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身体の中でとくに重要と思われる筋肉 筋肉の機能不全が不調を起こす理由
私が今まで運動をいろいろやってきた中で、とくに大事と思ったのは、横隔膜ラインの筋肉です。
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横隔膜ラインの筋肉一覧
頭長筋、頚長筋。
腹斜筋、前鋸筋、腓骨筋。
横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋。
大腰筋、内転筋群、ハムストリングス、ヒラメ筋。
膝窩筋、後脛骨筋。
主に、アナトミートレインでいう、身体の中心をつらぬく筋膜ライン「ディープフロントライン」と、
理学療法で重要視される「インナーユニット」で構成されます。
これらの筋肉、
とくに体幹部分の筋肉が「どれか一つでも」機能不全を起こすと、
それを代償するために、身体には多大な負担がかかるのでは……と思います。
身体の中心のバランスが崩れて、それを補おうと、いろんな筋肉ががんばって、
首こり、肩こり、背中のこり、腰痛などの不調が発生するのです。
また横隔膜ラインの機能不全と、過剰な代償による筋肉の過緊張によって、
姿勢が悪くなり、呼吸が浅くなるとともに、
中枢神経の働きが阻害されて、自律神経が乱れるのでは、と思います。
横隔膜ラインの筋肉が機能不全を起こす原因として、
運動不足・ストレスの両方が考えられます。
運動不足やふだんの姿勢の悪さで、インナーマッスルが衰えたり、カタマることは言うまでもありません。
それだけではなくて、過剰なストレス反応で筋肉がカタマってしまうことも、あるようです。
強いストレスを感じればお腹が痛くなったりするように、
内臓が強く反応します。
そういった反応を長期にくりかえしてると、
横隔膜、腹横筋、骨盤底筋、腸腰筋など、
内臓まわりの筋肉が緊張して、カタマってくことが考えられます。
また、ストレスでは交感神経が強く働くので、
背骨の脊髄や交感神経幹も反応します。
すると、背骨につく多裂筋や大腰筋が緊張して、カタマってくことが考えられます。
横隔膜ラインの筋肉はとくに大事な筋肉だと思いますけど、
インナーマッスルなので、機能不全を起こしても自覚症状を感じにくいです。
例えば、
首が痛いとなったら、肩甲挙筋や僧帽筋が気になる。
肩が痛いとなったら僧帽筋やローテーターカフが気になる。
背中が痛いとなったら菱形筋や脊柱起立筋が気になる。
腰が痛いとなったら、脊柱起立筋や中臀筋が気になる。
……という風に、自覚症状を感じやすい筋肉があると思います。
それは、その筋肉に原因があるのか、
その筋肉が他の重要な筋肉の機能不全を代償した結果なのか、はわかりません。
ある部分にコリなり痛みなり、症状が出てるときに、
症状が出てる部分=原因であることは、意外とまれなのかも。
ひとの身体はけっこう鈍感で、ちょっとやそっとじゃ異常に気づかなかったりするから。
原因があって、結果としていろんなところに波及した頃にようやく気づく、
ということもあるかと思います。
横隔膜ライン以外の筋肉では、「後頭下筋群」が大事だと思いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726040721-S7yCfPvjUon2bdrkXg5GpZuB.jpg)
複数の理由があります。
・とくに重要な骨と言われる環椎(第一頸椎)につく。
・副交感神経をコントロールするといわれる、頭と首の間の副交感神経センターにある。
・身体の中で唯一、脊髄硬膜との連結がある筋肉。
・椎骨動脈が通ってて脳への血流に関わる。
・受容器が豊富で全身の緊張に関わる。
・背面の筋膜ライン、スーパーフィシャルバックラインとディープバックアームラインと接続する。
しかし、大事といっても、横隔膜ラインの筋肉とは明確に違いがあります。
横隔膜ラインの筋肉は「使うべき筋肉」。
後頭下筋は「使われ過ぎてしまう傾向のある筋肉」です。
さっき言った、代償で使われる筋肉の部類に入ります。
横隔膜ラインの筋肉の一つである、頸長筋がうまく使えないとき、
後頭下筋群や胸鎖乳突筋が代償で使われて、過緊張してしまうと言います。
じゃあ頸長筋が使えてたら後頭下筋群はゆるむのか?
というと、そうとは限らないと思います。
身体のバランスの中心である体幹がうまく使えてなかったら、
首の頸長筋だけで頑張ってもムリあるからです。
横隔膜ラインの筋肉の中でも、胴体部分>末端と重要度がちがってると思います。
後頭下筋群や首の筋肉は、障害を起こしたときの影響力が甚大だから大事。
といっても、
そもそも後頭下筋群や首の筋肉が障害を起こす理由って何?
と考えると、体幹のインナーマッスルが使えなくて不良姿勢になってたり、
身体のバランスが悪い(力学的な意味でなく循環的な意味で)、呼吸が浅いなどの理由で、
自律神経が乱れて、緊張状態をひきおこしてるから、かもしれません。
横隔膜ラインの筋肉の機能不全、代償した筋肉の機能不全、ストレス、自律神経…
影響しあって、悪循環を起こしたときに、明確な不調が起こるものと考えられます。