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「交感神経を抑えて副交感神経を働かせよう!」という発想だけでは自律神経が整わないかも
自律神経のイメージ。
「現代人は、交感神経が働きすぎ。
副交感神経が働いてない。
だから、交感神経の働きを抑えて、副交感神経をもっと働かせよう。」
交感神経と副交感神経のバランスが大事。
みたいにわりと言います。
でも、果たしてそのイメージで良いのかと思いました。
副交感神経は、頭部周辺と、内臓の迷走神経の働きの影響が大きいです。
目、鼻、口、耳、顎、舌、頭のつけね。
気道、横隔膜、腸、仙骨とか。
なので、あくびをして耳の奥や喉の奥を開いたり、
フーフーと腹式呼吸をすると活性化されます。
交感神経は、脊椎の前側左右にある「交感神経幹」の働きの影響が大きいです。
とくに胸部の影響力が強い感じします。
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なので、背中の筋肉を刺激したり、胸式呼吸をすると活性化されます。
交感神経が優位になるパターンとして「副交感神経が障害される」という言い方が多いように感じます。
しかし、最近背骨のストレッチをやってて思ったのは、「交感神経が障害される」こともわりとあるということです。
交感神経が障害されるとどうなるのか?
交感神経が「うまく」働かなくなります。
交感神経が抑えられてるのと、交感神経が「うまく」働いてない、は意味が違います。
「うまく」働いてないの場合、
・交感神経が過剰に働きすぎてる、暴走状態。
・交感神経が働くべきときに働かない、元気でない。
のどっちの意味も含みます。
悪い状態は、よどむ、滞ることであって、
一時的な危険に対する正常な反応とか。
あるいは、子供が元気いっぱいにハイテンションになってるようなのは、悪い交感神経ではないのです。
なので前述の、
「現代人は、交感神経が働きすぎ。
副交感神経が働いてない。
だから、交感神経の働きを抑えて、副交感神経をもっと働かせよう。」
は必ずしも正しくはなくて、
「現代人は、交感神経が「うまく」働いてなくて、よどんだり滞ったりしてる。
だから、交感神経が悪い意味で過剰に働いたり、
スイッチのオンオフができなくて、眠れなかったり、スッキリ起きれなかったりする。」
という言い方のほうが正しいこともあります。
血流みたいな感じです。
血管が固くなって狭くなると、高血圧になるように、
交感神経が障害されて流れがよどむと、カッカして頭に血がのぼったりしやすくなります。
同時に、うまく流れてないので、元気が出ない、やる気が出ない、感じにもなるということです。
ちゃんと血液が流れていて、酸素や栄養が行き渡っていたら、もっとおおらかで伸びやかになります。
深いイキイキとした自然のような元気さです。
それが交感神経が「うまく」働いてる状態です。
交感神経が働きすぎ!抑えなきゃ
深呼吸、副交感神経を優位に~~
とシーソーのバランスを取るみたいにしてるだけでは、交感神経の働きは良くならないかもしれません。
筋肉や骨の柔らかさ、スムーズさは大事だと思います。
とくに背中、胸椎です。
でも背中まわりのストレッチはむつかしくて、
うまくいかないと、交感神経が改善されないまま、交感神経が刺激される状態になります。
血管が固く細いまま、血流が良くなるようなものです。
背中がムリに緊張すると、一時的に興奮して、そのあと、余計にダルくなったりします。
そういう感覚を味わうと、「やっぱり交感神経を活性化させるのはダメなんだ」と思ってしまうこともあるかと思います。
副交感神経を意識して深呼吸したりする場合には、そういう恐れはありません。
恐れはありませんが、
交感神経の流れに問題が起こってしまってる場合、根本解決にならないかもです。
交感神経の流れがよどむ原因
交感神経にはネガティブなものとポジティブなものがあります。
・ストレスフルな悪い交感神経(不安、緊張、怒りなど)
・ストレス発散できる楽しい交感神経(喜び、笑いなど)
の前者を抑えて、後者を活性化させると、良い意味で交感神経の恩恵が得られやすいのだと思います。
ネガティブな交感神経は、正常な反応で、完全悪ではないですけど、
慢性化すると、背中を緊張させて、交感神経の流れをよどませてしまう恐れがあります。
気づいたのが、胸部多裂筋の重要性です。
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多裂筋は、腰痛との関係で腰部多裂筋が語られるばかりで、胸部多裂筋についてはあまり語られません。
が、私的に、胸部多裂筋の緊張は、交感神経の異常をひきおこすのでは?と思います。
この多裂筋は、首から腰までの広範囲にある小さな筋肉で、一度凝り固まってしまうと、ストレッチなど自分だけの対処で柔らかくすることが難しいです。
特に背中に位置する多裂筋が硬くなると、吐き気だけでなく動悸などの呼吸器系の症状が現れます。
また多裂筋は、首こりや腰痛にも関わる筋肉です。
吐き気と同時に首こりや腹痛、下痢、便秘などの消化器系の症状を出すこともあります。
自律神経への影響がとくに強いと言われるのは首ですが、背中もいろいろ言われてるのですよね。
交感神経と関係があるようです。
自律神経の異常で連鎖的に筋肉の緊張が進んでるときに、首が先なのか、背中が先なのかは、むつかしい問題です。
上位胸椎の歪みが原因で起こるT4症候群という病気も、
頸椎ヘルニアと似たような症状が「首に」出るため、頸椎ヘルニアとの判別がむつかしいと言われます。
多裂筋は背骨の棘突起(後ろのでっぱり。触れるところ。)の左右のへんにあります。
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背骨のでっぱりのキワのギリギリのところにあって、奥のほうにあるので、ふつうにマッサージしても効きません。
例えば、フォームローラーをコロコロしても、棘突起にぶつかってしまいます。
ピーナッツボールとか、テニスボールを2つ並べて背骨をマッサージしても、左右の間隔が広すぎて、脊柱起立筋に効いてしまいます。
胸部多裂筋はとくに、自分の手で触れないところなのでむつかしいです。
ちゃんと知識のあるひとに、「胸部多裂筋リリースしてください」ってお願いしたら良いのかもしれませんけど。