農家が大事にしていること。
こんにちは、だいきです。
何を大事にするかというのは、農家によってまちまちだと思います。
儲けを大事にする人もいれば、
農法に拘る人もいて、
はたまた、種を守ることを大切に、毎年種取りをしている人もいます。
「一般的な農家」とは、どのような農家を指すのか。
素人目にはどの農家も同じだと感じるものですが、
野菜を育てている人のうち、
誰一人として同じ農法、考え方の人はいません。
人が野菜をつくり始めた段階で、
その人にしかない農法があり、
こだわりが詰まった野菜が形作られていきます。
私は、「安心感」というキーワードを大切にしていて、
安心感が土台にあり、その上に美味しさや見た目の美しさなどの要素が付加されていくものと感じます。
「安心感」を野菜で表現するならば、
同じ場所で繰り返し育てていくことにあると思います。
毎年、同じ場所で育ててあげることで、
野菜の住みかとなって、人が野菜と一緒に暮らすようになる。
そして、野菜のテリトリーがつくられて、
野菜ごとの居場所がつくられていく。
暮らしていく過程で、環境に適応して、
土地に合った進化をしていく。
そうすれば、何年何十年と適応を繰り返した、
変化に強い個体が残っていきます。
そして、次世代へと種が受け継がれていく。
時代の変化と共に、生き永らえていく、
その歴史の重みが、安心感につながっていくように思います。
横浜の街並みを散策してみると、
文明開化で西洋の文化が流入してきた場所には、
当時のレンガ造りの建物や街並みが残されており、
歴史と共に、生きてきたという重みが感じられます。
土地のエネルギーは、人が暮らしていく過程で育まれ、
代々受け継がれてきた暮らしのストーリーが
エネルギーをさらに高次のものへと高めてくれているように感じます。
都市では、建物を媒介にして、
歴史の重みや土地を語る「安心感」を提供していますが、
畑では、野菜を通して、
種を守り、地域の食文化を受け継いで、
人々の共同体意識を食でつないでいく。
古くから大事にされてきた食を中心とした文化は、
地域のコミュニケーションを円滑にする触媒となって、
地域コミュニティを活性化することと思います。
コミュニティに所属する「安心感」は、
地域で採れた野菜が育んでいるもの。
この安心感の土台に、美味しさや見た目の美しさが付加されて、
料理はようやく完成し得るのだと思います。
このテーマは、毎年野菜を育てるたびに深めていくと、
年ごとに新しい発見があると思います。
今年もまた、新たな試みと昨年からの継続を両立させていきます。
それでは、また!
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