骨盤より「腰」が大事?腰を意識した骨盤矯正
MDCの加奈ぶんです。
最近、骨盤を整えるワークとして、
仙骨枕(仙骨の下に敷いて、仙骨を整えるもの)を使ったり。
マッサージ器具を使って、腰の筋肉をほぐしたりしてました。
仙腸関節というのは、一昔前には「動かない」とされてたそうです。
今では「動く」ことが主流派になって、仙腸関節を整えることの大切さが、いろいろ言われてます。
私も、仙腸関節を動かす練習は、たくさんやってきました。
仙骨は家に例えると土台の部分で、
何よりもまず仙腸関節を整えるべき、というような話もわりと聞きます。
それとは別視点の話もいくつかあります。
という本では、仙腸関節も大事だけど、それより大事なのは「腰仙関節」だと言ってます。
腰仙関節とは、仙骨と第五腰椎のつなぎめです。
「腰痛患者を2つのグループにわけて、片方は仙腸関節、片方は腰仙関節の施術を行ったところ、
腰仙関節の施術を行ったグループのほうが、より腰痛が改善した。」
というデータもあるそうです。
腰仙関節(や仙腸関節)にわずかなズレが起こって、あるべき関節の動作ができなくなったときに、
離れた位置(膝、肩、首など)に痛みをひきおこす、と著者は主張してます。
他には、「骨盤は歪まない」といってる整体のひともいます。
仙腸関節が歪むということは、骨盤そのものが歪む、ということです。
「そういったケースはまれで、ほとんどの場合は、骨盤そのものは歪まない」というのです。
ではどういったことが起こるのかというと…
骨盤と肋骨の間にある筋肉(腰方形筋など)が歪むことで、骨盤と肋骨の位置関係が歪む、
それが「骨盤が歪む」と表現されてるものの正体、らしいです。
そういう話って「仙腸関節原理主義」みたいなのを、考え直すキッカケにはなるかなーと思います。
視点を骨盤から「腰」に移動させる考えです。
仙腸関節自体も歪む、と私は思いますけど……
骨盤と肋骨の位置関係が歪むことで、腰仙関節や、仙腸関節に負担がかかって(腰の歪みを代償運動して)歪む、
というパターンもあるかもしれません。
仙腸関節の歪みは原因ではなくて、結果ということです。
だとすると、仙腸関節を矯正しても治りません。
その場合の原因は「腰の筋肉」です。
もっと根元的なところに目を向けたら、もっと原因を掘り下げられるかもしれませんが…わかりやすいところでは。
では腰の筋肉をほぐしたらいいんだろうか?
と思って腰のマッサージとかやってみても、
腰方形筋とか、深部にあってそうそうほぐせるものじゃないですよね。
おなかの中には、腹横筋や大腰筋のインナーマッスルもありますし。
また、ストレッチやってみても、無意識に慣れた(歪んだ)身体の使い方をしてしまう可能性があります。
なので、骨盤と肋骨の位置関係に注目して、骨格の歪みを正す、
というアプローチもありかなと思いました。
やってみたこと。
仰向けに寝ます。
膝を立ててお尻に体重をかけます。
お尻はなるべく動かないように。
肋骨の下のほうを両側からガシッとつかみます。
そして、骨盤の位置に対して。
①
肋骨を左にスライド移動させる。
肋骨を右にスライド移動させる。
②
肋骨を左に傾ける。
(頭を上、足を下とします。肋骨の左を下に、右を上にやります。)
肋骨を右に傾ける。
③
肋骨を左にひねる。
(肋骨の左を後ろに、右を前にやります。)
肋骨を右にひねる。
骨盤はずっと動かさないようにします。
左右でやりにくいほうがあったら、骨盤と肋骨の位置関係が左右で歪んでる、ってことです。
やりにくい動作を重点的に修正します。
例えば、ひねりの動作がやりにくい場合。
肋骨の右側を前に出して、左側を後ろに引くのがやりにくい、としまょう。
これは骨盤に対して、肋骨が右にねじれてます。
ねじれを取るやりかたで、タオルを使う方法を思いつきました。
骨盤に対して肋骨が右にねじれてて、左へのひねりがやりにくい場合。
タオルをたたんで厚みを出してコブシ大にします。
仰向けに寝て膝を立てます。
タオルを右の肋骨の下のほう(腰方形筋の付着部)の背中にはさみます。
膝を左右に揺らします。
タオルを使うやりかた②
腰仙関節の側屈(横に曲げる)制限がある場合です。
腰仙関節の回旋制限がある場合のストレッチは、以前にブログでいいました。
右への屈曲制限がある場合。
タオルをたたんで厚みを出してコブシ大にします。
身体の左側を下にして横向きに寝て、左側の股関節大転子の下にタオルをはさみます。
骨盤の位置が高くなります。
その状態で、左の横腹をマットにペッタリくっつけます。
腰仙関節の右への屈曲制限があったら、左の横腹をマットにくっつけるのやりにくいはず。
右足を浮かせて前後に動かします。
右足を後ろに引いてから、膝を曲げて床に右の足裏をつけます。
右膝を左右に揺らします。
他の修正方法。
つかんだ肋骨を上方向にひっぱって、骨盤から離すセルフ牽引すると、間にある筋肉が伸ばされます。
骨盤に対して肋骨をまっすぐに修正しながらやります。
例えば、骨盤に対して肋骨が右にねじれてたら、
反対に左にひねって、骨盤と肋骨をまっすぐにしながら牽引します。
左の筋肉が固かったら左の肋骨を、右の筋肉が固かったら右の肋骨を強く牽引します。
筋肉を意識する以外では、腰仙関節を意識してみました。
ある程度、筋肉がゆるんでからやるのがいいです。
腰の筋肉の歪みが腰仙関節を歪ませる、と仮定して…
仙骨にギリギリ近い第五腰椎のところをまっすぐに修正しながら、
セルフ牽引で腰仙関節にスキマを作る感じです。
腰仙関節をピンポイントで牽引するには、第1~第5腰椎の間が伸びないように、自力で縮めとく必要があります。
整骨院とかの機械の牽引では、こういう繊細な力加減はムリですね。
ひっぱるだけだと、伸びやすい側の筋肉、伸びやすい椎間が優先的に伸びちゃうと思います。
以下は頸椎の牽引に関する治療家の意見。
固い筋肉をひっぱるときにはそれなりに力が入りますが、
椎間を牽引するときには、力は弱くて良いのでは、と思います。
牽引の機械の話でされるように、体重の○分の1を椎間にかけると、負担になってしまうかもしれません。
「痛みの9割がたちまち消える10秒関節リセット」という本では、まず最初に腰仙関節を整えるべき、と言ってました。
腰仙関節を整えてから、仙腸関節だったり、他の症状のある関節を整えると、効果が出るのだそうです。
仙腸関節の歪みの原因が「腰」にあった場合、腰を整えてから仙腸関節を整えると良いのかもしれません。
腰の左右の歪みの話をしましたが、前後の歪みについてはどうでしょう。
姿勢が悪いと、腰仙関節がどう歪むか知ってますか。
猫背で下腹がポッコリ出るスウェイバック姿勢では、下位腰椎の屈曲制限が起こるといいます。
スウェイバック姿勢で、腰仙関節は伸展するということです。
猫背なら、骨盤が後傾して腰も丸まるイメージですが、腰椎を上位・下位で分けてみると、下位は伸展してるのです。
背中が丸まって頭が前に出てると、どこかで背骨を反らさないと、頭の位置を正常に戻せません。
それを目に見えにくいところで下位腰椎が代償してる、下位腰椎に無理がかかってる、ということです。
実際、姿勢が悪いひとが腰を丸めるの苦手だったりしますよね。
腹筋運動で反動を使わずにゆっくり起き上がるとか。
腰を機能的に丸めれないとできません。
なので、腰仙関節を含む、下位腰椎の屈曲ストレッチが重要になってくると思います。
腰を丸めるストレッチで、上位腰椎には屈曲制限かかってないから、そこで丸める。
ってなってしまうと意味ないです。
腰仙関節の歪みが全身に痛みを拡散させるという理論でいうと、
「下位腰椎の屈曲制限=見た目にはわかりづらい隠れ反り腰になることで、腰仙関節が伸展でカタマり負担がかかる。
そのことが中枢神経や自律神経のストレスになって、腰の筋肉を緊張させて、板のように固くさせてしまう。
背中、肩などにも緊張が拡散する。」
ということも考えられます。
肩甲骨を回したり、胸椎の伸展などをやって、猫背を治そうとしても、
下位腰椎の屈曲制限が取れない限り、姿勢は改善しないし、背中の緊張も取れない、というケースです。