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箱根駅伝2025 往路振り返り

箱根駅伝2025が終わりなにか喪失感が半端ないです。
全国の駅伝ファンの皆さんがそのような状態なのではないでしょうか。
箱根駅伝2025今年も様々なドラマがありました。

往路と復路の振り返りをそれぞれしていきたいと思います。
また、有料版にはなりますが今後青学、駒澤、國學院の箱根駅伝を振り返った記事も載せる予定ですのでぜひチェックしてもらえると嬉しいです。

それでは早速見ていきましょう。


箱根駅伝1区ハイライト

中央大学吉居駿恭の飛び出し

1月2日午前8時大手町を出発した21人のランナー
今年はスローペースになると予想していたが、驚いたことにスタート後訳36秒ほどで中央の吉居駿恭が飛び出した。

1区区間記録を持つ兄大和と同じような飛び出しで誰も付いてこず一人旅となった。
最初の5キロを13分56とかなりハイペースで突っ込んだ。
後続との差はあっという間に開いた。

後続は東洋の小林を先頭に集団を形成していたがペースが上がらずどんどん差が開いた。
兄大和が飛び出した98回大会はこの2位集団もハイペースで動いていたが
今大会はそれもなく見る見るうちに差が開いた。
これは中央大学としてはいい意味で想定外だった。

駒澤と青学は想定内、國學院は想定外か

優勝候補の3強は駒澤は帰山、青学は宇田川、國學院は野中を1区に配置した。
帰山はスピードランナーで5000mを13分30秒台で走る。
上尾ハーフでは1時間1分台で走ったことから1区に抜擢。
宇田川は1500を主戦場とするが箱根経験もあり長い距離にも対応できるスピードランナーだ。昨年10区を走ったことから逆走ではあるが同じコースを経験している。

この二人からすると中央との差は想定以上に開いてしまったとは思うがラスト勝負に持っていける理想の展開。

國學院は当初予定していた嘉数が6区予定の後村のケガの影響から6区に回り復路予定だった野中を1区配置した形になった。
正直1区は青木を配置し4区に辻原7区に野中を置くほうがいいのではと心の中にはあったが、青学4区の太田を考え青木に4区に配置したと前田監督は話していた。
野中は出雲全日本で区間賞を取り、逆転ののろしを上げた立役者だ。
正直1区の配置は驚きを隠せなかったが、良い経験になっただろう。
とはいえ、1区に野中を配置したならなおさら飛び出した吉居駿恭についていき駒澤青学との差を開きたかったのが本音でもある。

駿恭は独走で区間賞 2位以降はスパート勝負で混戦状態

中央の吉居は後半ペースは落ち区間新までは届かなかったものの歴代4位の記録で区間賞を獲得。
2位以下と1分30秒以上の差をつけたのは想定以上の差をつけた。

2位以下は大混戦となった。
最後の最後にスパートをしかけ駒澤の帰山が区間2位
全日本大学駅伝で1区区間賞を取った日体大の平島は区間3位となった。
國學院の野中は区間7位、青学宇田川は途中離されかけたが最後巻き返し区間10位と耐えた。

※スポーツ報知参照


箱根駅伝2区ハイライト

早稲田山口のハイペース エティーリのごぼう抜き 黒田失速⁉

先頭中央の溜池は後続との差もあり快調に飛ばしていく。
早稲田の山口がハイペースで押していき、駒澤のいや学生界のエース篠原を抜き去り単独2位となった。

その後方東京国際大学のエティーリが一気に集団を抜き去り10人抜きで4位に上がると、横浜駅付近で駒澤の篠原を捕まえた。
そこから篠原とエティーリの並走が始まる。

昨年2区で区間賞を取った青山学院大学の黒田が10位でもらったタスキを12位まで下げる走りとなった。
心配の声もある中黒田は冷静だった。
2区は最初飛ばしすぎると権田坂に最後の3キロの戸塚の壁が待っている。
得意の登りで勝負をするためにも最初10キロは周りのハイペースに合わせず自分のペースで走り続けた。

山口の失速 黒田の反撃開始

早稲田山口がエティーリと並走した篠原に抜かれ、かなり苦しい表情になった。その後ろの集団にはマラソン学生記録を持つ國學院の大エース平林にハーフ学生歴代2位の中央学院吉田に提供の山中など各大学のエースがそろっていたがそこにも吸収された。

そして青山学院の黒田の反撃が権田坂から始まった。
多くの選手がアップダウンでやられている中黒田はすいすいと前を追い上げ
ついに國學院の平林そして駒澤の篠原も20キロ過ぎにとらえた。

吉田響が戸塚の神になった

中央溜池は安定的な走りで1時間6分39秒区間9位でタスキをつなぎ首位を死守した。
2位には東京国際大学のエティーリが1時間5分31秒の区間新記録
3位に青山学院の黒田が1時間5分44秒これまた区間新
そしてその黒田よりも早いタイムで走ったのが創価大学の吉田響だった。
吉田響と言えば山の神になりたい男として有名だったが、今年は山区間ではなく2区にエントリーされた。チームのために走った2区は得意の登りでどんどん差を縮め1時間5分43秒と日本人歴代1位の記録で走り切った。

篠原は1時間6分14秒で区間4位。このタイムで4位は怖すぎる。
注目されていた國學院平林は1時間6分38秒だった。

國學院としてはここで前に出たかったが、逆に青学、駒澤と差を開いてしまう結果になった。

※スポーツ報知参照

箱根駅伝3区ハイライト

ハイペースの本間と山本、ペースが上がらない鶴川と谷中

先頭でもらった中央の本間は序盤からハイペースで突っ込んだ。
國學院の山本も親友平林からもらったタスキをつけ、快調に飛ばし駒澤のルーキー谷中の背中を捉えた。
その谷中は期待のルーキーとして3区抜擢したが12月に背中を痛めたこともあり練習を抜くなどもあったが本人の強い希望と駒澤の時期エースとして3区を託したが中々ペースが上がらない。

そして青学の鶴川もペースが上がり切らなかった。
出雲全日本と持ち前のスピードで区間賞を獲得した鶴川だが予想ではあっという間に東京国際を抜き去り前を追うと思っていたが中々追いつかず、やっと追いついたと思いきや創価のムチーニに抜かれた。

中央本間が歴代4位の好記録 早稲田山口が速すぎた

中央の本間が快調に飛ばしている後方で、早稲田のこちらも期待のルーキー山口も激走をしていた。
前半つっこんでいた國學院の山本がペースを落とし山口に抜かれると、その山口は駒澤の谷中の背中を捉えた。

最後はルーキー同士のスパート勝負になり谷中が意地のスパートを魅せた。
谷中は区間6位で最低限の仕事をした。
早稲田の山口は区間3位でタイムも歴代1年生で2位の成績だった。

中央の本間はタイムがえぐすぎた。
歴代4位の記録で昨年の佐藤圭汰の記録にも迫る、とてつもないタイムで走り切った。

※スポーツ報知参照

箱根駅伝4区ハイライト

箱根を愛し箱根に愛された男のラストラン

箱根駅伝で圧倒的な成績を残してきた青山学院大学の太田。
彼は箱根になると力の120%以上の力を出し切ることができ、これまで駅伝ファンに衝撃を与えてきた。
これまでは見える位置にターゲットがおりそのランナーに追いつき並び引っ張ってもらいながら最後スパートで勝つというのがお決まりのパターンだったが今年は展開が違った。

太田は単独走を余儀なくされた。
しかし、早いうちに創価大学の野沢を捉え抜き去ると、中央大学まで45秒に迫る走りを魅せた。
区間賞はもちろんのこと区間日本人歴代1位の記録で走り切った。
最後まで箱根を愛し、箱根に愛された駅伝男だった。

駒澤の桑田の快走、國學院青木の追い上げ、東洋の意地

駒澤は3区谷中に続き4区もルーキーの桑田に託した。ルーキーが大事な往路2区間走るのは駒澤にとっても優勝候補のチームにとっても珍しいことではないだろうか。
桑田は全日本の2区で失速しチームに迷惑をかけた借りを返したいという思いで走っていた。
結果は区間4位だったが、区間1年生記録では1区で区間賞を取った吉居駿恭の記録を更新し1位の記録で走った。

青木は区間2位、太田が走るということで1区ではなく4区に配置された期待の3年生だが太田とは45秒の差をつけられた。
前半飛ばし中盤で少し苦しくなったが後半再度ペースを上げたのはさすがの走りだった。

そしてもう一人たたえたいのが東洋の岸本だ。
悪い流れを断ち切り区間3位の激走。
最終的に東洋がシード取れたのは岸本のおかげだ。昨年10区で区間賞を取った男はやはり強かった。

※スポーツ報知参照

箱根駅伝5区ハイライト

若の神と山の探偵の激走

青山学院大学の若の神こと若林は区間新で駆け抜けた。大学で競技を引退するということで実質ラストランだった。
若林のピッチ走法は本当に早かった。
登りに適しているなという印象だった。山の神になりたくて青山学院に入学し、若の神になった。

宮ノ下の急な登坂で中央の園木を抜き先頭に立ちそのまま1分以上の差をつけた激走を魅せた。

そして早稲田大学の山の探偵工藤は國學院を捉えると、駒澤の山川まで抜き去った。
その後創価も抜き3位でゴール。タイムも9分31と昨年の若林よりも早いタイムで登り切った2年生。まだ2年生だからこそ来年再来年と今回の若林のタイムの更新も期待できそうだ。

まさかの苦しみ山川と高山

駒澤の山川と言えば1年時に箱根の山を登り区間4位で10時間40秒台で走った。今年は出雲では青学の黒田に勝ち、全日本のアンカーでは2分あった青学との差を逆転し駅伝ファンに衝撃を与えた。
レース前も藤田監督が山川はとんでもない走りをすると期待をしていただけにタイムは10分台と悪くないが苦しい走りとなった。

山川が想定より1分以上遅かったことに駒澤としては計算が狂ったかもしれない。

國學院の高山は初の山登りとなったが、チームで一番走り込み登り適性もある中で選ばれた選手だったが、まさかの区間14位。
山に課題を感じる國學院としては来年も悩みそうな1年になりそう。

1年生の山登り。来年以降期待できるかも

1年生も多くのランナーが走ったが来年以降10分台11分台狙えそうなランナーも出てきた。
東洋の宮崎は区間9位だが12分16秒と11分台の期待もできる。
創価の山口も工藤と山川に抜かれたが12分18秒と粘りの走りを魅せた。
そして順天堂の川原も12分52と12分台で走り切り。
来年につながる走りを魅せた。

1年生から10分台で走ってきたランナーはもちろんこれまでもいた(若林山川など)とはいえこの山区間で12分台で走ったことは自信もっていいのではないだろうか。

※スポーツ報知参照

まとめ

青山学院としては3区鶴川が思った以上のタイムは出なかったとはいえ2区黒田4区太田5区若林が期待通りの走りを魅せたことが往路優勝につながったのではないだろうか。
青学らしいあっぱれのレース展開だった。

中央大学は吉居で稼いだ貯金を2区溜池4区白川は無難は走りで、3区本間はさらに貯金を作るとかなり理想の展開に持っていけたと思う。
5区は4年の園木が走り、経験者の阿部も卒業ということで5区には課題が残りそうだ。

早稲田は2区の山口が失速してしまったのが痛かったが3区のルーキー山口が快走魅せたことがかなり大きかった。個人的には4区長屋がもう少し走れたかなという印象。
山の探偵は来年も楽しみな選手だ。

駒澤は4区まではかなり理想の展開だったのではないだろうか。
3区谷中が少し苦しんだが4区終わりで1分半は想定通りまたはそれ以上に良かった。
計算が狂ったのはやはり5区の山川か。正直山川任せになっていたところはありプレッシャーもあったかもしれないが山川にはここを乗り越えてほしいところではある。

創価は2区吉田響の激走に3区のムチーニで2位になるという理想的な展開を持っていけた。
4区野沢5区山口も悪くない走りだった。

そして國學院大學は計算が大きく崩れ往路終わった段階で総合優勝はかなり厳しくなった。
1区野中で前に行けず、エース平林でも差をつけられ山本が追い上げられなった。4区の青木は頑張ったが青学との差は大きく開いた。
そして課題の5区はやはり課題のままだった。
来年は山区間の対策を1年かけてやらないと勝つことは難しいかもしれない。


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