書』は「マスクス主義の国家学説に基づいて封建政権に関する記録を分析すれば、必ずや当時の階級矛盾、階級闘争の資料となるはずだ」。
当時の歴史を綴った同時代の記録や史書などは散逸し失われたが、『梁書』には当時のナマの資料が散見される。「政治や軍事問題以外に、哲学史、文学史、宗教史、民族関係、対外関係などに関する当時の資料が認められる」。
ここまで読み進んでみると、『北齊書』の「出版説明」と同じような印象を持たざるを得ない。『梁書』もまた封建支配階級の正統性をでっち上げた史書だと否定するものの、当時を物語る貴重な一次資料が使われているので、やはり研究に値するということだから。
四人組による批林批孔運動が全国展開される一方で、毛沢東によって政権中枢の戻された?小平が国連特別総会に登場し、毛沢東の説く「三つの世界論」を背景に「アジア・アフリカの発展途上国と友好関係を築いてきた。中国は米ソ両超大国のように帝国主義的覇権は求めない」と大見得を切った前後の1974年4月に出版された『明史』の「出版説明」は、次のように説かれている。
『明史』は「人民の反抗闘争を仇敵視し、統治階級による人民闘争鎮圧を讃える。だが、やはり人民闘争を書き記さないわけにはいかなかった。〔中略〕少数民族の反抗闘争にも言及している。(『明史』の)編著者は歴史を歪曲しているが、やはり我われが分析すべき参考資料を留めている」。加えて「国内と国外の違いを弁別していないなどの大きな誤りが認められるとはいえ、役に立つ資料が書き残されている」。
どうやら『明史』も全面的に否定するわけでもなく、中国域内のみならず当時の周辺事情研究という条件をつけながら、その歴史的意味を認めている。
思想的には否定すべきだが、歴史研究の上からは「一定の資料価値」(『北齊書』)があり、「当時の資料が認められ」(『梁書』)、「役に立つ資料が書き残されている」(『明史』)。
だから敢えて出版に踏み切ったとの理由付に、歴史研究を越えた政治が感じられる。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)フランス革命について(落合道夫)氏が革命派の反王室宣伝の誤りを指摘されていましたが新聞が煽った面も大きい。諸勢力が党派性をむき出しに対立しどんどん過激化していく。
もちろん新聞といえばユダヤ勢力の得意技でプロパガンダを拡散した。国王も王妃も今でいうフェイクニュースで殺されたといってもいい。アメリカ大統領選挙におけるトランプ大統領に対する攻撃とよく似ています。
革命の結果、教会財産は没収、修道院は監獄に、グレゴリオ暦は革命暦へ。ソビエトでも革命後に週6日制の革命歴が実施されている。
とにかくキリスト教を消し去りたいという強烈な意思(悪意)が感じられます。アメリカでもトランプ大統領以前にメリークリスマスが禁句に近い扱いで、大学・主要メディアは共産主義者の巣窟。左翼によるアメリカ乗っ取りもあと一歩という恐ろしい事態が現在も進行中。
もう一つ、マリー・アントワネットの贅沢は公共投資だった、というのは正論。
いわば良い贅沢で、たとえば芸術は教会や王侯貴族・大富豪のパトロンがいなければクラシックの名曲も美術館を飾る名画もなかった。
浪費で有名なバイエルンの「狂王」ルートヴィヒ2世もノイシュヴァンシュタイン城やバイロイト祝祭劇場という遺産を残した。王侯貴族の贅沢がイタリアやフランスのファッション・宝飾・工芸品など有名ブランドに繋るのですが、いまや中国に食い荒らされている。
日本では戦国大名が贈答に高価な茶器や屏風を贈ったり、江戸時代の参勤交代では全国津々浦々まで京や江戸の文化が伝わった。贅沢品ひとつ作るにも原料から加工まで多くの工程をへて膨大な雇用が生まれた。
対する朝鮮は染める技術もなく支配階級の色鮮やかな服は中国から輸入するだけで針一本つくれない。現在の北朝鮮も同じでいわば悪い贅沢です。
中国の伝統文化は革命、とくに文化大革命で徹底的に破壊され老舗がなくなってしまった。おとなり朝鮮では老舗どころか商店が最初から存在しなかった。日本の伝統のすごさは日本人自身が意外に気がついていないのかも。
今、放送中のアニメ「やくならマグカップも」は岐阜県多治見市が舞台。美濃焼にのめり込む女子高生が主人公ですが、祖母の「ここら(多治見)の子なら幼稚園のころから土いじりするでしょう」というセリフには驚かされた。
ネットで調べたら多治見のとなり小牧市ですが土いじりどころか年長組ではお茶会用に抹茶茶碗の製作体験まである。
https://toukadai.himawari-yochien.ed.jp/blog/4347/
海外で食事をすると食器のショボさにがっかりすることがありますが、日本文化の層の厚みというのはこんなところにもあるのですね。
(PB生、千葉)
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(読者の声2)東芝を外国ファンドが買収しかけて、日本の経済界も政界も吃驚しましたが、考えてみればM&A(企業合併、買収)の嵐は日本でも過去二十年来、繰り返されてきたこと。昨今は外国人の土地買いです。
ところで老生、中小企業を経営して数年前に社長業を引きましたが、そういえば三十年ほど前、経営コンサルタント『タネベ経営』の講演会に幾度か足を運んだことがあります。その講師として、いつぞや宮崎さんが来られ、このM&Aのことを先駆的に細かく話されていたことを思い出し、本棚を探していたら出てきました。宮崎正弘さんの『MAの研究』(MG出版。1986年)です。
はやくから予言されていたのですね。日本企業の対応の鈍さが、露骨に表れたのが、こんどの東芝買収騒ぎと思いました。
(HD生、神戸)
(宮崎正弘のコメント)35年前ですね。拙著『M&Aの研究』を出したのは。「予言」ではなく、予測の方向性が時代の流れと共にそうなっただけです。但し、当時、この分野では拙著だけでしたので、先代のタナベ経営社長の田辺昇一氏が注目され、系列の「社長会」講師として、北は札幌から南は福岡まで、全国を八ケ所ほど講演に回りました。
社長会ゆえに少人数の会でしたが、京セラの稲森さん、ユニ・チャームの高原さんや京都ではハイテクの錚々たる企業の経営者が聴衆で、やはり上陸前のアメリカのMAの関して格段の興味をお持ちだったこと印象深く回想しております。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月20日(火曜日) 通巻第6871号
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<< 読書特集 >>
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呉善花『韓国「反日民族主義」の奈落』(文春新書)
寺田英視『婆娑羅大名 佐々木道誉』(文春新書)
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~乱暴狼藉の限りを尽くしたと誤解される婆娑羅大名の正体
茶道、華道、和歌から能、狂言に通じた美意識の持ち主だった
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寺田英視『婆娑羅大名 佐々木道誉』(文春新書)
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婆娑羅と聞けば、まずは高師直を連想する人のほうが多いかもしれず、後世の松永弾正とて婆娑羅の列に入るだろう。
イメージとしては無節操な遊興の徒、伊達政宗のような数寄者とも違う。
婆娑羅とは何か。
「鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて忽然と出現した新しい美意識である」と著者の寺田氏は本源と由来を説く。原義はサンスクリット、「硬くて何物をも砕く金剛石」。或いは「不動心」、「魔神を調伏する法具」などを意味するという。
乱暴狼藉の限りを尽くしたと誤解される婆娑羅大名の正体は、まるで正反対だった。「茶道、華道、和歌から能、狂言に通じた美意識の持ち主だった」のだ。
その代表格が本書の主人公、佐々木道誉である。
かつて評者(宮崎)、信長の取材で安土の街跡をレンタサイクルであちこちついでぶらついていたとき、安土の佐々木神社(沙沙貴神社)という壮大なお社に行き当たった。深い緑林に囲まれて幽玄な雰囲気があった。吸い込まれるように境内にはいると、一種聖域の趣に近い。
この神社の主神は四座五柱(よんざ・いつはしら)の神々で、少彦名神(すくなひこなのかみ)、大毘古神(おおひこのかみ)、仁徳天皇(おおさきのすめらみこと)、宇多天皇(うだのすめらみこと)と敦實親王(あつみのみこ)だ。
ここが全国に散らばる佐々木姓170万家の本丸、佐々木氏は六角と京極にわかれ、たとえば拓大日本文化研究所所長だった故・井尻千男氏のご先祖は六角佐々木氏だった。山梨へ流れつき、地名の井尻に改姓した由。
本編の主人公佐々木道誉は、京極佐々木系である。
道誉の名前が歴史に登場するのは太平記、とくに巻二十一「佐渡判官入道流刑の事」に書かれている。
『太平記』において「輝かしい存在」となると、楠木正成と、この佐々木道誉である。かれは楠木正成、北畠顕家、新田義貞などと同世代人であり、忠君愛国の楠木らとは識別され、足利派とみられるものの、その波乱万丈の人生。苛烈な戦争を潜り抜けて息子たちが戦死してゆくなかで、強運だった。
比叡山との確執は佐々木家百五十年の屈辱となって鬱積した。その不満を爆発させて殺傷事件を引き起こす道誉は出羽に左遷と決まる。ところが、途中の道中で、華々しき狼藉と酒盛り、その裡に出羽行きどころか近江あたりで有耶無耶となって、足利尊氏の先陣役を割り振られ南伊勢に軍勢を整える。この間、荒武者とごろつき坊主の武装集団だった比叡山も勢力が衰えていた。
「道誉の婆娑羅とは、単なる過差、風流ではなく、政治戦略も含めた総合性の上に成立する生き方そのものだった」(88p)
粋なのである。
ダンディズムと比較できるかもしれないのも、婆娑羅に徹する道誉は生け花、茶道から、能、狂言はもとより連句連歌会を主催し、おおくの和歌を詠んだ。文化的風流人でもあった。後花園天皇直選集『新続古今和歌集』にも、道誉の一首が選ばれている。
他方、武士としての戦功は輝かしく、謂はば文武両道の見本のような侍だった。
この武士道の美意識が、昭和四十五年の三島由紀夫自刀へと流れたと寺田氏はダンディな文体でさらりと結ぶのである。
コロナ禍の暗鬱な日々に精神の清涼剤となった。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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あの民族の体質は千五百年、まったく変わらない
反日がなぜ生き甲斐になってしまったのか、民族性と歴史改竄
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呉善花『韓国「反日民族主義」の奈落』(文春新書)
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「韓国がファシズム化している」と呉善花女史は強い警告を発する。
直近の選挙(ソウル市長選、釜山市長選)では与党が惨敗し、来年の政権交代が視野に入ってきた。だが野党が政権を奪回したところで、あの民族のもつ「反日」というDNAに染みこんだ病理は治癒不能だろう。
文在寅政権は「従北、侮日、反米、親中」という感情的ヒステリー症状をかかえている。いや、文政権は北朝鮮の工作で誕生した共産主義的全体主義を目指す政権ではないのか。
あまりにクレージーで、理性や論理とかのレベルで韓国の出鱈目な要求に日本が真摯に反駁しても、まったく無意味である。文在寅政権の病的な反日とその無軌道的な政策を、国際政治のレベルで説くのは、むしろ無謀かも知れない。
しかもあれほど日本を攻撃してきた韓国が、突然、態度を豹変させ、ゴロニャンと不気味に管政権にアプローチしてきた。
その心底には何かどす黒い魂胆があるに違いないだろう。このパターンは過去の歴史にモデルがあることを後節でみる。
日本敵視で世界に孤立する韓国は、東京五輪に日米中、そして北朝鮮との橋渡しを演じようという素っ頓狂で野放図な野心を抱いて猫なで声の日本接近だった。しかし本質的にそのことを知っている北朝鮮は東京五輪不参加のメッセージを送った。
文在寅の顔に泥を塗ったのが金正恩なのだ。ところが、韓国政府は鈍感なのか、適確な反応も出来ず、こうなると時間稼ぎに走ることになる。
韓国の反日とは「殆どパターン化した画一的な虚言や虚像」によるものだが、これは「韓国の国家的民族的な政治主義からつくりだされた」と呉女史は言う。
なぜなら「国家の政治的思想的な統制力が、社会の全体を巧妙に組織し得ているからである」。
そのうえ「力づくで従わせようとする政治的強制力によるものではない。幼いときから、自ら進んでそうするように仕向けられて(教化・訓育されて)きたことによっている」。
「徴用」「強制連行」「奴隷労働」「慰安婦」等々、あたまから日本が悪いと信じ込まされている。だから「現在の日本人の90%以上は古代に、わが国(韓国)から流れていった人々の子孫、あるいは少なくともその血の混ざった人々だ」とか、「(朝鮮から)移住していった人々が、日本の古代国家と古代文化を建設した」と根拠のない訓育の所産は錯覚を拡大させ、そうした歴史認識が普遍化してしまった。
しかし、日本国内にこうした韓国の言い分を鵜呑みにしているブンカジンが夥しいから問題はややこしくなるのである。
たとえば『日本書紀』が描く武烈天皇は暴虐、最悪の君主である。妊婦の腹を切って胎児を取り出したり、残虐な方法で民を虐殺したり、女性のいたぶり方も酷かったと言うのだが、『古事記』にはこういう記述はまったくない。平安時代にでた『先代旧事本紀』にもない。
ところが「このとし百済の末多王、無道暴虐により、百姓・国人ついに除きて島君を立つ。これを武寧王となる」と『日本書紀』の武烈天皇の節にあり、「これ(武烈天皇の無軌道という話)は百済の末多王のことが紛れ込んだのである」(海音寺潮五郎『大化の改新』、河出文庫)。
呉善花書にもどると、韓国の主張の背景には「日本を侵略的で野蛮な、文化的に遅れた国として蔑視する中華主義の世界観である。むしろ、韓国の方が日本を差別し、蔑視している」ことになる(60p)。
韓国にはオリジナルな文化はない。
だから劣等感の裏返しが「曹操は韓国人」「日本の文化はすべて韓国が発祥」、「檀君は5000年前、中国より古いゾ」。果ては柔道、剣道、お茶、日本刀、空手、盆栽、刺身はぜんぶ韓国起源説となって、世界からウリジナルと揶揄されるのだが、一向にやめる気配がない。
なにしろ檀君神話を実在したと信じ込んでおり、その「建国を韓国では紀元前2323年のこととしている。韓国では1961年まで檀君紀元が使用されていた」(254P)。これほどに歴史感覚は空想的で倒錯しているのである。
こうした反日思想は、
(1)朝鮮侵略史観が背景にあって秀吉をすぐに持ち出すが、神功皇后の朝鮮征伐を捏造と決めつける一方で、明治の征韓論も持ち出すという身勝手な歴史認識。
(2)中華思想の影響で周縁の国を野蛮と侮る特性がある。
(3)儒教的道徳観が、ここに重なると本書は分析している。
真実はこうだ。
実際の日本の朝鮮統治は、日本の「投資過剰の赤字経営」だったことは広く知られる。「朝鮮の財政赤字は総額17億6657円で、赤字分は本国からの交付金(年間約1200万円)、借入金、公債でまかなわれた。また貿易収支では総額6億4700万円の赤字である。1900年前後以降、日本から投入された資本は総額で80億ドルにのぼった」(56p)。
現在の金額に勘案して幾らになるのか不明だが、当時の日本のGDPの40%が韓国統治のために注ぎ込まれた。
その恩を韓国は仇で還した。
にもかかわらず文在寅は突如、豹変する。
「日韓両国は最も近い隣国であり、北東アジアと世界平和・繁栄のために共に歩んで行かなければならない最も重要なパートナーだ」と驚くべき発言(21年1月14日)に切り替え、態度を一変させた。
日本叩きが行き詰まった結果である。
1998年、金大中は「韓国政府は今後過去の歴史問題を持ち出さない」と約束し、「過去は清算される」と放言した。
2001年、日本の歴史教科書すべてに対して「事実が歪曲されているので是正せよ」として日本が断ると韓国の国会は「日韓共同性宣言廃棄」を満場一致で採決した。
2021年、反日が行き詰まり政権の末路が近付くと、態度を一変させ、日本に阿るようになる。
──似ているなぁ。
仁?天皇の御代、ヤマト王朝は勢威を内外に示した。その仁?天皇陵がエジプトのピラミッドより大きいこと、大阪湾から御陵が見えたほどに大和朝廷の栄光の時代だった。百済も高麗も新羅も大和朝廷に朝貢していたのである。
「日本書紀」仁?十七年のくだりには「新羅朝貢せず、秋九月、的の臣の祖砥田の宿弥、小初瀬の造(みやつこ)の祖賢遺の臣を遣わして、朝貢を欠くことを問わしむ。ここにおいて新羅人懼れて、乃ち調絹一千四百六十匹および種々の雑物すべて八十艘を貢献す」とあり、また允恭天皇の宮にも八十艘で挨拶に来たことが書かれている。
以後、雄略天皇から継体天皇にいたる間に、半島からの朝貢がつづいていた。
その一方で朝鮮半島の勢力争いは激烈熾烈をきわめ高句麗、新羅、百済が戦争を繰り返していた。
百済の王だった王璋は事実上日本に人質として置かれていたが、本国滅亡寸前に帰国を許されたばかりか、日本に援軍を求めた。日本は軍を派遣したが、白村江で日本軍は中国軍に敗北した。すると王璋はさっさと国を捨てて逃げた。
歴史の公式的な記述では、遣隋使・遣唐使が日本最初の外交使節とされるが、すでに崇神天皇のころから朝鮮半島との交易、使節の行き来があった。
精密に記すと聖徳太子の時代に、三回の遣隋使、隋の時代となると、初回の遣唐使は西暦630年、弐回目が653年、四回目の遣唐使派遣は659年だった。
しかし中国の史書では、日本が朝貢にきたと高みから夷を見下ろす中華思想で書かれ、日本側が外交上の挨拶に行ったことを、日本が中華の册封体制に入ったと喧伝している。
任那に日本府がおかれ、朝鮮半島南部は日本の影響下にあった。欽明天皇の御代に、新羅が任那を滅亡させた。日本は回復に努力した形跡がある。しかし、この頃すでに半島には唐の影響がじわりと浸透していた。一方で新羅も高麗も時々、日本に朝貢していたし、百済や毎年のように朝貢していた経過はみてきた。
大化の改新の前後に唐は大軍を派遣し、高麗と対峙した。その前に隋の煬帝は四十万の遠征軍を派遣したが、血気盛んだった高句麗(高麗)が撃退している。
その後、新羅は百済を滅ぼすに唐の軍事力を当てにして、そのために唐に服属したので、百済は舒明天皇三年(631)に王子の豊璋を人質に差し出し、日本の支援を乞うていたのである。
百済は新羅と唐軍の挟み撃ちとなり、滅亡寸前。そこで支援を叫んできた百済救済に、ときの称制・中大兄皇子は軍派遣を決断して、筑紫に兵団、船舶、食糧などの集積を開始した。
その前にも日本は百済に弓、織物、布などを大量に送り、百済軍の立て直しを大規模に支援した。さらに武器、兵食糧、船舶を送り、準備に余念がなかった。
百済ではこんなときに王朝内で激烈な内訌を繰り返し、参謀や側近を豊璋が斥けたため、戦意は急速に衰えていた。
しかし情報戦に後れを取る日本は、ろくに偵察もせず、斥候も怠って突進を繰り返したので、待ちかまえた唐の水軍は日本の船団を囲い込んだ。海戦で日本軍は敗れ、多くが死んだ。
生き残りの日本軍は百済王朝の関係者2400名をつれて日本に引き揚げた。
以後、日本は防衛力強化、近江への遷都となり筑紫には水城など強靱は防衛システムを作り上げた。中大兄皇子を継ぐ天武天皇は「まつりごとの要諦は軍事力にあり」と勅諭したほどだった。
白村江以来、朝鮮半島の日本へのアプローチのパターンは変幻自在とでも言おうか、一貫した基本方針は存在せず、ことほど左様な事大主義に寸毫の変化もないのである。
その韓国を管政権はどう対処するのか?
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) わたしは2021.4.16.通巻6863号にて「日本のマスメディアの多くは「バイデン大統領が最初に面談することになった相手が日本の総理
となった。これはバイデン政権が日本を重視し、日米関係を更に発展させる意志の表われであり、最近の尖閣防衛に対するバイデンはじめ米国政府の前向きな発言もこのことを示している、と言った調子だが、私の理解はアメリカは中国に武力で対抗するのはごめんだ。これからは日本は自分でやってくれと言い渡す会談であり、菅総理に徹底理解させるのが日本重視の今回の会談の目的であると思っています」
と書きました。
会談は終わり、総理は18日帰国されましたが、日本の報道は外務省OBで内閣参与のM氏が言ったように「天の時を得た」(日本にとっては佳き)会談である」という調子でした。
しかし私は総理の表情や共同声明を読んで、やはりこの会談は「日本への攻撃にはアメリカが武力で守る」という条約の要諦が形骸化へ向かい出す最初の具体的且つ顕著な兆候に見えたのです。
最近のバイデン政権を見ると「なんだ!日本重視も、対中外交も、アフガン撤退も、移民対策もトランプがさんざん主張してきたことと同じではないか!」と云う事に気付かぬ人はいないと思います。なぜこんなことになっているのでしょう?
私はバイデン自身が自発的にかような策を打ち出せるはずはなく、おそらく先の大統領選挙の(The Art of the Steal)を仕組んだバイデンの裏にいるであろう「側近(グローバリスト)=総司令官?」が、2年後の中間選挙で民主党が共和党に勝利しなければ、その時でバイデン政権は終わりと同じだとみているのだと思います。
そして民主党の勝利のためには、7千万票に値するトランプ政策を、先の大統領選挙同様に「steal 」しなくてはならないと考えているのだとおもいます。
バイデン政策がこのまま4年間トランプ路線を「踏襲」するかは つぎの中間選挙が終わってからのモノとなると思うのです。
(SSA生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月19日(月曜日)弐 通巻第6870号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~米露はいつまで制裁合戦をやっているのか 〜〜〜 オルガリヒの在米資産凍結は、かなりのブローだがプーチンは何故かケロリとしている
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報復合戦が続く。
アメリカはウクライナ問題でロシアの富豪を制裁してきたが、トランプ政権の2019年1月、オレグ・ウラジーミロヴィッチ・デリパスカへの制裁を解除した。
デリパスカはユダヤ人で、ガス企業「ルサル」の社長だった。プーチン政権下で利権をむさぼった新興財閥群は、ほかにアブルモヴィッチ(石油王)やユコスのホドルフスキーらがいた。
彼らは政権から離れ、資産を海外へ移るなどの行為を見とがめられ、次第にプーチンとは距離をいた。ホドルフスキーは逮捕され、十年の服役後、欧州へ逃れた。
アブルモヴィッチは2008年には洞爺湖サミットに出席するほどの政治銘柄でもあったし、フォーブスの世界富豪ランキングでは、十位をつけた。資産280ドル。自家用飛行機も所有するほどだったが、現在は落剥しているという。(👆⁉️🐧⁉️…資産280ドル⁉️…🐧より少ないな…。😅 )
バイデン政権になって制裁が復活した。
4月2日にナワリヌイ毒殺未遂に関与したとして、ロシアFSB局長のボルトニコフら七名を制裁リストに加えた、とした。
4月15日に、米国は「2016年の大統領選挙へサイバー戦術で介入した」としてロシアへの制裁を追加し、25のロシア企業と25人のオルガリヒ(ロシアの大富豪たち)の在米資産を凍結した。EU、英国、カナダ、豪も同様な措置を講じた。
その金額たるや1兆ドルと見積もられる。
米国マサチューセッツ州にあるケンブリッジ国家経済研究所によれば1兆400億ドル。アメリカが講じた経済制裁はロシアにとって強烈な武器となっている、筈だ。
ところが、それほどの悲惨さをロシアは顔に出しておらず、制裁の噂が流れる直前に米国から1200億ドルがごっそりと引き出され、ロシアに環流した事実も一方で判明している。
ゲンナジー・ティムチェンコは対露制裁リストのトップに載っている。
スイスのテクノロジー企業「エリコン」の40%株主、スイスの機械メーカー「Sulzer」の57%株主である。資産は160億ドル内外。
ヴェクセリベルクはロシア版シリコンバレー「スコルコヴォ」の総裁。プーチンの親友としてしられる。
ヴァチェスラーヴ・プロコフィエフもプーチン大統領の友人。投資会社「ヴォルガグループ」の創業者。エネルギー、輸送、インフラに重点を置くビジネス展開で知られる。
過去にもアメリカはロシア大富豪を狙い撃ちして在米資産凍結にでたが、直前にかれらは口座移動などで対応していた。
▲個人への制裁はどれほどの影響があったのか?
中国への適用例が参考になる。
2019年に香港大乱の責任者を制裁したことがある。直前に共産党幹部の秘書や身内がNYへ飛んで口座を緊急に移し替えた。
しかし市場は荒れた。ロシア国債は外国人投資が20%急減する一方で、赤字国債の増発は40%増。これでは株も通貨も暴落する。ルーブルは紙くずに近い。この二年間でロシアルーブルの対米為替レートは65から75へと14%近い下落ぶりである。
しかもバイデン政権は追加制裁を予定している。
燻る続けるウクライナ東部の情勢だが、国境にロシア兵が数万終結している。
もし、ウクライナへの介入があれば、バイデン政権は追加報復にでるとしているが、クレムリンは「バイデンはプーチン大統領を人殺し呼ばわりした。米国は平和を希求しているとは思えない。これでは一歩前進二歩後退ではないか」と不満やるかたなく、報復に米国へ制裁を発表した。
ところがロシアの制裁の中味はと言えば、ガートランド国連大使、スーザン・ライス(元大統領補佐官)、クリス・レイFBI長官らの「ロシアへの入国禁止」(これって、制裁に該当するのかなぁ)。
チェコも18人のロシア外交官退去を命じ、ロシアは報復でモスクワ駐在チェコ大使館員20名を「スパイ容疑」で国外退去を命じた。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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ようやく「習近平のジェノサイド」認識が拡がったが
日本は中国に命じられたかのようにフェイクニュースを発信し続けている
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大高未貴『習近平のジェノサイド 捏造メディアが報じない真実』(ワック)
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大高さんは若き日々に、ジャンパーでオートバイに跨り、世界百カ国を『放浪』した女傑。でもお目にかかるとやさしい大和撫子、どこに秘めたパワーがあるのかと思うほど発言の趣は正論強硬派だ。
さて本書は中国のマスク、ワクチン外交は「放火犯が消火器を売るのと同じ」と、まずは強烈なパンチを浴びせる。
だが、問題は中国の歴史捏造に加担し拡声器の役割を担っている日本の大手メディアだ。
そのうえに、恥ずかしくもなく、そうしたメディアに登場してよろこぶ政治家、学者、ブンカジンこそが深刻な問題である。
評者(宮崎)は朝日新聞を読まず、NHKなど嘘放送のテレビも見ないので精神衛生的に「健康」な日常生活を送っているが、臓器移植の闇ビジネスを正面から取り上げないフジテレビ、ノー天気にシルクロード番組とフェイクの軍艦島特集はNHKだった由。
また捏造報道、情報操作がネット空間にドヤドヤとけたたましく入り込んできた。
捏造、歪曲に加担するばかりか、「報道しない」という姿勢で、結果的に中国の第五列になりさがっているメディアも多い。
卑近な実例は出版界にも顕著である。
スタンフォード大学教授のノーマン・ネイマークが書いた『スターリンのジェノサイド』(みすず書房)は、どの新聞も書評に取り上げず、無視作戦だった。
そもそも『武漢ウィルス』といわないで、日本のすべての大手メディアは「新型コロナウイルス」で統一している。
コメントを寄せるブンカジン、学者、芸能人も、右へ倣えだ。
「『慰安婦問題』にしても、日韓の反日運動家と朝日新聞が火つけ役を担って展開されたプロパガンダだが、日韓合意を経たにも拘わらず、海外の慰安婦少女像がふえ」た。これは「コロナウイルスより猛毒なイアンフ・ウィルスだ」(217p)。
大高女史はダライラマ亡命政権のダラムサラを訪ね、若いチベット人女性と仲良くなった。
「彼女の家でお茶を飲んでいた(中略)。深く考えずに自分のプライベートなことをちょっと愚痴ってしまった。じっと伏し目がちにわたしの愚痴を聞いていた彼女は、ボソリとこう言った。
『あなたの不満はわかるわ。でもね、あなたには祖国があるじゃない。わたしの祖国はこのポスターにしかないのよ』。彼女が指さしたのはポタラ宮のポスターだった。わたしは脳天を衝かれたように返す言葉を失った」(228p)。
このジェノサイド国家が北京五輪を開催すると豪語している。
日本政府は欧米の北京五輪ボイコットの呼びかけに無言のままである。
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(読者の声1)先日、宮崎さんが、「岡先生はタイガースのファンが多い関西在住なのに、なぜか巨人ファンだ」と言ふことを、メルマガで書いてらした。
私もそのことは岡先生の本で読んだことがある。つまり、巨人が勝つと、何となくうれしいのださうだ。
しかし巨人(川上監督)にも欠点はある。それは、負けさうな試合でも、なかなか投手を変へないから、危ないなあと思ってみてゐると、やっぱり負けてしまふ、といふことだ。しかし私は又別の人の意見をきいたことがあるが、それは、川上哲治と言ふ人は、負ける試合、勝つ試合と、はっきり分けてゐた。負けるものは負けても仕方がない、さうして勝てる投手を遣はないで、温存しておくのだ、と言ふのである。
私にはその実情は分からないが、やはり巨人が勝った翌日は、なんとなく嬉しいものだ。
(北村維康)
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(読者の声2)マリー・アントワネット王妃の話が出ているので、ご参考まで。
(1)王妃の印象
英国の有名な保守主義者のE・バークは、マリー・アントワネット王妃を見たことがあった。「十六、七年前、私はベルサイユ宮殿でフランス王妃のお姿を見る
機会に恵まれた。当時は王太子妃であったが、まさに絶世の美しさで天使と見まがうばかりだった。地平線のすぐ上、一段高くなっているところに妃殿下が歩を進められるや、途端に周囲が華やいだ。明けの明星さながらに輝き、みずみずしくも威厳と歓喜に満ちたお方・・・・それがこのような運命を辿るとは!王妃の栄光と没落を顧みて何も感じない者は人の心を持たぬ者である。(「フランス革命の省察」PHPから抜粋引用)
(2)革命派の反王室宣伝の誤り
マリー・アントワネットが贅沢な生活をしたと非難する。しかし彼女の出費は公共投資だった。それは納入する商人、農民、漁民など生産者にとって有り難い事であった。倹約家の王様だったら干上がってしまうからだ。これは個人の生活と王室の公活動を混同した誤解である。日本でも尾張の殿様が派手好みで地域経済をうるおわせ領民に喜ばれたという。
(3)バークの保守主義とは
保守といっても単なる旧弊墨守ではなかった。バークは人間の活動を非常に複雑なものと考え、それらが絶妙のバランスをつくって形成しているのが現実の社会と考えた。だからそれは旧体制などと言うような一言で片付けられるようなものではない。あくまでも実態が概念に優先する。だからその改革に当たっては、石橋を叩いて渡る慎重さが必要である。「改革がなされても社会が新しくなるわけではない。伝統が保守されていても社会が古いわけではない」はけだし名言である。
(落合道夫)
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(読者の声3)今年で引退となるF-4ファントム2を記念して、伝説のファントム・ライダー(F-4パイロット)による貴重な講演があります。
戦闘機パイロットの、実録・一喜一憂命がけ人生!モットーは、勇猛果敢・支離滅裂!!
伝説のファントム・ライダー「タイガー」がハチロク、マルヨン新米パイロット時代から戦競常連「戸田組」飛行隊長時代、生きるか死ぬかの訓練ミッション裏話まで、その波瀾万丈なパイロット人生を語ります。
元戦闘機パイロット 戸田眞一郎先生出版記念講演『熱血! タイガーのファントム物語』。
記
【日時】 4月25日(日)14時30分~16時30分(開場:14時05分)
【会場】 としま区民センター7階会議室702・703(JR・メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩4分)
【講師】戸田 眞一郎(とだ しんいちろう)先生 防災アドバイザー、元戦闘機パイロット、つばさ会副会長
【参加費】事前申込:1500円、当日申込:2000円
(事前申込の大学生:500円、高校生以下無料)
【申込先】4月24日21時迄にメール又はFAXで受付(当日受付も可)
★当日、事前申込の無い方の入場は講演10分前とさせて頂きます
【主催】千田会 https://sendakai.wixsite.com/home
FAX:0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【後援】新しい歴史教科書をつくる会 岡山県支部
【参加される皆様へお願い事項】必ずマスクを持参し、ご着用して頂きます様お願い申し上げます。発熱などの症状がある方は来場をご遠慮ください。予防的な観点を熟慮し、マスクの正しい着用、手指消毒・衛生的手洗いなど十分な対策を各自で行って下さい。
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(読者の声4)日本のNSCを支える国家安全保障局の初代次長に、新しい安全保障環境下での日本の対応についての考察を解説して頂きます。
貴重な機会ですので多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。
記
【日 時】5月20日(木)午後6時~8時分(受付5時30分~)
【場 所】憲政記念館 会議室
【演 題】「日本のNSCと新しい安全保障環境」
【講 師】?見澤將林(たかみざわ のぶしげ)(東京大学公共政策大学院客員教授)
【略 歴】東京大学法学部卒。防衛庁(現防衛省)入省。防衛研究所長、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を経て2014年1月国家安全保障局初代次長(内閣官房副長官補と兼務)。2016年退官。同年12月、軍縮会議日本政府代表部大使(2020年1月離任)。現在、東京大学公共政策大学院客員教授。
【参加費】 2,000円 (当日受付にてお支払いください。)
【定 員】 30名 (席の間隔をあけております。マスクの着用をお願いします。)
【要予約】以下のフォームより必ず事前にお申込ください
https://ozakiyukio.jp/information/2021.html#0416
(グローバル・イッシュー総合研究所)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月19日(月曜日) 通巻第6869号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~戦場はサイバー空間(インターネット、ツィッター、FB)に移行した
米軍幹部「認識戦争」を台湾は「認識域戦争」と命名している
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中国のサイバー軍の詳細を西側は掴みきれていない。作戦方法も複雑多岐に亘り、詳細を極める調査は、CIA、NSAが行っただろうが、公表されていない。
従来、上海にある12階建ての妖しいビルに数千人のサイバー専門家がつどう事実が特定され、中国人民解放軍総参謀部所属の61398部隊、ハッカー要員はおよそ五万名と推定されてきた。
指令に基づいた書き込みを下請けするハッカー要員はアルバイト学生、退役軍人らおよそ二百万人。これらは「五毛幇」と呼ばれることは広く知れ渡っている。
しかし福建省にあると推定される別のサイバー部隊は人民解放軍の311基地所属の「61716部隊」と推定されているのだが詳細が不明。これは総政治部所属(現在の戦略支援組)で対台湾向けの心理戦、宣伝戦を仕掛ける拠点とされる。この存在が台湾の情報機関によって明らかにされた。
2016年の大統領選挙でロシアはハイブリッド作戦を展開し、SNS、ツィッター、フェイズブックを駆使し、巧妙な意見を書き込むなり、嘘ニュースを流して米国選挙を攪乱した。狙いはヒラリー当選を阻止することにあった(廣瀬陽子『プーチンのハイブリッド戦争』、講談社)。
米国情報筋は中国、露西亜のSNS浸透作戦による相手国のマインド・コントロールを「認知作戦」(COGNITIVE OPERATION)と呼称しはじめた。
台湾は「認知域作戦」(COGNITIVE DOMAIN OPERATION)と、もうすこし細かな議論に発展させている。
この61716部隊が台湾選挙に介入したのである。
ロシアのやり方を教訓としたのかどうかは定かではないが、2018年の台湾五大市長選挙、そして2020年の総統選挙に、偽情報の流布、デマ放送、これらをSNSネットワークを通じて大量に流した。くわえて中国華芸広播公司はテレビ、ラジオによる宣伝戦の尖兵となった。狙いは台湾国民の心理陽動、攪乱情報のみならず、高等で高尚な意見を装ってオピニオン・リーダーの意見を変えさせようとしたのだ。
つまり「概念を構築する方法を変える」のが究極の目的であり、「違う概念をそれとなく植え付ける」のである。それによって大衆世論を誘導し、それがオピニオン・リーダーに影響を与えるようにしむけるという手の込んだ作戦だ。まわりくどいが、狙いは政策決定に大きな影響力をもつオピニオン・リーダーの概念構築(認識能力に影響を与える)のである。
典型の成功例は日本を見れば分かるではないか。GHQの強制が基軸となったが、そこに悪のりして東京裁判史観で自虐的になった日本のオピニオン・リーダーに中国は巨大な認識の変更を工作した。すなわち大東亜戦争は太平洋戦争、南京大虐殺はあった。疫病対策の731部隊は生体実験をした。日支事変は日中戦争(十五年戦争)等々。
こうして日本の政官界、ジャーナリズムからアカデミズムの指導層、財界に「贖罪意識」をまんまと植え付け、心理戦で日本人を圧倒して、中国への賠償に匹敵する援助を引き出し6兆円を収奪し、あまつさえ日本企業の大量進出を促した。
この基本的なやり方を「サイバー空間「」に移行したということである。
▲オピニオン・リーダーの概念構築を変える高等戦術、さすが孫子の末裔
外に向かってがなり立てる政治宣伝より、内部の議論に違う概念を植え付ける認識域への浸透作戦ではアウトプットよりインプット重視になる。
既存のメディアより、台湾ではSNS空間に情報が飛び交っている。米国も韓国も、いや日本の若者たちもそうだ。驚くなかれミャンマーもそうなった。既存のメディア報道を信じない大衆が増えれば増えるほどに、SNSを通じた作戦のほうが効果的であり、とくに台湾へは統一問題、両岸関係をいかに発展させるかを、政府の方針とは気付かないうちに乖離させるわけだ。
一見迂回路をたどるように見えるが台湾政府の台湾独立路線は鮮明に大きく後退している事実は何を物語るか。
そして2018年、民進党の牙城だった高雄で国民党の韓国諭が当選するという逆転劇は、この「認識機作戦」の成功を物語る。
2020年の総統選挙に中国は韓国諭を充てるように国民党トップに示唆したのも、同じ方法で勝てると踏んだからだ。事実、2019年初夏まで、蔡英文の再選は難しいと予測されていた。
ところが台湾総統選は直前までの香港の民主運動弾圧を目撃し、大衆もすっかり冷めて、中国が全体主義の怖ろしい国家だったことに改めて気がついた。中国は自ら撒いた種で、台湾での作戦は失敗した。
さしあたって次の標的は年内に予定される日本の総選挙、2018年の台湾中間選挙。同年秋のアメリカ中間選挙である。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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不正選挙の合法化へ醜悪に蠢く左翼政党=米国民主党
米国の分裂を喜ぶばかりか、仕掛けているのは中国だ
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渡邊惣樹『公文書が明かすアメリカの巨悪』(ビジネス社)
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副題は「フェイクニュースにされた陰謀論の真実」。ちなみに英文のタイトルは洒落ていて、「THE ART OF THE STEAL」。
なるほど、微妙な、真相に迫るキャッチフレーズだ。「盗む力」とでも訳するべきか。
バイデンが真の選挙民の信託を得ないで「当選」した「フェイク大統領」であり、アメリカ民主党が仕掛けた不正投票の結果、「選ばれたことになっちゃった耄碌爺さん」だ。
現実にバイデン政権がスタートしており、トランプのやったことのちゃぶ台返しを狡猾に、静かに始めている。
バイデンを囲んだ側近達が、惚け老人をよそに次々と何かを仕掛けている。FDRを囲んだ共産主義者の陰謀によって、当時のアメリカは動かされた。国民はFDR政権の嘘放送に騙された。
ともかくコロナ禍によって天変地異、トランプが落選という予期せぬ出来事が生まれた。日本では安倍ロスが生まれ、番頭政治が展開されているが、その生彩の無さたるや、無惨ですらある。
コロナ禍を民主党は選挙でおおいに利用した。どうでもよい候補だったバイデンでも、ともかくホワイトハウスを奪回するためなら、何でもありの卑怯な手口をあちこちで駆使し、幽霊投票、集票機の誤魔化し、そして郵便投票が不正選挙の温床だった。
コロナ被害を最悪にみせかけ、トランプを追い込む作戦がとられた。
一方で、アメリカの医学界と病院も補助金を狙った。コロナ患者を受け入れるとひとり1万3000ドル、人工呼吸器を使用した場合は3万9000ドル。病院側の目が輝いた。しかも人工呼吸器使用は家族の了承が入らないという臨時措置がとられ、フル稼働状態だった。
背後にあったのは、「かれらの」利権だった。ファウチはトランプに非協力的だったが、かれは熱烈なヒラリー支持者だった過去が後日判明した。
しかしリベラルなメディアは真実を隠蔽して、バイデンが合法的に選ばれたのだと結論し、保守陣営の訴訟を門前払いとした。
本書はアメリカの公文書を基本資料にして、バイデン陣営が繰り広げた不正選挙の実態を暴く一方で、トランプの再登場の可能性をさぐる。
「ナヴァロ報告書」と「ラトクリフ報告書」の二つを詳述しているが、その詳細は本書にあたっていただいたほうが良いだろう。
もうひとつ、評者(宮崎)が、本書で注目したのは共和党の内訌の分析である。
「名前だけの共和党政治家を大別すれば三つの系統に分類できる」と渡邊氏はいう。
第一に「ネオコン」を挙げる。「彼らの本籍地はもともと民主党だったが、同党の過度な左傾化を嫌って共和党に移ってきた」。
しかも強引に「アラブの春」やらリビア内戦をしかけたネオコン外交を現場レベルで担ったのが、なんと中央情報局(CIA)なのだから始末に悪い。
「ラトクリフ報告書に書かれているように、CIAはトランプ外交の足枷となっていた。ネオコン外交の実行犯であった彼らはトランプ政権に徹底抗戦した」という信じられない内幕があった。
マイケル・フリンを失脚させたのも、この連中であり議会の中心人物はリンゼイ・グラム上院議員である。
このグラムが醜聞だらけの大統領の息子、ハンター・バイデンの議会での追及を握りつぶした。下院でのネオコンの大物がチェイニー元副大統領の娘リズだった。トランプ弾劾の賛成に回った議員らの中心人物。しかし「ネオコンと目されていたテッド・クルーズ上院議員は、完全に親トランプに舵を切った」(234p)
第二の「名前だけの共和党政治家」は、政治を長く取り仕切ったプロであり、筆頭はミッチ・マコーネル上院議員とミット・ロムニー上院議員(元ユタ州知事)。永田町に蔓延る妥協という政治を彷彿とされるのだが、ワシントンでも、プロの政治屋たちは、波風を立てず、ひたすら現状維持における特権を享受したいだけで、国益とか伝統とかは二の次である。
第三は「カネと権力に取り憑かれ、政治の原点を忘れた政治屋たち」だ。典型はジョージア州知事のブライアン・ケンプとラッフェンスバーガー州司法長官という。この二人は不正選挙の訴えを門前払いとしたため、トランプ陣営からは「奴らは次の選挙で牢屋行きだ」と強烈な駁論がでた。
なぜなら「ドミニオン投票機導入とコロナウイルス予防グッズ購入の見返りで裏金を貰っている」(237p)。
こうした裏切り、日和見多数をかかえる共和党だが、支持者は依然としてトランプ集会にあつまり、熱狂的にムードを盛り上げている。
2022年の中間選挙で、トランプ陣営の逆襲はなるか。本書は情報の宝庫であって、米国政治理解の参考になる。
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(読者の声1) コロナワクチンの接種案内(A4で5枚+シール1枚)が市役所から届きました。コロナ騒ぎが不思議でならないのはこの一年間で仕事先、関連会社、取引先と誰ひとり感染者がでておらず沿線の学校では例年恒例のインフルエンザによる学級閉鎖もなかった。
昔、パソコンのウイルスソフトの会社がウイルスをばらまいていた事件がありました。遺伝子操作が容易な現在、ウイルスの変異株を毎年作り出せば製薬会社は半永久的にワクチンで稼げてしまう。
コロナの影響で昨年は書店閉鎖が続きネット注文、ダウンロードが当たり前に。電車の中高生がスマホでよくマンガを見ていたがいろんなサイトがある。最初の数話は無料で面白ければ1話単位や単行本を購入、定額でコミック・雑誌読み放題もある。コミック・ライトノベルはジャンルを選びませんが流行りでは異世界やゲームの世界に転生するといったものが多い。
異世界はだいたい中世ヨーロッパ風。亜人・獣人は人間に虐げられ奴隷にされることも多く、宗教が大きな力をもち陰謀を企むなど、人種差別とキリスト教の歴史が下敷きだからでしょう。
転生した主人公は領地開拓につとめ他種族も差別せず発展させていく日本人らしいストーリーが多い。農業に力を入れるのも特徴で多くの作品で輪栽式農業の導入が出てくる。ぼくが高校のときは三圃式(三圃制)は習ったけれど輪栽式は習った記憶がない。英国の産業革命期の囲い込みによる大規模農地が前提となる農法なので昔の教科書には載せにくかったのか、あるいは混合農業だったのかも。
最近おもしろいのがフランス革命期のもの。新潮社のコミック誌連載の「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」は地方のお針子がパリへ出て成功していく物語。
マリー・アントワネットの輿入れの様子から署名でのしくじり、毎日の公開着替えに公開食事、髪飾りの豪華さ、デュ・バリー夫人との対立などマンガならでのは表現力l。国王の愛妾が公式に認められていた時代ですが、英国王室のチャールズ皇太子は一応離婚というけじめをつけたのも時代の流れ。ちなみにコミック・ラノベでは王族の場合ほぼ100%王太子と表記。ネット辞典では出てこない比較的新しい表現かもしれません。
東洋経済オンラインには歴史家による考察があります。「女王」の跡継ぎはなぜチャールズ「皇太子」か。
https://toyokeizai.net/articles/-/310424
翻訳の問題として取り上げていますが、アンデルセンの「裸の王様」は原題を翻訳すれば「皇帝の新しい服」という意味になるという。
日本語の曖昧さなのか、日本政府としては英国国王がインド皇帝を兼ねていた時代からの呼称でいまさら変更もできないでしょう。
もうひとつはカドカワのコミック誌連載の「悪役令嬢に転生したはずがマリー・アントワネットでした」という作品。
転生といえば高校生が定番ですが近年は男ならプログラマーで過労死、女ならアラサー独身が多い。悪役令嬢とは下位貴族・平民をいじめ抜いた挙げ句、死刑・国外追放など不幸な運命が待受ける主人公のこと。過去の自分に生まれ戻る、あるいはゲーム内の人物に転生し断頭台・バッドエンドを回避するため努力するのが基本パターン。
なのでタイムスリップと転生を合わせたのはめずらしい。作者が担当さんにこんなマンガありませんかね、と言ったら、あなたが書けば?で生まれた作品という。
27歳の誕生日、母親から「結婚しろ」という電話にいらだち、酒に酔ってタンスにぶつかり置物のエッフェル塔が直撃し11歳のアントワネットに転生。フランス語とマナーの特訓を受け輿入れ。ドイツ語名マリア・アントニア、ラインの中洲での輿入れはストラスブール。最新話ではポーランド分割の話がでてくるので18世紀の歴史地図を見ながら読むとよりわかりやすい。
オーストリアのメルシー伯爵に世界情勢を説明されるも世界史赤点の主人公はさっぱりわからない。
内乱状態のポーランド・リトアニアをロシアとプロイセンが分割を画策。だが2国だと国際社会の外聞が悪い。そこでオーストリアにも分割に参加するよう打診されたという話。テレジアは反対だが長男ヨーゼフ2世は乗り気、しかしポーランドはフランスの友好国でもある。1930年代にもフランス大使の「アメリカが参戦するから大丈夫」との言葉を信じて分割されるのですからポーランドは気の毒といえば気の毒ですが政治センスがなかった。
結婚したとはいえまだ本当の夫婦ではない15歳のアントワネット、オーストリアが分割に参加しフランスとオーストリアの関係が悪化すれば離婚→同盟決裂→戦争も。このままではどちらの国からも戦犯認定されてしまうと危機感をいだき離婚回避のため夫ルイのもとへ押しかけたところで次々号へ。デュ・バリー夫人との仲直りで歴史改変は始まっているのでこれからどんなストーリーが展開するのやら。
ポーランド分割の背景など歴史書を読むよりマンガの数ページのほうがわかりやすかったくらいですが、欧州は第二次世界大戦までナポレオンもヒトラーも天下を
取れず戦国時代が続いていたと思えば現在は小休止か。イスラムが浸透しトルコは着々と軍備を増強、戦車の国産化にくわえアルメニア・アゼルバイジャン紛争では
アゼルバイジャンにイスラエルとともに自爆ドローンを供給している。トルコにとってイスラエルは友好国に近く、エルサレムよりもシリアにあるトルコの聖地の
ほうが重要かもしれない。シリアからほぼ真北に向かうとモスクワ。黒海にそそぐドン川とカスピ海にそそぐボルガ川の流域は千年前にはキエフ・モスクワ大公国とともにユダヤ教ハザール人の王国がありロシア人と争っていた。カスピ海はトルコ語とペルシャ語でハザール海というのはその名残。オスマン帝国内に多くのユダヤ人をかかえ、宰相などにユダヤ人を重用してきたトルコ人ならハザール・ユダヤが中枢を占めるイスラエルもよく理解できるのだろう。
ポーランド分割で勢力を拡張したロシアは領内にハザールの末裔たるユダヤ人をかかえたことにより、皇帝は暗殺、革命は起こされと散々な目にあう。元ソ連外交官が語ったという言葉がある。1993年の夏にかかれたもので、この外交官はのちにインドネシア大使、ASEAN大使となっている。
「ユダヤ人は過去の歴史の中に生きているといってもよいだろう。だからこそ、ユダヤ教徒ハザール人は、かつてロシア人がハザール王国を崩壊させたことをよく覚えている。そのためユダヤ人の中には、常にロシアに対する復讐の思いがある。
ロシアで革命を起こし、国家を転覆させることは、ユダヤ教徒ハザール人にとって最も重要な課題であった」
「最初の10月革命、これは明らかにユダヤ革命だった。そしてまた、2年前の1991年8月にあった革命も、ユダヤ革命であった。ロシア人たちはユダヤ革命はもう十分だと思っている。我らはもうこれに我慢できない。ロシアのユダヤ人たちは、ロシアにおいて悪質なことをやってきたし、今もやっている。しかし彼らはすでにやりすぎている。今後、ロシア人とユダヤ人との闘いは、もっと激しくなっていくにちがいない。やがてロシア人の解放運動が巻き起こるだろう。私(イワノフ)は固く信じている。〈後略〉」
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb500.html
ロシア人の解放運動はプーチンがオリガルヒを打倒しいちおう達成したものの、アメリカに巣食う東欧ユダヤの末裔がウクライナをけしかけ、左翼メディアは反ロシアを煽っていると見ることもできる。クリミア問題の本質もユダヤ対ロシアの闘いなのかもしれない。ユダヤ人にはポグロムの恨みもある。
ロシア革命で政権を取ったユダヤ人たちはすぐにシオニストと共産主義者が激しく争い外国からやってきた革命家はほとんど駆逐されたという。
ヒトラーのもとでシオニスト・ユダヤがナチスと協力しパレスチナへの移民船を運行し、アメリカではユダヤ移民反対で追い返したのはよく知られた事実。1950年代のイスラエルを描いた本にナチスの制服そっくりの右翼政党からスターリンの肖像画を掲げたロシア系のキブツまで出てくるのも納得。
ロシアとハザール・ユダヤの千年の遺恨、ハザール・ユダヤ人を韓国・朝鮮人に、ロシアを日本に置き換えてもまったく違和感がない。
歴史を理解するには百年・千年の時間が必要ですね。
(PB生、千葉)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月18日(日曜日)弐 通巻第6868号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日米共同声明に「台湾」を銘記したと大騒ぎをしているが
ウイグル、香港はあっても、チベットと南モンゴルは看過された
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2021年4月16日、ワシントン。日米首脳会談が開かれ、バイデン大統領と管首相はサシの会談も含めて長時間はなしあった。終了後に発表された日米共同声明は意外の長さ、かなり詳しい政策協調と外交方針が述べられている。
仔細に読むと「インド太平洋」というタームが頻度激しく出てくる上、後半はパンデミック、気候変動、サプライチェーン、東京五輪である。ミャンマー制裁は付け足しだ。
なによりも、「中国が唯一の(脅威)競合相手」と米国は記者会見をしているが、共同声明にはその表現はなく、尖閣諸島防衛に「安保条約第五条」が適用されることが再確認された。しかし、これはオバマ政権のときからの決まり文句、とくに新しい一歩ではないのではないか。
また次世代通信技術の6G開発に日米共同が明確に謳われ、52年ぶりに「台湾」の項目が挿入されて、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する」との文言が入った。日本のメディアは、これらのことで大騒ぎをした。
「中国からの挑戦にともに対応し、21世紀も民主主義国が競争に勝つことを証明する」。そのため「核を含む」との前置詞があって「あらゆる手段で日本を防衛する」。これに対応して日本は防衛力の増強を約束した。
また北朝鮮の核兵器への言及はあるが、南モンゴル、チベット問題はスルーされており、「ロシア」の軍事的脅威への言及がない。ロシアの「ロ」の字もないのである。レーガン、ブッシュ時代は「ソ連の脅威」が前面だったから、状況はホントに激変した。
台湾外交部は日米共同声明で「台湾周辺の安全保障に関心を寄せていることを悦ばしく思う」と歓迎声明、一方の中国は「強く不満を表明し、断固として反対する」とし、「香港、ウイグルは中国の内政問題であり、東シナ海、南シナ海は「中国の主権に関わる」と反発を繰り返した。
米国のメディアは驚くほど小さな扱いで保守系ワシントンタイムズですら「会議は一貫して全員がマスク」、日米同盟の重要性が確認された」程度の小さな記事。
欧州も小さな記事しかなく、フィリップ殿下の葬儀がトップニュースだ。シンガポールなども通信社電を転用しているのみ。
しかし台湾『自由時報』系のTAIPEI TIMESの社説を読むと、尖閣諸島は台湾領であると示唆し、日米共同声明への不満が柔らかく述べられている。
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(読者の声1) 過日放映された『宮崎正弘の生インタビュー』でゲストは直木賞作家の中村彰彦氏。テーマは時宜を得た「渋沢栄一」でした。
下記ユーチューブで公開されております。
https://www.youtube.com/watch?v=r17wlNot-d0&t=32s
(未来ネット)
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(読者の声2)日本のメディアはあまり重要視していませんが、フィリピンの排他的経済水域内のスプラトリー諸島海域で、中国の「漁船」がじつに44隻。長期間の停泊を続けている。
あまりの長期碇泊は、同海域を中国が実効支配を既成事実化される目的と認識しており、「反米、親中のドゥテルテ大統領」の微温的姿勢に閣僚たちが不満の声をあげた。
「天候は良好でそこに留まる理由はない。出ていけ」とロレンザーナ国防相は中国船を批判したと言います。
米国は、フィリピンを見限っているのでしょうか?
(SD生、神奈川県)
(宮崎正弘のコメント)水面下で米国はかなり動いています。台風被害のおりは空母まで派遣し、大量の物資を届ける「トモダチ作戦」を展開しました。日本の自衛隊も大規模に派遣されたことは記憶に新しいでしょう。
またクラーク基地周辺やスビック湾のまわりに暮らすアメリカ人が意外に多く、退役軍人が主流と言われますが、中国の動きを見張っているのでは?
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(読者の声3)「千田会」主催の宮崎正弘独演会は4月24日です。下記サイトに詳細の案内があります。
https://ameblo.jp/hosyuevents/entry-12662099747.html
(編集部)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月18日(日曜日)通巻第6867号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「トランプより対中国政策は強硬だ」とバイデン政権の作為的な演出
中国IT規制許可制は「大きな政府」の好きな民主党のジェスチャーか
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米国の世論調査をみると、中国は敵、もしくは友好国に非ずとして「経済的裨益を犠牲にしても中国には制裁を課せ」とする回答が90%を超えている。世論がワシントンの政策決定に与える影響力は甚大なものがある。
バイデンは親中派のチャンピオンだったが、アメリカ国民の世論の硬化を前にして中国と以前のズブズブ関係には戻れない。だからこそ、ジョン・ケリー気象担当特使を上海に派遣する一方で、台湾に非公式にアーミティジ元国務副長官らを派遣してバランスを取ることに腐心する。
バイデン政権は「情報漏れ阻止」を目的に、こんどは中国製のIT利用を許可制にするんだとか。最大450万社が規制の対象となるが、さすがに「大きな政府」が好きな人たちが思いつきそうな政策である。
そんな暇があったら、すでにバイデンになって国境警備を緩和したために米国に不法入国した18万人の不法移民をどうするのか。こちらのほうは人権優先だから、人種差別はあってはならないという綺麗事か。
具体的に米国はIT関連でファーウェイ、ZTE、ハイクビジョンなど五社の製品の政府調達を禁止してきた。また軍直結もしくは中国軍と関連の深い中国企業との取引を禁止してきた。商務省はそのために85社をブラックリストに掲載してきた。
これらトランプ前政権の対中強行策を上塗りするかたちで、中国製ITを利用するには、許可が必要という、およそ実現不可能なことを言い出した。
対象が450万社におよぶ。5G関連、カメラ、ドローン、パソコンなど米企業の多くはすでに中国製を使用している。
ソフトウエアやクラウドにも規制をかける。このために必要とされる費用は100億ドル(1兆900億円)。しょせん、絵に描いた餅に終わるだろう。
▲中国を締め上げるにもっとも効果的な方法は金融制裁である。
中国は真っ青になるだろうが、これをやられると相当ていどに困るのがウォール街である。
しかもウォール街は民主党への献金が巨額であり、GAFAと連携して株価高騰を愉しんでいるわけだから、バイデンは金融制裁に打って出られず、そこで、中国製IT利用許可制などと途方もなく些末なアイディアを思いついたのだろう。許可制とすれば、アメリカ人の家庭では多くが中国製のパソコンを使用しているのだから、実際に効果はゼロに近く、かえってマイナスにならないか。
中国の社債、株式に投棄している米欧系ファンドは数知れない。
およそ57兆円が中国の金融市場に注ぎ込まれ、これが破産寸前の中国経済を延命されている。くわえてペテン的な中国企業がウォール街に上場しており、この斡旋は米国証券会社が主幹事である。
したがって金融市場へ強い規制をかけることが、中国を干し挙げる最有力な最強手段なのである。
直近でも韓国や中国のペテンにやられた被害が続出している。
クレディスイス5000億円、野村證券2200億円、JPモルガン1000億円の被害は「アルケゴス」という韓国人経営の資産運用会社の投資失敗による。
アルケゴスに出資してきた欧米日のファンドが被った損害である。小誌でも問題にした「華融資産管理」のペテン同様に悪質だが、強欲資本主義の引き起こした自己責任の問題でもある。
そもそもアルケゴスなる不思議なファンド運用企業は3月24日にバイアコムCBS増資に反発しておきた株価急落に端を発しており、アルケゴスは追い証が出来ないことになって悲鳴を挙げたのだ。
緊急の電話会議ではJPモルガン、クレディスイス、UBS、野村證券にゴールドマンサックスが討議し、協調的対応が合意された。
ところがゴールドマンサックスが「裏切り」。関連株を売却していた。中国の事情に通じるゴールドマンサックスは、ウォール街の親中派の代表格である。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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(読者の声1)宮崎先生の配信されるメルマガを読むことが日課になっております。
扨て貴著新刊『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』(海竜社)を買いました! 面白そうなので! Amazon、ベストセラー1位だったんですね!
日本人も捨てたものじゃないな!とおもいます!
知の巨人といわれた渡部昇一先生がアルフレッド・ウォレスに深く共鳴してスピリチュアリズムを支持するようになったとの記載をみて、そうなのかぁと晩年の渡部昇一先生のお姿を想い出しました。
そして、『霊魂は不滅』であり、『魂が輪廻転生する』・・・。ふむ、70過ぎの爺はいつまでいきるかわかりませんが。やっぱり日々大切に生きなければと反省しきりです。
(MY生)
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(読者の声2)ロス在住で今昨年より帰国中の友人よりのアメリカのディジタル世界のすばらしさはワクチン接種にも通じ昨日も菅首相がバイデンに皮肉っぽく「ファイザー・ワクチン譲っても良いけど日本はきちんと配布できる体制作れるのかい?」と。
友人より下記あり・・・。
昨日、米国地元の Orange Countyから友人に催促のメールあり
「アプリでアクセスすればもう誰でもワクチン接種されますよ」と。アプリでアクセスすると 1. OCに住んでいるか2. 16歳以上か、だけの設問あり、住所を input すると、近くの接種場所が出てきて翌日の空いている時間がたくさん出てきて選べる仕組み」。
実質上、誰でも即接種可能と言う事。日本はアカンな。
河野太郎が担当で、うがった見方は河野潰しかもしれない。日本のディジカル化お粗末極まりない。まったくだめですな!
(奥山篤信)
□▽□◎○□□▽□◎○□▽□◎○□ アホかいな…
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月17日(土曜日)弐 通巻第6866号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アフガニスタンから米軍は撤退し、安全は「空白」となるが。。
中国軍が「平和維持部隊」を派遣へ
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やっぱりそうか、とうとう中国がでてくる。
9月11日をもって、米軍はアフガニスタンから撤退する。現在の駐屯は2500名。IS、タリバンは、じっとその時を待っている。自分たちの天下がくるからだ。
アフガニスタンは強桿な部族、英国が手を焼いて部隊を投入して全滅。つぎにロシアが手を出したら、酷い目にあってすごすごと引き揚げた。ウクライナ部隊だけでも15000名が死んだとされる。
米国がアフガニスタンへ出向くことになったのは911テロへの報復だった。やがて泥沼化し、二十年。逃げ時を考えていた。オバマは「良い戦争」と放言したが、トランプは断固撤収、その路線をバイデンが引き継ぐ。
さて問題は、アメリカの底意である。既報のように、アフガンに「タリバン+IS連合政権」が出来ると、かれらの標的は中国になる。動機は言うまでもない。イスラムの連帯である。地図をご覧あれ、「アフガン回廊」は中国のウイグル自治区に直結している。
中国は欧米の多国籍軍がアフガニスタン駐留を内心「歓迎」してきた。中国の安全保障が担保されるからだ。その間に、ISやアルカィーダ残党、そしてタリバンと連携するウイグル人を炙り出し、強制収容所をあちこちに造成し、世界から「ジェノサイド」と言われても平然と「予防戦争」を仕掛けてきたのだ。それが本質である。
アフガニスタンから米軍が去り、安全保障面で最大の不安に襲われるのは中国となる。
「平和維持部隊」と称する中国軍を投入するのは時間の問題となったのでは?
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(読者の声1) アメリカ人は物忘れがひどいのだろうか? 今頃になって共産主義の脅威を真剣に考え始めたのだろうか
「マッカーサー証言」 (May 3, 1951、米国上院軍事外交合同委員会)
General MacArthur. It is my own personal opinion that the greatest political mistake we made in a hundred years in the Pacific was in allowing the Communists to grow in power in China.
(和訳:「太平洋において米国が過去百年間に犯した最大の政治的過ちは共産主義者を中国において強大にさせたことだと私は考える。」(『東京裁判 日本の弁明』、小堀桂一郎編。562頁)
(IK生)
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(読者の声2)岡田英弘『世界史とは何か』には、漢族の人口は黄巾の乱の前の157年に、56486856人居たのが、乱後の230年代に500万足らずに減少したとあります。9割も減った。宮脇淳子氏は、二人で史料を丹念に計算したから間違いないとユーチュブで語っています。
ここで石平氏は5分の1とあります。大同小異ですが、これほど減っているのに、なぜ、三国志のようなエネルギッシュな世が展開するのか。これは、人頭税を下げるために周辺の豪族が過少申告したのか。三国志演義だからか。天下をとった西晋が、易姓革命思想によって、ねじまげて正史としたのか。
石平氏に会う機会がありましたら、聞いて下さい。
(斎藤周吾)
(宮崎正弘のコメント)古代の人口統計は不可能でしょう。古事記には崇神天皇のとき、「多くの国民」「大半の民が死んだ」とあって、五分の一、あるいは十分の一のヤマト王権周辺地域の民は疫病で犠牲になった、とありますし。
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(読者の声3)菅総理の訪米、無事到着しました。先週の衆議院外務委員会をネットで見ていたら結構面白い。
野党議員が茂木敏充外務大臣に質問。「(民主党時代の)岡田外務大臣は菅(カン)総理について行かれた。あなたはついて行くのか」
茂木外務大臣「私もカン総理だったら行ったかなぁ、スガ総理だったら大丈夫じゃないかなと」。場内には笑い声が広がる、そんな場面がありました。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
テレビ中継される予算委員会と違い立憲民主党議員でも変なパフォーマンスもなくまともな質問が多い。
経歴を見るとアメリカ留学あり、父親がトヨタで子供のころアメリカに住んだ経験あり、など多彩な顔ぶれ。RCEPの批准についても棚上げ、あるいは遅らせるべき、と野党らしからぬ発言など、自民党にいてもおかしくない質問ばかり。他の委員会も見たのですが概ね落ち着いたもの。蓮舫、辻元清美、白眞勲、福山哲郎など旧社民党議員と帰化議員がいかに立憲民主党のイメージダウンに貢献しているかがわかります。
辻元清美の地元高槻では街頭演説に誰ひとり振り向く者がいない。
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1373190731074920453/pu/vid/720x1280/tHpdMoH2Gmk8W15a.mp4?tag=12
自民党が解散総選挙で議席を減らしたとしても立憲民主党からかなり引き抜くことができそうです。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)後者の画像は高槻駅商店街あたりでしょうか? あの街は高山右近が統治し仏教寺院を破壊し、僧侶を殺害した地域でもあり、戦国時代はさぞ荒んでいたのでしょうね。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月17日(土曜日)通巻第6865号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~お笑いチャイナ経済。第一四半期のGDPが18・3%の飛躍だったとサ
中国大手「華融資産管理」の社債金利が2%から40%のジャンク債へ
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かねてから醜聞の絶えない華融資産管理(華融アセットマネジメント)の将来性を読んで、ゴールドマンサックスまでが株式に投資した。ムーディズは同社の社債格付けを「優」と認めA3の評価をしていた。
それがいまでは。借り入れが1623億ドル。社債金利が40%、格付け機関は「投資不適格」。同社は香港株式市場に上場しているが、株価は勿論暴落した。
この奇妙な管理会社は、四大国有銀行の不良債権処理のために設立され、西側の投資家は、欧米諸国と同様な債務処理が行われたら儲かると信じて投資したのだ。しかしシステムは最初から違った。
前会長の頼小民は自宅に札束が山積みで3トン。豪邸には妻妾同居。ほかにも愛人が百名、それぞれが子会社の役員としていた。懐にした賄賂は邦貨換算で285億円、殆どを豪遊と愛人のために遣っていたらしいのだが、逮捕されたとき「あのカネは一時的に保管していただけで、絶対に私用には遣っていない」とシラを切った。
天津裁判所は、2021年1月5日、この頼小民に死刑判決を言い渡した。賄賂があまりの巨額だから、見せしめの意味がある。
さて、この頼小民は金融界で言えば小役人あがりのチンピラ官僚である。
その程度の人物が何故、巨額の賄賂を受け取る立場となり、百人もの愛人を抱えることが出来たのか?
背後に大物の後ろ盾がいたに違いないが、裁判過程では隠蔽された。
一部の事情通は、華融の子会社に粛建華が出資したデータがあり、江沢民派との関連を云々している。
また重慶市の関連企業への巨額融資が発覚しており、失脚した薄煕来の後継となった孫政才が賄賂で逮捕された経過からも、その関連を繋げる。
孫は共青団の「希望の星」とされたが、この事件では誰も支援に動かなかった。その後、重慶市には習近平の幇間、陳敏爾が党委員会書記となった。
本当のことは闇の中、また愛人百名というのも、官製報道、悪の印象操作だろう。
こんなおりに中国国家統計局発表の2021年第一四半期のGDP伸びが18・3%だったそうな。お笑いである。国家統計局は嘘放送の殿堂である。
他方、同日のウォール街ダウ平均は空前の34035ドル99セントで終えた。
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(読者の声1) 福島の原発処理水の海洋放出にやっと目処がついたと思ったら、案の定バ韓国がイチャモンをつけてきた。
ネットの反応で面白いと思ったのが、韓国は自国原発の「汚染水」垂れ流しの責任を日本に押し付けるつもりで騒いでいるのだろう、という指摘。
韓国近海の水産物から放射能が検出されても日本に責任転嫁するための仕込みかもしれない。日本が嫌がることはとことんするのが韓国ですが日本政府も最近では相手にしていない。
次期大使として赴任した姜昌一が4月8日の認証式をドタキャンした件で外務省がどう対応するのか注目していましたが、結果は8日にアイスランド、12日にアルゼンチンとアルメニア、14日にブルガリアと英国大使を認証。英国大使は3月に着任、韓国は1月22日に押しかけ着任なので扱いの差は明白。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/po/page22_001327.html#section2
ソウルと釜山の市長選挙で敗退し死に体の文在寅政権が任命した姜昌一の扱いとしては次期大使のまま誰にも面会できず帰国していただくのが正しい躾け方なのでしょう。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)日本の在韓国大使も交替しました。前韓国大使から駐米大使となった冨田浩司氏は駐米公使、北米局長のあとイスラエル大使も歴任している。リベラルな民主党に強い人脈があるゆえの任命で、夫人は三島由紀夫の長女ですね。
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(読者の声) 通巻6857号(KM生)の?「ハイパー・ループ」等について(PB生、千葉)様が悲観的な意見を述べられていました。弁護として。
イロン・マスク氏とは、今世紀最大、いや人類史上最大の貢献者になる、という途轍もない評価を受けている。少年の様な無邪気な夢を現実の世界に実現してしまう。
近年、多くの自動車会社が試みられたが、全て失敗する中、テスラだけは、いきなり成功するのみならず、最高な車と専門家が評価する。最近のニュースでは他の自動運転がレーダーなどの高価な仕組みに依存しているが、テスラはカメラ8台のみ、それも五百円ぐらいの安物で十分「全自動運転」をすると言う。
ハイパー・ループは現在近距離のみであるが、アメリカと支那を結び、船による運送を、飛行機並みの速さで行う計画を始めている。
菅は独立した単線4本で、貨物用が2本、乗客用の2本、米国西海岸からアラスカを経由、殆どが地下であるため雪、氷、外気気象などの影響も受けずに、ベーリング海の下を渡りロシアを経由し支那に向かうそうだ。
これにより貨物船業界のみならず、航空機産業をも奪ってしまう。そんな荒唐無稽な。しかし、氏の計画は緻密であり現実化できないことには見向きもしない。
「ニューロ・リンク」と言う会社は打って変わって、脳内にチップを埋め込み、人間の知能を向上させると言う。最近の猿を使った実験では猿が考える・支持する・希望する脳波を解析し、その意図を実現する。一見すると、猿は超能力を使い、考えるだけで手を使わずに物を動かす猿に進化した様に見える。近未来には盲人に視力を与えると言う様な簡単な機能を開発すると。
「全自動運転」に関しては既にフロリダ州では政府の許可がおり、テスラが一人で運転手無しに目的地に走る、あるいは車庫から呼び出しに応じて迎えにくる。
今年中にもかなりの州で実現する。人間より安全であるため事故も怪我も減り、保険料も安くなる。やがてシートベルトやエア・バッグなども消える。
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月16日(金曜日)弐 通巻第6864号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~米インテリジェンスのトップ、上院に勢揃い。「中国の脅威は最大」
FBIが捜査中の2000件のスパイ案件で、中国人からみは13倍
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4月14日、15日の二日間にわたり、米国のインテリジェンス機関のトップが勢揃いして上院公聴会に臨んだ。出席は、
国家情報局長官のアブリル・ヘインズ(前副長官。女性)
CIA長官 ウィリアム・バーンズ(外交官出身)
FBI長官はクリス・レイ(続投、元司法次官補)
NSA長官はポール・ナカソネ(沖縄系アメリカ人三世。陸軍大将)
特筆すべきは、これら米国の情報機関が「中国が最大の脅威」との認定を合唱したことだ。トランプ政権ではFBIは敵対的だった。CIAはトランプ外交を阻害した経緯を振り返るとバイデン政権がどうやら中国脅威論に本格的に傾いたことが分かる。
まず証言に立ったのはアブリル・ヘインズ国家情報局長官で、「中国は近隣諸国への軍事的威嚇を続けており、南シナ海と台湾の主権を唱えている。ただし、留意するべきは経済、環境、そして人口動態であり、次の十年で中国のアキレス腱が露呈されるかもしれない」とした。
FBIのレイ長官は「米国のイノベーション、経済安全保障、民主主義にとって中国は最大の脅威である。FBIが捜査中の2000件のスパイ案件で、中国人がらみは13倍増えている。とくに在米中国人の不法入国者、中国系アメリカ人の動き。中国は「狐狩り作戦」を米国内で展開し、様々な手段をつかって、これらを代理人としている可能性が高い」。
CIAのバーンズ長官は具体的に「ファーウェイの5G優勢は軍事的脅威になる。宇宙、AI、コンピュータ企業、新材料などを狙っている。中国の権威主義的な脅威に適確に対応する」と発言した。
NSAのナカソネ長官は「ロシア、イラン、北朝鮮も脅威だが、民主と自由をこれほどまでに脅かす権威主義的な国家は第二次大戦後なかった」と述べた。
DIA(国防情報局)長官のロバート・アシュリーは発言が報じられていない。
ともかく諜報、防諜、秘密工作など米インテリジェンス機関、情報のトップが揃って中国の脅威を最大としたのだ。
この上院の年次報告公聴会にメディアが注目した。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) 通巻6857号(KM生)の投稿にあった鉄道衰退論ですが現実の問題点軽視と将来的な超楽観的展望では。まずご指摘は以下の2点。
(1) EV, 自動運転により、個人の運搬の質、値段が向上し、現在の公的運搬機関が太刀打ちできなくなる
(2) 「ハイパー・ループ」という新しい鉄道により、飛躍的に速度、値段共に、既存の鉄道を無効化する。
結論として、 1)については20~30年後くらいには可能かも、ただし戦争・紛争・大規模災害がなく電力供給に問題がなければ。 2)についてはほぼ不可能。
現在世界で鉄道重要が増大しているのは主に先進国での既存設備の更新と新興国での都市交通です。
衰退国の事例ではアメリカもイギリスも戦前から1950年代の古い設備をだましだまし使い続け立ち行かなくなりました。戦争被害がなかったことで設備更新されず、自動車と航空機の急速な発達で鉄道が顧みられなくなった。
イギリスは急速に改善していますがアメリカは道路インフラも傷んでおり正念場。日本のE5系やN700S系新幹線が最新設備のタワーマンションならアメリカの鉄道は換気扇もなく洗濯機も置けないのニューヨークの築100年の高層アパートかも。
アメリカでは石油・自動車産業によるロビーにより道路・空港建設に多額の補助がされたのに鉄道は長年無視された。反面、戦争被害が大きかった日本と西欧は設備更新が進みのちの高速化に役立つという皮肉な面もありましたがなんといっても新幹線の成功が大きかった。時代も高度成長期の追い風でした。
中規模都市が点在する欧州では都市中心部への自動車乗り入れ制限とともに路面電車が底床式LRTとなり復活。英国ではロンドンの地下鉄に冷房車両が導入されたのはロンドンオリンピック前 2010年の車両更新から。
冷房ユニットは三菱電機でした。2008年当時ユーロスターと並んで公開された日立製車両の活躍も後押ししたのか、いまや英国の長距離鉄道車両は日立がメインとなりつつある。日本でいえば複線電化が進み「こだま形」車両が全国を走り出した昭和30年代後半から50年代に一気に進んでいる状態です。
ロンドンからエジンバラまでの東線は線形がよく駅を出るとほぼ直線、ディーゼル時代から時速200キロ運転でした。運転席からの動画ではホームで待つ列車もすれ違う列車も日立の車両ばかりで驚きです。
東南アジアの都市鉄道ではマニラLRT1984年、シンガポール1987年、クアラルンプール1995年、バンコク1999年など。ハノイ・ホーチミンもまもなく開通。
バンコクは開業から数年はガラガラでしたが今や路線も伸びラッシュ時の混雑もすごい。雨の日の渋滞では信号1つ進むのに1時間も当たり前ですから電車の便利さを体験すれば利用客が増えるのも当然。歩くのが嫌いなタイ人も2004年の地下鉄開通以後は格段に歩きが速くなった。
渋滞での遅刻という言い訳もできなくなり、時間厳守という先進国ルールが自然に身につくようになる。バンコク都心部ではルンピニ公園に面して地上92階建て、高さ436.1mの高層ビル群(ワンバンコク)を建設中。鉄道需要が伸びることはあっても減ることはない。いずれ巨大地下街ができるかもしれない。
クアラルンプールも順調に路線を伸ばしていますが、マニラは将来需要予測を無視した小型車両による路線建設で慢性的に積み残し状態。
資金難だったとはいえワイロがなければ、もっと立派なものができていたかも。目先のことしか考えない国民性ゆえでしょうか。
ジャカルタの都市鉄道は2019年開業でしたが不合理な払い渋りで建設を受注した日本企業は赤字だったとか。
一方、国鉄が民営化したインドネシア通勤鉄道(KCI)では2000年以降日本製中古車両の導入を続け今や稼働車両1100両以上、とくに国鉄時代最後に設計され1985年(昭和60年)山手線に登場した205系電車は812両にも及ぶ。
JR東日本の協力もあり稼働率90%以上と驚くべき数値。ジャワ島中部のジョグジャカルタ~ソロ間も電化され205系が走る。あまり電子化されておらずインドネシアの整備技術水準にちょうどいい車両なのだという。
山手線を振出しに京葉線・横浜線・南武線・武蔵野線など巡って最後はジャカルタ。企業戦士の第二の人生に重なるものがあります。
https://toyokeizai.net/articles/-/300209
https://toyokeizai.net/articles/-/383766
http://krl.ldblog.jp/archives/28713119.html
つぎにハイパー・ループですが現時点では実現可能性は非常に低いと思われる。
イーロン・マスクは既存技術の組み合わせをあたかも新技術かのように夢を語り資金をかき集める天才といえるでしょう。
日本の磁気浮上鉄道の模型は1970年の大阪万博で見た記憶があります。川崎の東芝科学館にもありました。1960年代のSF漫画・アニメでは21世紀は高層ビルの間を透明チューブの道路が走りエアカーが飛ぶ夢の時代。
石油ショック前は超音速旅客機が今にも実現するかのような世論で自動車や鉄道でもジェットエンジン(ガスタービン)カーが試作された時代でした。
当時の夢で壁掛けテレビやパソコン・スマホのように現実化したものもありますが乗り物はむずかしい。
イーロン・マスクは構想を語るだけで研究開発は丸投げ、地上の減圧チューブの膨張問題は解決できるのか、減圧状態は維持できるのか、緊急時の乗客の安全性は確保できるのか。減圧チューブ内の車両に常圧でどうやって乗り込むのか。技術的課題だらけなのに研究が進んでいるという話も聞かない。
https://wired.jp/2018/11/16/elon-musk-hyperloop-boring/
常電導リニアの上海トランスラピッドは杭州への延伸計画がありましたが頓挫、愛知万博で建設されたリニモ(HSST)は他路線への売り込みも不調。性能がよくてもラッシュ時の混雑では浮上できず走行不能、多客期に対応できないのは致命的でした。
専用軌道で他路線へ乗り入れできないのもデメリット。
高性能でもデメリットゆえに導入されなかったものにドイツのシーネンツェッペリンというプロペラ推進列車があります。
1929年に開発され1931年には時速230kmを記録。韓国東亜日報の1931年の記事中の写真で見つけましたがスタイルはどう見ても新幹線。東海道新幹線の父ともいわれる島秀雄技師は1930年代に開発者に会いに行っており、のち開発者のクルッケンベルクは日本の新幹線開業をことのほか喜んだという。
飛行機由来といわれる新幹線0系のデザインですが、島秀雄によるシーネンツェッペリンへのオマージュと考えたほうが自然に思えます。
軽量化のためアルミボディにステンレスのパイプ椅子といった先進設計には驚かされますが、仮に実用化されても乗車定員の少なさなどコンコルド同様に運行停止の未来だったのかもしれません。
https://dnaimg.com/2011/09/13/the-rail-zeppelin-1929/title.jpg
https://dailynewsagency.com/2011/09/16/the-rail-zeppelin-1929/
https://www.youtube.com/watch?v=E-ID_ktSoLY
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)世界の鉄道史、とりわけ東南アジアの鉄道の現状と日本企業の関わり方が総攬できて、たいへん有益な御報告、有り難うございます。
とりわけ、ご紹介のあった下記のジョグ・ジャカルタから古都ソロへの鉄道の現状は興味深い。なぜならこの路線を三年ほど前に往復したからです。
http://krl.ldblog.jp/archives/28713119.html
わずか一時間の鉄路の旅でしたが、沿線風景ものどかで、楽しめました。ソロには古代仏教遺跡が有名ですが、小生は駅からクルマをチャーターして一時間弱のところにあるジャワ原人博物館をみに行きました。
ところで昨年、弊誌に連載した「中国新幹線乗りつくし」の単行本化ですが、コロナ禍で海外旅行に行けなくなるという環境変化で『地球の歩き方』が身売りしたように、予告より一年も遅れております。すでにゲラの責了はおわっており、タイミングを待つばかりなのですが、五月下旬から六月上旬には上梓に漕ぎ着けるかもしれません。タイトルは『暴走老人 中国全33省踏破』の予定ですが、これも市場動向を見て土壇場で変更になるかも知れません。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月16日(金曜日) 通巻第6863号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~クリス・ドッド元上院議員らが非公式に台湾訪問。「台湾関係法」42周年記念とか。 他方、ジョン・ケリー元国務長官は気象変動特使として、上海を公式訪問
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中国人民解放軍は13日に台湾領空侵犯、じつに25機。しかも六日間連続で台湾海峡で実弾演習を行った。14日の外交イベントの最中にも軍事的威嚇を続けた。
公式訪問は中国大陸へジョン・ケリー気象変動特使を遣わし、一方の台湾へは非公式訪問としてクリス・ドッドを「大統領の友人」としてプライベートジェットをチャーターするかたちで派遣した。それで「バランスをとった」んだとか。バイデン政権の姑息な手段全開といったところだろう。
日本の政治と同じように大物で議席をなくした人をいかに扱うか。中曽根に議員引退勧告をしたときの情景を思い出す。ワシントンも同じである。
ジョン・ケリーはベトナム従軍経験があり、この点で兵役体験のないクリントンやオバマは一目置かざるを得ず、オバマはヒラリーが醜聞でこけるや、ケリーを国務長官に就かせた。
クリス・ドッドは兵役を六年務め、退役後、コネチカット州から連邦下院議員(1975-81)、そして上院議員たるや1981年から2011年まで、合計36年の長きにわたってワシントン政界を渡り歩いたプロの政治屋である。
つまり長き議員生活で特権にたっぷりと浸かったという文脈でバイデン大統領とは大の仲良し。だから最初にアイルランド大使を打診されたが、御年76歳で寒いところは嫌トカ。ドッドは議員引退後もロビイストとして、ワシントンで顔を聞かせた。
ならば台湾へ特使的な派遣、台湾関係法から42年になるので、この際、蔡英文政権にも花を持たせよう。ただし非公式として、訪台団の附録にリチャード・アーミテージとジェイムズ・スタインバーグ(二人とも元国務副長官)ら。台湾ではアーミテージのほうが有名である。実際の交渉はアーミテージが主役だったようだ。
北京は台湾訪問を不快として「火遊びをするな」と批判したが、同日にケリーの公式訪問を控えて論潮は生ぬるかった。
ケリーは上海で楊潔ち(前外相)国務委員、王毅外相らと会見後、18日には韓国へ飛ぶ。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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発言一つで打ち首、一族滅亡になる中国史
死と背中合わせの大乱世を、実際はどう読むべきなのか
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石平『石平の新解読・三国志』(PHP研究所)
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小さいときから祖父に論語をならい、四書五経に通じ、孟子、老子、荘子を諳んじる石平氏は、じつは哲学専攻である。
日頃の猛烈果敢な中国共産党批判と本書は雰囲気がまるで異り、著者が中国古典に通暁しているからこそ、歴史解釈を講じだすと、従来の日本人の三国志観を変える弾力的なパワーを秘める。
考えてみれば日本人の感性における三国志とは、陳寿がフィクションとして創造した『三国志演義』である。
これを元に吉川英治も司馬遼太郎も、某某も小説を書いた。横山光輝は長い長い漫画にして圧倒的な読者を得た。
しかし、これは解読方法が間違っている。
実際の三国志では劉備元徳も諸葛孔明も「善人」としては描かれていない。曹操とて、悪人ではない。曹操は乱世の英雄であり、寧ろ智者であり、愚者ではない。これが中国人の歴史の捉え方である。
評者(宮崎)は講演などで質問されると、よく日中の将棋の比較をおこなう。
日本の将棋は捕虜駒をいかに有効かつ巧妙に遣うかで勝敗の分かれ目となる。中国将棋には捕虜駒がない。皆殺しだからである。
密告、讒言、讒訴、誣告など、暗いイメージを伴う語彙は、すべて中国古典からきた。日本は縄文時代まで、殺し合うという発想はなく、共同体は仲良く暮らしていたし、福祉システムがあった。
渡来人が兵器と戦争のやり方を日本にもたらした。人殺しが横行するようになるのが弥生時代からで、その典型の遺蹟『吉野ヶ里』をみると、二重の壕、軍事要塞のような建物、高床式のおくまった建物がシャーマンの居場所であって、縄文の典型遺蹟「三内丸山」と趣がまったく異なることに気がつかれるだろう。
三国志の時代はおよそ百年、人口は五分の一に激減するほどの殺戮合戦だった。「凄まじい殺し合いとあらゆる災いの横行する過酷な時代」だったが、「人は誰でも殺戮や身の滅びと背中合わせの日常を送っており、乱世を生き延びていくことは、すべての人々にとってまさに至難の業である」
だから未曽有の智恵が生まれたのだ。
こうした認識を元にして石平は従来的な解釈を超え、新たに「高平稜の変」を読み解くことから本書を始める。
さらに論を進めて「乱世」を賢者と愚者が、いかに生き延びたか、あるいは一族消滅となったか、「名君」と「賢臣」はいかなる智恵を発揮して、乱世を生き抜いたかを語る。久々に石平歴史講座を聴いた。
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(読者の声1) 菅総理の訪米。日本のマスメディアの多くは「バイデン大統領が最初に面談することになった相手が日本の総理となった。これはバイデン政権が日本を重視し、日米関係を更に発展させる意志の表われであり、最近の尖閣防衛に対するバイデンはじめ米国政府の前向きな発言もこのことを示している」
と言った調子です。15日の産経新聞では、元外交官M氏は今度の菅・バイデン会談を「『天の時』得た日米首脳会談」と最大級の言葉で佳きものとして評価しています。
でも私の理解は「アメリカは中国に武力で対抗するのはごめんだ。これからは日本は自分でやってくれと言い渡す」会談であり、その意図を菅総理に徹底理解させるのが「日本重視」の今回の会談の目的であると思っています。
それ故、アメリアは菅総理にNO!を言わせぬために「非常に丁重に」迎えてくれることでしょう。
要するに日米安保条約の最大のポイントである、「外国の日本への武力行為に対してはアメリカが武力で守る」という条約の要諦が形骸化へ向かい出す最初の具体的且つ顕著な兆候なのです。
果たして上記のような外交のプロと私のような素人の認識の何れが正しいか? 時の経過が示してくれましょう。
(SSA生)
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(読者の声2)銅のチャート
https://www.investing.com/commodities/copper-streaming-chart
銅はアフターコロナで急騰しています。銅の約50%はシナで使用されます。これを見る限り、シナは金融破綻寸前にもかかわらず、景気は良いようですね。
商品ETNのチャート
https://www.marketwatch.com/investing/fund/rji
このRJIという商品ETNは貴金属・商品・穀物・エネルギーに投資していますが、アフターコロナで上昇しています。
日本はハニー橋本以来のデフレですが、アフターコロナの商品価格は上昇しています。元々、自動車や時計や都心一等地など、「貧乏人デフレ・金持インフレ」でしたが、アフターコロナでは商品全般が上昇しているのが不気味です。
(Z生、逗子)
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(読者の声3)「台湾・世田谷交流バナー・台湾はどんな国?」展示のおしらせ
4月10日から22日まで世田谷文学館にて、台湾と日本の文学的な関係や野球を通じた交流などについての展示が行われています。
世田谷区は2019年1月に台湾の高雄市と文化交流に関する覚書を締結していて、「世田谷ジュニアオーケストラ」と「高雄市交響楽団附設青少年交響楽団」の交流音楽会を開催するなどの取り組みをしています。
今回は、台南にある国立台湾文学館と国立嘉儀大学の協力を得ての企画展示です。
台湾の歴史年表も丁寧にポイントを押さえてあり、文学に関しては戦前の佐藤春夫の台南訪問から最近の東山彰良、温又柔、吉田修一の『路』まで紹介されています。野球に関しての展示内容も多く、KANOのユニフォームの実物も展示されています。期間は短いのですが、ご興味のある方はどうぞ足をお運びください。
現在、他の展示は入れ替え中なので、このバナー展示だけですが、世田谷文学館の建物も素敵です。下記のURLとお知らせを参考にして下さい。
www.setabun.or.jp/news/38/
記
会場:世田谷文学館1F
期間:2021年4月10日((土))~4月22日(木)
時間:10:00~18:00
料金:無料
休館日:4月12日・19日(月曜日)
協力;国立台湾文学館、国立嘉儀大学
翻訳協力:黄愛玲(国立高雄科技大学外語学院副教授)
アクセス:京王線「芦花公園(ろかこうえん)」駅下車。徒歩5分
(台湾の声)
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(読者の声4)貴誌でしばしば問題視しているウイグル問題ですが、「MAG2」などのサイトでは「欧米諸国が中国共産党によるウイグル人へのジェノサイドを認定し抗議の声を上げ、名だたるアパレル関連企業が新疆綿の使用停止を決めています。しかし日本は、政府もユニクロを展開するファーストリテイリングなども懸念を示すか無言を貫くばかりです」として、その態度は「卑怯」という難詰の声があがっています。
嘗てユニクロの経営トップは小泉政権のおりの連続靖国参拝に対して「われわれのビジネスに差し控えるから靖国神社参拝をやめろ」と暴言を吐いたとか。
ユニクロはどうなるのでしょうか?
(DJ生、石岡市)
(宮崎正弘のコメント)H&Mやアディダスが不買運動に狼狽しています。ユニクロも何事かを発言すれば二の舞になりますから、じっと沈黙を続けるでしょうね。政府が懸念を表明している程度。日本の財界は腰抜けぶり、新聞も産経を除いて右に同じ。ユニクロだけを攻めるのは酷でしょう。
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(読者の声5)14日に生放送された桜チャンネル「フロントJAPAN」は宮崎正弘さんと葛城奈海さんとの組み合わせでしたが、宮崎さんが「歴史教科書に載らない,『もう一つの葬られた王朝」』として高志国を取り上げておられ、おどろきました。まったく知らないことばかりで、そんな王朝があったのか、ユーチューブを繰り返し見ました。
もうすこし詳しい情報が欲しいのですが、メルマガに書かれる予定はありますか?
(DF生、横浜市)
(宮崎正弘のコメント)新聞のコラムや雑誌にすこし書いてはおりますが、取材が未完のため、単行本は来年早々くらいでしょうか。しばらくお待ちください。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月15日(木曜日) 通巻第6862号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~バイデン、アフガニスタンから完全撤退を表明。トランプ路線を追認
アフガンは無政府状態、テロリストの天下になるが、米国の底意は?
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トランプ前政権ははやくからアフガニスタン撤退を表明していた。
200兆円を超える天文学的な戦費を注ぎ込み、一時は十万人ものアメリカ兵を派遣した。犠牲は3000名を超えたが、アフガニスタンに米国が描いたような秩序も平和も訪れなかった。壮大な無駄? 「投票箱」が民主主義と誤信する米国の野心的なアフガニスタン民主化は水泡と帰した。
オバマ政権後期から、駐屯する米軍兵力の規模縮小を行ってきたが、バイデン政権は、この撤退予定をいったんは白紙に戻した。4月時点で残留米軍は2500名となった。当初は五月一日までの撤収予定だった。
3月18日、オースチン国防長官はインドを訪問し、クアッドの共同軍事演習などの狭義を行った。その足でアフガニスタンを電撃訪問した。
4月13日、ホワイトハウスでバイデン大統領は正式にアフガニスタンからの完全撤退を表明した。911テロから二十年の記念日をひとつのメルクマールとするためだ。換言すれば、トランプ路線を継承する。発表前にバイデンはブッシュ元大統領、オバマ元大統領に電話し、撤退声明の段取りを伝えた。
さて米軍が撤退したあと、何が起こるか?
ガニ政権の基盤は首都カブールとその周辺にしか及んでおらず、各地にはテロリストを言われる武装集団が盤踞したまま。
タジク系、キルギス系、そしてヘクマチアル派に北部同盟の残党が武器を所有し、政府軍に攻撃を仕掛ける。撤退後、いずれ各派が武闘を繰り返し、無政府状態が出現するだろう。
しかし米国は戦略的要衝としてのアフガニスタンを重視しておらず、介入の動機は911テロに対しての報復。それが泥沼化したのだ。トランプは、この意義の薄いアフガニスタンへの介入を、国益には繋がらないと判断し撤退を唱えていた。反対していたのはペンタゴンと旧オバマ政権のブレーンらだった。オバマは「アフガニスタン戦争は『良い戦争だ』」と啖呵を切っていた。
注意深く事態の成り行きを見ているのはロシア。そしてISである。
ISがこのところ沈黙を守り、戦力を温存させてきたのは『米軍撤退後』に焦点を充てているからである。
なぜならアフガニスタンを軍事拠点とすれば、次に彼らが仕掛けるのは中国である。中国共産党の過酷なウイグル弾圧は、おなじチュルク系の民族的紐帯に重ねてイスラムの連帯である。
米軍の撤退で、軍事的脅威が目の前にくるのが中国だろう。
ウイグル自治区での収容所、言論弾圧と洗脳を西側は「ジェノサイド」として非難する。国際社会に孤立を深め、北京五輪ボイコットの合唱も日一日と大きくなってきた。
バイデンは米国の世論調査の民意の変化に沿って表向きの撤退を演じながら、裏ではむしろ対中国への武装集団の出撃基地となることを秘かに意図しているのではないかとの邪推も生まれる。
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(読者の声1)憲法記念日の公開フォーラムを開催。
民間憲法臨調と美しい日本の憲法をつくる国民の会共催で、「この憲法で国家の危機を乗り越えられるのか?──感染症・大地震・尖閣」と題してのフォーラムが開催されます。
記
とき 5月3日 午後二時
ところ 砂防会館別館一階ホール
http://www.sabo.or.jp/map.htm
登壇予定 (順不同、敬称略)
桜井よしこ、田久保忠衛、下村博文、山尾志桜里、中山義隆、西修、百地章他。
参加費 1000円(大学生以下は五百円)
オンライン生中継があります 「憲法国民の会」で検察
直接入場希望者は事前登録予約が必要です
FAX(03)5212-7201
https://kenpou1000.org/
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(読者の声2)皇統を守る会の講演会があります。「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」(葛城奈海会長)が主催です。
開催要項は下記の通りです。
記
とき 5月29日(土曜)午後一時
ところ 北区立「赤羽会館」四階ホール
https://www.akabanekaikan.jp/access/
講演 佐波優子(ジャーナリスト。キャスター)
「先人達が護ってきたものを受け継ぐ」
榊原智(産経新聞論説副委員長)
「皇位継承問題と日本政治」
会費 1500円(予約優先です。学生は五百円)
共催 皇統(父系男系)を護る国民連合の会
新しい歴史教科書をつくる会東京支部
連絡先 090-9244-2096(加藤幸太郎)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月14日(水曜日) 通巻第6861号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国CAC(サイバースペース監督管理局)が新規則
党史の否定、社会主義批判、指導者非難は許されない
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四月第二週、十九歳の大学生を拘束したと発表があった。拘束理由はネットに「日本の南京大虐殺は嘘では?」と書き込んだためとされた(多維新聞網、4月12日)。
CAC(中国サイバースペース監督管理局)は新規則に基づく措置とした。
ネット上で展開を許されない議論は(1)党史への疑義や批判をしてはならない(2)社会主義の優位性に疑問を抱くなり、体制の批判はしてはならない(3)共産党の指導者は英雄であり、また党の決定した政策は正しく、これらを批判することは許されない。
いずれも中国共産党が7月1日の党結成百周年大会を控えてのことだ。
他方、軍事演習、侵略の予行演習、台湾、日本、フィリピンへの領海、領空侵犯が頻度激しくなった。4月12日には台湾上空に中国空軍の領空侵犯は25機。東シナ海、南シナ海でも鵺的な軍事行動が目立つ。
米国務省が4月9日に台湾政府との接触制限を緩和する新ガイドラインを発表ばかりで、中国の行動は米台の接近に対して嫌がらせ表明とも取れる。
侵入機は「殲16」が14機、「殲10」が4機、爆撃機「轟6K」が4機、対潜哨戒機「運8」が2機などだった。
米軍は空母ルーズベルトを旗艦とする空母打撃群をフィリピン近海に投入し、フィリピンとの合同演習を展開した。フィリピンはこれを「バリカタン作戦」と命名し、2000名の兵士を動員した。
フィリピンのスカボロー岩礁などに中国艦船は居座りを続け、水陸両用タンクを駆使した上陸演習も行っている。
また4月7日には福建省南部において、人民解放軍第37集団軍が、台湾侵攻作戦の軍事演習(隠蔽浸透作戦)を行った。
最初にドローンを飛ばして索敵し、その背後へ回り込み、忍びより作戦よって「敵」を囲み殲滅するなどの作戦演習が行われたという。
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2223回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港105)
▽
南斉とは、南北朝時代(439~589年)に都を建康(現在の南京)に置いた短期政権(23年間)である。
北方(朔北)と南方(長江・黄河流域)が鋭く対立し、それぞれの有力勢力が覇権をめぐってグチャグチャに入り混じり群雄割拠した一種の疾風怒濤の時代である。
漢(前漢:前206~8年/後漢:25~220年)に象徴されるそれまでの中華帝国秩序が崩壊し、北方異民族を巻き込んだ文明のハイブリッド化と漢化が進み、プロレスのバトルロイヤルにも似た覇権争いの時代を経て、新たな中華帝国秩序に基づく隋・唐につながった。
精神文化的には北方の雄である北魏の拓跋氏を通じて浸透する仏教に対抗すべく、道教の体系化が試みられた時代でもある。
高校教科書のような雰囲気になってしまったが、『南齊書』の「出版説明」で注目したいのは「王命論を主に支えるのが仏教における因果応報説だ。仏教の道理が儒教と道教を超越しているとデッチあげている」との指摘だ。どうやら因果応報説を支える仏教は歴史唯物論とは相容れないし、「仏教の道理が儒教と道教を超越している」わけはないと主張したいのだろう。
『南齊書』の出版から11か月後の1972年12月に公表された儒家批判論文をキッカケに、後に批孔批林運動と呼ばれる四人組による周恩来批判運動が起こる一方、儒家を反動派・売国主義派と批判し、法家を革命派・愛国主義と讃える儒法闘争に発展していった。
いわば『南齊書』出版の段階では道教と共に「仏教の道理」なんぞに劣るわけがないと認められていた儒教が、1年ほどの後には完全に否定されてしまうのだ。
1年ほどの間に起こった中華伝統文化の大本たる儒教・儒家に対する評価の激変の背後に、やはり四人組の台頭などの政権をめぐる政治力学の変化が兆しているようにも思える。
『南齊書』出版から1か月後にニクソン訪中があり、その1か月後の1972年3月、隋に滅ぼされ、南朝最後の幕を引くことになる陳(557~589年)の歴史を綴った『陳書』が出版された。
『陳書』も「他の封建地主階級の史書と同じように、反動的な唯心主義歴史観に貫かれ、人民大衆の歴史うえの地位を抹殺し、地主階級の代表的人物の歴史上の働きを鼓吹している」と、内容的には『南齊書』の「出版説明」と大同小異である。
そこで正史をテコにして林彪の「天才論」を論駁しようとする意図が感じられないわけではない。
だが、出版へ向けての基本的な作業は文革が開始された1966年には完了し、1971年に再度訂正の後に出版に至ったと記されている点が気になる。
ここでフト、新亜研究所の先輩の言葉を思い出した。
一連の歴史書を買い込んでいた頃、「中国では全ての印刷物は簡体字、横組みになっていると日本で教えられた。倉石武四郎・東大教授は、中国では将来的に漢字が廃されローマ字綴りになると力説している。事実、倉石教授の中国語教科書は全部がローマ字綴りで、漢字は見当たらない」と話すと、彼は「日本人は単純が過ぎる」と呆れ顔。
彼は「たしかに出版物は簡体字で横組みだ。だが、数千年前から共産党政権成立までの記録は全て繁体字で縦組みだ。簡体字しか知らなかったら、漢字で記された古代からの精神文化遺産は学べない。じつは共産党政権は極めて優秀な人文系の頭脳を選び、彼らを政治運動にはタッチさせず、ひたすら古典を学ばせていると聞いている。そうでなければ、こんな時代に二十四史なんぞを連続的に出版できるか。考えたら分かりそうなものだ。いいか何度でも言う。日本人は単純が過ぎる。動脳筋(あたまをはたらかせろ)!」と。
大陸の青壮年全体に銃を持たせるほどの工業力はないと教えてくれたのも、この先輩。「共産党=簡体字=伝統文化否定」との連想ゲーム的な「即断」は単純にすぎる。
♪
(読者の声1)先般の貴誌にあった書評の、高倉健さんの妹さんの句集(森敏子『飛花落花』、文学の森)ですが、なかなかの俳人ですね。切れ味の良いナイフをもち、かつ、短歌的な抒情もそなえていますね。
少し緩い句もありますが、それは気にするほどではないと思います。自選三句もよいのですが、
「あを/\と月を曳きゆく飛花落花
「細く細く手に裂く手紙秋の暮
「美男なる死神来ませ二十日月
などのほうが、好ましく感じられます。兄高倉健への追悼句集、短歌でいえば「挽歌」。二人は気質が似ていたようですね。
(HN生、新潟)
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(読者の声2)日本文化チャンネル・桜からのおしらせです。本日(14日)のニュース解説番組「Front ジャパン」は生放送です。午前1100から一時間ほど。ホストは葛城奈海さん、ゲストは宮崎正弘さんでお送りします。
後刻、ユーチューブでもご覧になれます。
(チャンネル桜)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月13日(火曜日)弐 通巻第6860号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「認知戦争」という新しいタームをご存じですか?
マインドコントロール応用、相手国民の認知を根底からひっくり返す。
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「認知戦争」(COGNITIVE WARFARE)という新しいターム。國際政治学上の語彙は豪のシンクタンクに集ったエミリー・ビエンヴニュ、ザック・ロジャース、そしてシアン・トロースらによって最初に提議された。
エミリー・ビエンベニュー女史は豪防衛科学技術グループのシニア・アナリスト。彼女の研究は戦略的資源としての信頼、戦争の性質の変化、紛争よりレベルが下の競合状況も含む。ザック・ロジャースは、米国・アジア政策研究センターの上級研究員。南オーストラリア州フリンダース大学ビジネス、政府、法律大学で博士号取得。シアン・トラウスはフリンダース大学で博士号を取得、「複合戦闘戦略応答」「複雑な人間システムのモデリング」研究に取り組む。専門分野は国際関係論、信頼理論、外交政策等。
脳科学と防衛とサイバーを結びつけた国防理論であるところが新しい。
この「認知戦争」を、台湾の軍事研究のシンクタンクがすぐに応用し、中国は台湾に対して、認知戦争を行っているが、これは「明日の戦争」の先駆となり、戦場は陸・海・空、宇宙からサイバー空間へ移行していると分析した。
簡潔に言えば、相手の心理、良心、感受性に影響を与える。「マインドを乗っ取れ」という戦法である。
認知戦争という語彙を駆使した最初の米国軍人はデビッド・ゴールドフェイン将軍(米国空軍)で、「消耗戦争から認知戦争への移行」と述べて、注目された。
通常兵器の消耗戦から、効果重視の作戦へ移行させ、明日の戦争を支えるのは、デジタル化され、ネットワーク化されたインフラをベースとする。
これに沿ってインテリジェンス、監視、偵察、電子戦争、心理作戦、サイバー作戦を総合して情報をコントロールする。米軍の考えることは総合的でシステマティックである。
米国ならびに盟国はハイテクを防衛し、知財を擁護する政策に転じているが、かえって敵対国家の軍事戦略の方向性の転換、敵に学習の機会を提供したと言えなくもない。なにしろ孫子以来、中国は「戦わずに勝つ」ことに戦略的文化の中枢があり、心理戦の優劣が勝敗を決めるという戦争の本質を理解している。
▲中国の「超限戦」とロシアの「ハイブリッド戦争」は同質のカテゴリー
従来の戦場での優位性、その実践経験の蓄積があり、米国と同盟国は兵器、そのシステムに改良を重ねた。インターネットとはそもそも米軍の通信網から発展したではないか。
宇宙衛星による敵情報のモニターもスパコンによる解析も圧倒的に米国が有利だった。それも昨日までの話である。
西側によって考案され、商業部門に転用され民生活用され、あげくはGAFAの興隆であり、その中国の亜流(ファーウェイ、テンセント、パイドゥ、アリババ)が世界市場を席巻した。
こうしてネットワークによるデジタル時代の技術は、摸倣的想像力が豊かな敵対者への戦略的贈り物に化けた。まことに皮肉である。
「認知戦争」は広範な文脈での「情報戦」。狭義に捉えると情報操作である。
つまりマインドコントロールの応用で、相手国民の認知を根底からひっくり返す。COGNTIVEはCOGNITION(認識)の形容詞だ。
2016年の大統領選でトランプが勝利した時、「ロシアが介入した。フェイクニュースを流した」と左翼が騒ぎ、民主党は弾劾騒ぎに持ち込んだが、これぞロシアが企図したアメリカの分断である。
米国はまんまとロシアの仕掛けた認知戦争に引っかかったのだ。
中国の唱える「超限戦」とロシアの「ハイブリッド戦争」は同質のカテゴリーに捉えてよいのではないか。
廣瀬陽子『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代新書)はこう定義する。
「政治的目的を達成するために軍事的脅迫とそれ以外のさまざまな手段、つまり、正規戦、非正規戦が組み合わされた戦争の手法である。いわゆる軍事的な先頭に加え、政治、経済、外交、プロパガンダを含む情報、心理戦などのツールの他、テロや犯罪行為なども公式、非公式に組み合わされて展開される。ハイブリッド戦争は、2013年11月の抗議行動に端を発するウクライナ危機でロシアが行使したものとして注目されるようになった」
その年の二月に参謀総長だったゲラシモフが「新しい戦争の形態や方法を再考すべきだとしたうえで、21世紀の戦争のルールは大幅に変更され、政治的、戦略的目標の達成のためには、非軍事敵手段は、特定の場合には軍事力行使と比較してはるかに有効であることが証明されていると主張し」ていた。
廣瀬陽子教授に従えば、プーチンの手法はハイブリッド戦争である。これは言葉を換えて言えば、プーチンが仕掛けていたのは「認知戦争」だったのだ。
人間の認知、情報を如何に捉え直し、理解するかを変える。情報を変えるのでない。相手の認知の捉え方を変えてしまう。いかなる情報に対しても、正しい判断をしにくくなる。
▲目の前にあるものを操作してしまうと人間の意思決定サイクルは狂う
専門家のジェイムズ齋藤氏は「トカナ」というサイト(2021年2月23日)のなかで次のように発言している。
「ロシアが仕掛けたのは情報空間の二極化を加速させたということです。ロシアの認知戦には「反射的コントロール(reflexive control)」というものがあって、
簡単に言いますと、人間の認知を徹底的に分析し、相手の意思決定サイクルに入り込むものです。このサイクルはウーダループ(OODAループ)と呼ばれるものが
代表的で、少し説明すると人間には「観察(Observe)、方向付け(Orient)、決心(Decide)、実行(Act)」の流れを繰り返すループがあって、客観現実=目で見たもので意思決定をするということがわかっています。逆に言えば、目の前にあるものを操作してしまうと人間の意思決定サイクルは狂っていくんです。ロシアはこのウーダループに介入して、自分たちが意図した方向に意思決定サイクルを狂わせたんです。
情報操作を深化させて洗脳の域にまで達しているということです。昔から行われている情報操作は敵国内のプロパガンダだったんですが、いまは世界がソーシャルメディアでつながっていますよね。つながっているということはいつでもあなたの目の前にロシア、中国が介入できるということになります」。
さて日本はハッカー対策がやっとこさ軌道に乗りつつある段階、左翼の情報操作は日常茶飯、認知戦争には対応さえ取れない状態ではないのか。
ところで「朗報」がひとつ。
中国の公安部サイバーセキュリティ対策室の前責任者(元陝西省副省長)のリュウ・シンユ(音訳不明)が、「不適切は業務逸脱」として過去一年間捜査を受けていたが、さきごろ「腐敗行為」があったとして逮捕されという(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、2021年4月12日)。
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(読者の声1)府中の大國魂神社について、貴誌前号に投稿がありました。投書氏は、府中に住まれて十数年になるにもかかわらず、この大国魂神社がオオクニヌシノミコトを祀る由緒正しい古社であることをご存知なかったようです。
実は、小生も府中競馬場へ散歩に行った際、初めてこの神社を見て、なぜこんなところにこれほど立派な神社があるのか、恥ずかしながら、理解できませんでした。
しかし府中は律令時代に武蔵国の国府が置かれた地であることを知って、あらためて納得した次第でした。
私も幼少期を過ごした地(大阪・奈良)などを歩いていて、改めて、今まであまり注目しなかった神社の存在に気がつくことがしばしばです。人間とは視力を有していても、関心(認識眼)を持って見なければ、真の姿は見えていないものだということを思い知らされるときです。
平泉澄氏は「かくて歴史は、自国の歴史に於いて、我れ自らその歴史の中より生れたる祖国の歴史に於いて、初めて真の歴史となり得るものである事は、今や明らかであらう。我が意志によりて組織し、我が全人格に於いて之を認識し、我が行を通して把捉するが如きは、祖国の歴史にあらずんば、即ち不可能である。祖国の歴史にして始めて古人と今人との連鎖、統一は完全である」
と述べておられます。
その皇国史観の当否についての議論は措くとして、こうした叙述に接すると、もう余生いくばくもなくなってきた自分ですが、速やかに関西帰還を果たし、関西(特に、我が故郷である大阪・奈良)の地を巡りながら過ごしたいという想いがつのってきます。
(椿本祐弘)
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(読者の声2)通巻第6858号で DF生様は「『鬼滅の刃』とナショナリズムの復権等、神話復活現象の解析、現象の分析をしてほしいと思います。」と投稿されました。
私は通巻6848号で「最近の日本のポリティカルコレクトネスやジェンダーと称する『異様な』報道を見るに、彼等はそもそも文化の本質を理解せぬばかりか、むしろ否定し、人類が生きていることの本源的実感を体現できる『人生』を奪っている「非人道的且つ罪深い行為」であることに気づいていない」と書きました。
先週は発刊されたばかりの「ナショナリズムの美徳」(ヨラム・ハゾニー著 東洋経済)を店頭でみつけました。この本を読んでDF生様のご関心の方向性や私の
考え方をうまく説明しているなと感心しました。同書の解説者の中野剛志・施光恒氏は「・・・トランプ政権の外交政策の基盤とされ、再三引用されたのが本書
だった。
また、政治ジャーナリストのダニエル・ルーバン氏も、ネオコンや新自由主義に代わる新しい保守主義の潮流の中心的人物として、ハゾニー氏をあげ、本書を
『右派知識人のマニフェスト』の位置にあるものだと論じている。同氏はまた、欧州のいわゆるポピュリスムの指導者にも影響を与えていると示唆している。
・・・新しい保守主義の潮流とは、新白由主義(市場原理主義)に基づくグローバリゼーションの猛威から、国(ネイション)や地域社会の伝統や文化、庶民の生活を守ろうとするものだ。これは、ナショナリズムと親和性が高い。グローバリゼーションから人々の生活を保護するため、国民国家の役割を重視するからである。米国におけるトランプ大統領の登場や英国のEU離脱、あるいはフランスの『黄色いベスト運動』など反グローバリズムの動向の背後にある思想だとも言える」
と解説しておられます。
しかし、私は天皇の継続性の「担保」論議を「ジェンダー」から行うのは誤りであり、「国家の存続性の要件に資する重要性」から主張されるべき問題であると考えるのですが、むしろそのための「理論的・学問的説明」を同書から得ることができたような気がいたします。
(SSA生)
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(読者の声3)4月24日(土)午後は、宮崎正弘先生独演会『WORLD RESET 2022』です。
当会の毎年恒例企画、日本有数の中国ウォッチャーの宮崎先生が語り続けます。
※会場はとしま区民センター(池袋)になります
皆様のご来場をお待ちしております。
FAX 0866-92-3551、E-Mail morale_meeting@yahoo.co.jp
記
【日時】 令和3年4月24日(土)14時30分~16時30分(開場:14時)
【会場】 としま区民センター7階会議室701~703 豊島区東池袋1-20-10
(JR・メトロ・西武池袋・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩4分)
【講師】宮崎正弘(みやざきまさひろ)先生 作家・評論家
http://miyazaki.xii.jp
【参加費】事前申込:2000円、当日申込:2000円、事前申込の大学生:1000円
(高校生以下は無料)
【申込先】 4月23日21時迄にメール又はFAXにて下記で受付(当日受付も可)
FAX:0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主催】千田会 https://sendakai.wixsite.com/home
【後援】新しい歴史教科書をつくる会 岡山県支部
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(読者の声4)「食にうるさい中国人は大学や工場の食堂、高速鉄道の車内販売にいつも文句を言っている。2012年と少し古いですが、社員食堂に超大型の調理場を設置し自炊OKにしたら離職率がダウン」という記事。
http://gahalog.2chblog.jp/archives/52114755.html
https://www.narinari.com/Nd/20120718478.html
制服姿の従業員はサンダル履き、中華鍋を振るう姿に笑えますが、昔の支那兵は鍋を背負って行軍していたという話を思い出しました。中国人のたくましさを感じさせますね。
シナは不景気で高失業率だという話がふっとんじゃいますね。今年は例外なのでしょうか。
ところで、いまは大手企業が脆弱化し、ネット関連の数々のスタートアップ企業の時代です。銀行の支店は20-30%は消滅するでしょうし、ほとんどの窓口業務はすべてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)化されるでしょう。一方、ソフトバンクやユニクロは大企業です。
スガノミクスでDX政策をやっていますが、マイナンバーの浸透率はいまだ28%です(マイナポイントやっても)。巨大人口のインドやシナは100%。この危機的状況のなかで、要はスガノミクスは10年後に消滅するジェネレーションを黙殺すると宣言したようなものです。
私のジェネレーションはPC98時代ですが、ラッキーにも、ITリタラシーなんて要は知ってるか、知らないかだけと喝破しています。今の若者世代なんて怖くありません。
逆に、宮崎先生他のような深い教養・発想・情報が欲しいです。が、これには時間がかかります。パワースポット行けるところはできるだけ宮崎本を片手に行ってみたい。
(Z生、逗子)
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(読者の声5)貨幣の誕生、について。科学・技術の分野では「事実・現実」を無視するわけにはいかず、絶えず嘘の理論が淘汰される。文化系では、経済学、金融論なども含めて、嘘の理論が多く、現実と乖離していても、長い間真理として信じられてしまう。日銀のチンプンカンプンな説明、予想、言い訳、などは「日銀文学」と呼ばれ、信者に伝えるお経のようなは響きがある。FRB, ECBも同様。
リチャード・ワーナー氏は「円の支配者・虚構の終焉」2001年、の著者で、世界の最大銀行の20社全部が日本の銀行であった頃、日本に来て、当時世界で最大、最悪のバブルを現地で観察、解析そして指南したが、無視されたという経歴を持っている。
97%の貨幣は文字どうり「無」から、銀行の貸し出し、によって製造され、3%が中央銀行による、と「実験」により確かめた、という。そのようにして誕生した「おかね」がどう使われるかが問題で、それが1。投資・投機に使われれば、土地、株などの値段が上がり、2。消費に使われれば、商品の値段が上がる。現在、消費によるインフレが既に始まっており、一年後あたりから超インフレになる可能性がある、と予想。
3。お金が企業、それも中小企業の生産設備投資に使われると、経済・生産性の効率が上がり国が富む。そのような投資は地元の小さな親身な銀行が行う。大手の銀行は興味がない。全世界で、全ての企業・銀行の「統合」が進み、その結果、国家にとって大切な、優れた中小企業・銀行が潰されている、と警告。
つまり、逆の進化、退化。尤もな話で、大手の企業は、例えばNHK、朝日の様な、無益、有害な寄生虫的な存在になる。
参考動画;https://www.youtube.com/watch?v=u8j51XZegsk
(KM生)
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(読者の声6)4月7日、中国外務相・趙立堅報道官は、「植民地主義、人種差別、動乱輸出、外国干渉、ダブルスタンダードが米国を5つの罪だ」
よって人民裁判にかけたという。これからは、トランプなどの一部ではなく、全米に対する対決姿勢を鮮明にしたという。
中国は、人民の半分が死んでも恐れない。アメリカは一人が死んでも恐れる。これをみても、勝敗は明らかである。新冷戦どころか、第三次、いや、大惨事世界大戦が始まるかもしれない。
中国の終わりの始まりではあるが、東京や大阪にもミサイルが飛んで来るだろう。
(斎藤周吾)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月13日(火曜日) 通巻第6859号
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<< 読書特集 >>
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的場光昭『現代語で読む蝦夷島奇観 ──アイヌ絵文献』(展転社)
渡邉 望『西部邁 ──「非行保守」の思想家』(論創社)
伊勢雅臣『この国の希望のかたち』(グッドブックス)
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~渡来人が日本に戦争のやり方を運んできた
縄文社会は争いが少なく、共同体は豊かな社会だった
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伊勢雅臣『この国の希望のかたち』(グッドブックス)
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コロナ禍で日本のアキレス腱が露わになった。
一等鋭角的に出来した不手際な事態を象徴するのは日本の危機管理態勢がなっていなかったことだろう。
旧内務省のように、全体を有事に即座に統括し、強大な権限をもつ部署が不在だった。
対照的に戦前の日本のシステムを応用した台湾は、もっとも被害の少ない国となった。じつは日本のお陰である。
日本に「希望」が残っているとすれば、それは何か。誰もが興味津々のテーマである。
伊勢氏の捉え方はまず人口減少は怖れに足らずという。
むしろ第一産業の救済が重要であり、グローバル化、都市集中、環境破壊という近代物質文明は限界に来ていると説く。
第一次産業とは農業、漁業、林業である。この分野の再生にこそ日本復活の道があると強調され、コロナ禍をチャンスととらえて日本をリセットする道筋を明示される。
それには縄文以来の日本の特性を活かし、人口適正化、地方分散、農水産業の再生による、人間らしい、持続可能な発展の在り方を本書は考察していくのである。
レヴィー・ストロースは、日本の古代を「独自の文明」とし、「世界の五代文明の一つ」として日本の知識人を吃驚させたが、ほかの四大文明はインダス、メソポタミア、黄河、エジプト。これらの文明は皆、共通して砂漠となり、滅んだ。木々の乱伐は保水力を弱めるから、土壌が失われるのだ。
「滅ばなかった」文明が日本で、理由は縄文時代に溯る必要がある。
日本の宗教の根源は磐倉信仰、つまり巨岩、巨木に神が宿るとする神社の始源的な姿で、仏教という異教が渡来人によってもたらされると蘇我氏と物部氏との凄絶な政争が発展し、神社に鳥居が立ち、拝殿のほかに本殿も設えるようになったが、根源的な信仰のすがたは三内丸山縄文遺蹟に代表されるような巨木を活用した建物にある。
縄文文明は自然との調和、共同体が基礎にあって、持続可能な文明だった。農業も自然と共生するやり方だった。戦争はなく、土器が多用され、食生活は創造を超えるほどに豊だった。
ほかの四大文明は自然を敵視した。キリスト教は「自然は敵だ」と言っているように、自然破壊をもたらしたために滅びた。持続可能ではなかったのだ。
日本文明の根源を考える本である。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~西部邁が「保守思想家」という評価はおかしくないか
反米に「疾走しはじめた」西部の奇妙な論理的人生を分析
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渡邉望『西部邁 ──「非行保守」の思想家』(論創社)
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「西部邁の素顔はエピソードのなかにある」と著者の渡邉望氏は比喩する。
まず著者が行った作業は西部氏の写真を探し回ることからだったというのは、何とも独自的、特異的なアプローチだ。
新刊がでるたびに購入してきた氏は「西部邁の世界本質はおそらく活字の中にはないんだ」という確信にいたる。
つまり朝まで生テレビなど「常連の聴取=オーディアンスを形成し、演技の世界に近いものを生む。俳優とオーディアンスの間の共同世界」である。
したがって「西部邁の熱烈な崇拝者──それは殆ど彼の思想を理解することとは無縁なほどの崇拝をする人々──に出会い、西部邁という人物の存在感の奥底さに驚くことがよくある。彼らは西部の思想に心酔しているのではない。思想をこえた西部の実存のエピソードに惚れぬいているのだ」。
なんと適確は表現だろう。そうした、読書を通じないで傾斜した西部ファンが夥しくいたことを評者(宮崎)は何度も目撃したことだった。
ところで、評者はテレビを見ないので以下のエピソードを知らなかった。
それは『見せ物ディスカッション』という朝生番組だった由で、大島渚、野坂昭如、猪瀬直樹、小田実らをばっさばっさと論理的に破砕していったそうな。
まさに西部は左翼出身だったゆえに『冴え渡る左翼批判』で注目された。だから、西部は「非行保守」という、類例の少ない思想家と評価されることとなった。
かれが何故「保守」なのか、何回も首を傾げて経験がある。
評者のように氏のテレビ番組を見たことはなくとも、氏が主宰するテレビ番組には数回招かれて出演したことがある。また一緒に呑んだことは数十回、カラオケに行ったことも数限りなく、あとで分かったことだが、評者と歌うときは「桜井の別れ」。ところが人によって演歌だったり、唱歌だったり、選択を変えていた。
記憶といえば愉しい語らいであって、侃々諤々はなかった。西部さんは「会話の名手」だった。
評者はむしろ西部氏の奥さんとの人生の回想『Mとわたし』など一連の小説風の思い出話に、しっとりとして演歌的な情緒があふれ出していて、ある時「西部さんは小説家になったほうが良かったのでは」と言ったことがある。西部氏はニヤリと笑って、それ以上のことは語らなかった。
そしてある時から西部氏はアメリカをして、「国際秩序の確立者」から「敵国」へ評価をかえ、「最大の反アメリカ主義知識人として言論界で表現を発信し始める」(137p)のである。
そのほとんどに賛同出来ないとする渡邉氏は、「しかしその性急に変化したアメリカ論が、逆に西部の人生の意味を解読する手がかりとしては興味深い」として、第三章を展開している。
つまり「西部さんの保守主義理論は、途中から、奇妙なほどの疾走を始める」(246p)のだが、その謎の解明が本書の主題である。
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〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「アイヌ先住民」という左翼の虚説を完全に否定しつつ
蝦夷地の歴史を歴史文献からやさしく紐解いた労作である
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的場光昭『現代語で読む蝦夷島奇観 ──アイヌ絵文献』(展転社)
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貴重な文献であり、労作である。
眼目は「アイヌ先住民」という虚説の否定にある。
いったい誰が言い出したのか、アイヌが日本人の先住民族だとか、考古学と歴史学では完全に否定されているが、これを標榜することで利権としている人々がいる。それも北海道には夥しいのだ。
本書はアイヌの習俗を根拠として論理を展開し、アイヌの先住民族説を完膚無きまでに粉砕している。
文身(入れ墨)の習慣があって、文字を知らないうえ、食習慣も異なった。衣裳から厠まで。絵が残っている。祈祷のやり方。病気。祭礼、婚姻。酒造、踊り。漁労のやり方。ラッコ乱獲から穴居跡と、総合的にその文化と伝統を比較すれば、アイヌは、縄文文明が開いた蝦夷地へ十二、三世紀頃に漂着し、棲み着いた経緯がのみこめる。一方、源日本人といえる縄文人が北海道へやって来たのは二万四千年ほど前である。
江戸幕府はアイヌ民族を保護していたことも鮮明となった。
この本は村上島之丞(1760-1808)が残した『蝦夷島奇観』の現代語訳で、不明箇所を補完し、中学生にも分かるようにやさしい解説を施した。
原書にはいくつかの写本があるらしいが、国立博物館が公開しているデータ画像を基本としている。また日本書紀、続日本紀、吾妻鏡とも比較しつつ、さらには新井白石の「蝦夷志」にも言及し、欠字、意味を補足した本格的な論考である。
『日本書紀』神武天皇即位前紀に「又高尾張邑に土蜘蛛あり、その為人、身短くして手足長し、侏儒と相類足り」となっていて、註の箇所に高尾張は「葛城」と推定している点に注目し、著者はこう言う。
「この説明は非常に重要な内容を含んでいる。北海道には旧石器時代から縄文・続縄文そして擦文文化人およびオホーツク文化人の遺蹟遺物が諸所にみられる。しかしアイヌ文化に関する古い遺蹟は殆ど見られない」(52p)。
「アイヌは自然を敬い平和に暮らす民族であると盛んに宣伝されているが、著者が子供のころの北海道地図には多くのアイヌ同士の古戦場跡がしるされていた。よく知られ記録に残っているものとしては、宝暦九(1759)年、根室半島ノシャップのアイヌが宗谷アイヌを攻撃して、六十四人を殺し、二百余名を負傷させてものが有名である」(149p)。
「ロシア バイカル湖の畔ウラン・ウデより樺太から北海道に渡った旧石器人(縄文人)は大雪山を経由して今から約一万年前帯広に定住の居を構えた。十勝に移り住んだ縄文人は日高山脈を越えて西に移動し函館から青森(三内丸山遺跡)で大集落を形成し、さらに南下していった。一方、ロシア沿海州から南下した縄文人は高句麗に定住した(183p)。
この後者の場合、評者は「縄文人」ではなく、「シベリアから南下した旧石器人」と書いたほうが分かりやすいと思うが。。。)。
「中国人の土地の爆買いが問題になっている北海道で、アイヌを利用しての土地の爆買いや勝手な林道や河川改修が十勝の幌尻岳の麓で行われている。(中略)経営者は中国済南生まれで取材に対して天皇陛下を罵っていた」(182p)。
北海道各地に縄文遺跡があり、東北とならんで間もなく世界遺産に登録される。その日本の歴史の始まりの場所が、外国人に乗っ取られる。
様々な記述から深刻な現状が浮かび上がってきた。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)前号でも話題となった先生の「鬼滅の刃」論ですが、新刊の『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』(海竜社)にワンチャプターが割かれています。
この本は女性に売れるかと、なにしろ霊気溢れるパワー・スポットへの旅行記ですから御朱印帳をもって神社巡りをしているのは大半が女性です。ところが、この新刊は男性でも読める、というより男性向けの精神論でした。
友人達にも進めております。
(JD生、京都府)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月12日(月曜日) 通巻第6858号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アリババ、独禁法違反に問われ史上空前の罰金だが
その次に待つ運命は分社化、金融業からの撤退だろう
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4月10日、中国国家市場監督管理総局はアリババが「独占禁止法に違反した」とか、虚説とりまぜた言いがかりを元に180億元(3200億円)の罰金を科した。
昨年12月にアリババ本社を手入れし、捜査の結果、アリババへの通販出店業者が他のプラットフォームに出店することを禁止した等が独禁法違反であり、こうした商慣習によって通販市場での支配的地位を乱用してきたとした。
しかしこれほど唐突な解釈変更という、恣意的で、理不尽な裁定って、ありか?
中国において電子商取引(EC)のユーザーは十億人近い。その取引総額は34兆8100億元(約541兆円)である。これまでは偽札に気を取られてきたがゆえに中国では電子マネーが急速に発展した。往時、流通する紙幣の20%が偽札と言われ、日本製の偽札発券機が、レストラン、ホテルにあった。
筆者など、よく偽札を掴まされると満員のバス、混み合うスーパーなどで使用した。偽札は日常茶飯だから、受け取った方も、すぐにほかの混み合う場所で使う。いってみればババ抜きのババだった。
スマホによる支払いは迅速に中国の支払いシステムを変貌させた。喫茶店からタクシーまで。スーパーの買い物もECが常識である。
アリババ傘下の「庶民銀行」(アント集団)は、ネット上の架空の銀行であり、至便なので中国の国有銀行の存在を根本的に脅かし、さらには中国政府が推進するデジタル人民元の脅威となる。
経済の一元的支配を担うのが中国共産党の全体主義体制であり、アリババのやり方を指をくわえて見ている筈はなかった。
「アント集団」はスマホ決済「支付宝(アリペイ)」の運営で急成長したうえ、ネット上で金融ローン、資産運用、信用情報など新分野を開拓し、瞬く間に全土を席巻、そして2020年11月5日に上海と香港の証券取引所へダブル上場を予定していた。
この新規株式公開(IPO)で空前の340億ドル(約3兆6000億円)の資金が調達されることになっており、あらかたの購買希望者は予約金も支払い済みだったのである。しかも多くの予約者は江沢民に連なる人々、アンチ習近平の金持ち達であり、アントの最大株主は江沢民の息子だという。
中国共産党は、これを党への脅威と受け取った。
もっと正確に言えば習近平への敵対勢力の金儲けと認識したのであり、アリババならびに傘下の「銀行」が、通販流通で巨大な存在となって国有百貨店を脅かしたばかり、国有銀行への最大の脅威となった。
そこで、習近平政権は独占禁止法の適用と恣意的な「行政指導」を思いついた。
次に待つ運命はアリババの分社化と、金融業からの撤退だろう。すなわちアントの事業は、実現が困難となってとみるべきであろう。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2222回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港104)
▽
毛沢東が自らの暴力革命理論の要諦を「槍杆子(てっぽう)から政権が生まれる」と表現していることは夙に知られているが、じつは毛沢東が「槍杆子」と同等に、あるいはそれ以上に重要視し、巧妙・縦横無尽に使ったのが「筆杆子(ペン)」、つまりメディアによるイメージ戦略である。
権力の甘い汁に引き寄せられた最高の頭脳は、権力の狙いのままの役割を果たす。
文字を知る相手には膨大な文書を紡ぎ出し、膨大な古典から片言隻語を選び出し巧妙に組み合わせながら、政敵の頭上に「紙の爆弾」の絨毯爆撃のように浴びせ掛ける。一方、文字を知らない圧倒的多数には演芸(芝居、お笑い、歌など)という娯楽をテコに洗脳工作を展開する。娯楽=教育=洗脳というカラクリである。
かくして文革とは一面では毛沢東の意を受けた、あるいは忖度した筆杆子が八面六臂の大活躍をしたハデな舞台でもあったのだ。
この伝統は現在にも続く。TVニュースなどに登場する共産党政権の公式見解を発表する男女の「報道官」の振る舞いなど、まさにそれだ。
以下、筆杆子による攻撃的で空虚で牽強付会な、いわば鼻白むようなリクツ(=ほぼヘリクツ)が続くことになるが、筆杆子が得意とする常套手法を知るうえからも、暫しの忍耐をお願いする。
なお、原文でゴチックで強調されている部分には下線を引いておいた。
というわけで、各々の正史が出版された時間を追って「出版説明」の狙いを探ってみたい。先ずは『周書』(71年11月出版)である。
「搾取階級は歴史編纂に当たり必然的に歴史を転倒させようとする。とどのつまり彼らは、搾取階級の中の『高貴な人物』を歴史の主宰者とする一方で、逆に歴史を真に創造する人民大衆をカスと見なしてしまう」。
王朝の歴史を公式に書き留める官僚である「封建史官は反動的な英雄史観、反動的な『天命論』を大いに宣揚し、人民が創造した歴史を帝王やら宰相の歴史に作り変えてしまう」。
だからこそ今、「我われは毛主席の『人民、人民こそが世界の歴史を創造する原動力である』との偉大なる導きに従って、〔中略〕歴史の本来の姿を取り戻さなければならない」。
まだまだ延々とヘリクツが続くが、要するに生まれながらの「天才」はいないと言いたいわけだろう。つまり林彪の説く「天才論」を歴史の上から否定しようと狙った。歴史学の立場から反天才論を打ち出そうとした。だが、『周書』が出版される2か月以前に林彪が自らコケてしまった。想定外の椿事であっただろう。
要するに中国においては、歴史学という学問は筆杆子が跳梁跋扈する権力闘争の修羅場と理解すべきなのだ。中国における学問とは、古来、そのような性質を色濃く帯びていた。学問とは権力と密接不可分なもの。おそらく、これまでも。そして、これからも。
『南齊書』が出版された1972年1月は、林彪夫妻のモンゴルにおける「不審死」から4か月後、ニクソン訪中の1か月前に当たる。
「『南齊書』は歴史唯心主義を訴える。英雄史観と宿命論を繋ぎ、王命論の観点を宣揚する。〔中略〕王命論を主に支えるのが仏教における因果応報説だ。仏教の道理が儒教と道教を超越しているとデッチあげている。〔中略〕『階級闘争とは、ある階級が勝利し、ある階級が消滅すうことだ。これが歴史であり、これこそが数千年の文明史である。このような視点で歴史を解釈することが歴史的唯物主義であり、このような視点の反対に位置するものが歴史的唯心主義だ』と、毛主席は我われ教え導く。
『南齊書』は歴史的唯心主義によって歴史の真の姿を転倒させてはいるが、いま我われは歴史的唯物主義の視点から再吟味するなら、南斉時代の階級闘争の状況を見定めることができる」。饒舌難癖・無理圧状!
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)小生は府中に住んで十数年になるのですが、駅前の大国魂神社がオオクニヌシノミコトを祀る由緒正しい古社であることを貴著を読むまで知りませんでした。古事記は神話が冒頭の三分の一ですが、その神話の世界が、現実に目の前にあり、貴著によれば、そこもパワースポットとか。
土曜日は天気も良く、そよ風に誘われるように初めて参拝したのですが、じつに爽やかな体験でした。また神社の左手には国府跡があって巨木のレプリカが林立しており、これも初めて気がつきました。
ともかく貴書の『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』(海竜社)を片手に、先ずは近いところからと、次に走水の我妻神社、そして秩父の三峯神社をまわる計画を立てております。
いまから参拝が愉しみ、霊験で聖域体験が出来ることを念じております。
(FH生、府中)
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(読者の声2)貴誌6857号で(KM生)氏が「ハイパー・ループ」という新しい鉄道により、飛躍的に速度、値段共に、既存の鉄道を無効化する、と投稿されています。
既に何十年も前の大昔の話しになりますが、エアーシューターと言い、所帯の大きな会社の中には直径15センチくらいの減圧パイプが水道管のように各部署に張り巡らせてありまして、カプセルに社内のメッセージを入れて、この減圧パイプの中を猛スピードでカプセルが行き来し、社内間の「連絡」ができるようになっていました。
書類などを別部門にいちいち持ち運びしなくて済むようにするためです。
ですから当時から、「むき出し」で地上を超高速で走る新幹線のように事故を起こしたら大事になる鉄道よりも具合のよさそうなエアーシューターのような鉄道がありうるのに・・・と私は思っていましたし、そのパイプを鉄やコンクリートでつくらずとも、透明な化学製品で創れば日本の石油化学会社は喜ぶだろうに、と思っていました。
つまりマスク氏のアイディアを知った時も、別に驚きはしませんでした。それよりも問題はなぜこのような「簡単で、有益」な運送手段が「技術立国」の日本の技術者の間で提起され開発に向かわなかったのかと云う事だとおもいます。
(SSA生)
(宮崎正弘のコメント)とくにホテルのレストランの勘定をフロントに送るのがエアーシューターでしたね。名門おオオクラもニューオータニも一時期は、その速さ、ほかのホテルではレストランのマネジャーがフロントへ走って持っていったものでした(笑)。
いまパソコンが繋がり、マネジャー達が走る必要がなくなりました。
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(読者の声3)オースチン米国防長官が11日にイスラエルを訪問し、冷却化していた米国・イスラエル関係の改善に意欲を示したようですが、バイデン政権発足から、三ヶ月して、ですね。よほど両国関係は冷え切ったのでは?
(BD生、横浜)
(宮崎正弘のコメント)ガンツ国防相の第一声は「われわれはフルパートナーだ」。つまり、そう言わざると得ないということでしょう。バイデン嫌いのネタニヤフ首相とは翌日に面談予定。イスラエルは猛烈に米国のイランとの核合意交渉再開に腹を立てていますから。
そしてイランの核施設で大がかりな配線事故。イランは「テロ」と言っていますが、タイミング的になにがしかのイスラエルの秘密工作の臭いがします。
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(読者の声4)二ケ月ほど前の『正論』で、宮崎さんが「『鬼滅の刃』とナショナリズムの復権」を論じておられ、先日読み返したのですが、こういう神話復活現象の解析、つぎは1億冊を突破した『巨人の進撃』現象の分析をしてほしいと思います。
(DF生、水戸市)
(宮崎正弘のコメント)『巨人の進撃』という題名から読売ジャイアンツの長島、王、松井選手らの物語だろうと連想していたのですが、あに図らんや、これはSFホラー漫画ですね。ハリウッド映画にも類似の作品があったように思います。
ところで、巨人と言えば、あの阪神ファンに囲まれた関西にあって、数学者の岡潔先生が巨人ファンだったこと、フト思い出しました。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月11日(日曜日) 通巻第6857号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~バイデン政権の国防予算は7150億ドル
中国に対抗する艦船と実現可能な原子力の現代化に焦点
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中国は世界一の演算速度を豪語した「神威 太湖之光」に代弁されるスーパーコンピュータを誇る。スパコンの演算速度はパソコンの百万倍、日本には富士通の「富岳」などがあるものの気象衛星など民生用である。
日本と米国と中国が、このスパコンの演算の速さを競うが、中国と米国の関心事は、暗号解読など戦争での速度を争うポイントにある。
たとえばミサイルが発射された場合、発射位置、時刻、その方位、ミサイルの種類、性能などから、落下地点を直ちに予測する。そのためにはスパコンの演算速度が重要であり、米、中はそうした解釈に基づく開発だ。
米商務省は中国のスパコン企業である「天津飛騰信息技術」など七社を対象に禁輸措置を発表した。レモンド商務長官は兵器開発にはスパコンが不可欠であるとしたうえで、「全ての権限を使い、米国の技術が中国の軍備近代化に使われることを防ぐ」と声明した。
バイデン大統領は、最初の予算策定にあたり、焦点の国防予算を7150億ドルとする意向を固めた。04%の減額だが、膨大な予算であることに変わりはなく議会に反対の声は聞こえない。骨子は中国に対抗する米国海軍の艦船の充実ならびに実現可能な原子力の現代化である。
国防予算は削減が予測されたが、トランプの拡大路線を踏襲し、同時に中国への外交、国防路線では前政権を踏襲する姿勢が鮮明になった。それもこれも、アメリカ国民の対中国感情が極度に悪化しており、親中派のバイデンといえども、世論の動向には逆らえないからだろう。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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(読者の声1)貴誌6856号で(PB生、千葉)氏が日本の鉄道の輸出の話をされていました。かつて日本で花形であった石炭産業が衰退したように、米国における鉄道は飛行機、自動車が生まれる前の時代が全盛期であり、以後毎年確実に衰退しており、時折、膨大な政治の資金援助を受け、莫大な赤字、かろうじて生き延びているというのが現状。
シアトル近郊を結ぶ新しい鉄道を作ったが、なんと朝3本、昼間はお休み、夕方3本、というような嘘のような時刻表。
何故、鉄道がこれから急速に衰退するか。
1) EV, 自動運転により、個人の運搬の質、値段が向上し、現在の公的運搬機関が太刀打ちできなくなる
2) 「ハイパー・ループ」という新しい鉄道により、飛躍的に速度、値段共に、既存の鉄道を無効化する。
テスラのマスク氏が、遊び心で開発し、特許も取らずその仕組みを公開しているので、世界中でその実験、実施が始まっている。高速の鉄道、飛行機も同様に、強い空気の抵抗が 問題。そこで、ジェットが1万メートル以上の真空に近いところでのみ飛行可能であるように、管の中の空気を抜いて車両を飛ばすと、外気、雪、雨、風などの影響も受けず、音速以上の速さも可能など。
この管は地上の高架でも、地下鉄にしても構わない。マスク氏は、「ボアリング・カンパニー」という地下に管を通す、という建設会社も始めており、管の中にはEV車であっても、車両であってもいい。大都市圏の車の渋滞の解決になる。管の断面積がかなり小さいので、非常に早くこのトンネルを掘削・施工でき、つまり安くできる。現状では1日に3キロできるという。
マスク氏の方針はいつも同じで、とにかく劇的に安く、しかも最高の品質にする。NASAが50年間、如何にも官僚的に毎年何も改良せずに、予算だけは減らず同じことをしてきた。氏の「SPACE・X」社は、既にロケット打ち上げ費を半分にし、さらに1/10を1/1000 にすると計画している。
その理由は、なんと「火星を100万人の移民が住める場所にする」ためだそうだ。夢のような話だが、本人は極めて本気で、多くの科学者・技術者が嬉々として賛同してやっている。夢、大義こそが心を動かす。 長者番付の多くの資産家が、デジタルの世界で活躍し富を得ているのに対照的に、氏は日本の特技「ものずくり」で世界1になった。
(KM生)
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