太った理由を考察してみる
仰天チェンジというテレビのコーナーがある。あれを見て一番驚くのはチェンジ前の食生活のところだ。みんな唐揚げとご飯が大好きで、その上にマヨネーズやらバターやらラードやらをとんでもない量かけて食べている。小豆を乗せたトーストに練乳をかけたものを1斤食べたり、ホイップクリームを直飲みしたり、やりたい放題である。
太っている人がみんなこんなことをしているのかというと違う。少なくとも私はそうではない(あの番組のせいで、ほぼ喋ったことのない人にまで、唐揚げとマヨネーズが好きだと思い込まれているが、私はマヨネーズは苦手だ)。もし私が仰天チェンジに出るとしたら(只今絶賛ビフォーの状態であるが)、自分はどんな驚きの食生活をしているおデブさんとして紹介されるのだろうか。しばし考えてみたがよく分からない。私はそんなとんでもない食べ方をしているのだろうか。信じられない。
しかし、『いつまでもデブと思うなよ』の中にこのような一文がある。
並外れて太るのは、「並外れて太る行動」を取り続けた結果なのだ。
私もそれはそうだと思う。つまりこの手に負えないアタクシのボディは、私の並外れて太る行動の結果のはずだ。
① 食べ放題のお店が好き
いわゆるビュッフェが好き、というのではなく、おかわり自由、みたいなお店が好きだ。特に好きなのは『美々卯』、関西では有名なおうどん屋さんである。ここのメニューに「にぎわいそば」というのがあり、天ぷらと和のおかず、それについてくるおうどん(お蕎麦でもいいが)が食べ放題だ。心療内科の帰りにいつも寄って同じメニューを頼み、おかわりをしまくっていたら、店員さんたちに顔を覚えられ、席に座って何も言わずとも注文が通るようになった。私の好き嫌いも承知して下さっていて「お刺身のマグロは他のものに変更しますね」と言って下さる。
美々卯以外でよく行くのが『やまや』。もつ鍋のお店だが、ランチで行くとご飯、高菜、明太子がおかわり自由だ。だいたいご飯を3杯ほどおかわりする。ホカホカのご飯に明太子、もう最高だ。
あと、近所にあるイタリアンのお店では、ランチで行くとパン食べ放題である。そこのパンが「どうして?」というくらい美味しい。後でパスタがやってくるのに、パンを何度もおかわりする。小さいパンではあるが、10個は詰め込んでいるんじゃないか。もうお腹いっぱい、という頃にようやくパスタが来るが、それも何とか詰め込む。調べたところ、そこのイタリアンはパン屋さんが経営の母体なのだそうだ。
とんかつ屋さんでもご飯を何回もおかわりする。関西ではとんかつ屋さんのご飯やキャベツ、お味噌汁などはおかわり自由なことが多い。名古屋ではルールが違うらしく、有名店で味噌カツを食べたら、ご飯のおかわりが出来ず、大変がっかりした。
② いつだってお腹いっぱいになるまで食べる
これはもう、そういうものだと思っていた、としか言いようがない。私の母は料理上手で、いつもてんこ盛りのおかずを5品くらい並べてくれていた。その上で、上記の通り、私はご飯を3杯はおかわり出来る。それが何合くらいあるのかについては意識していなかった。最近、1度に食べるご飯の量を半合にしているが、半合(160gくらい)というのは多いようでいて、子ども茶碗に1杯分くらいしかない。ということは、小さめの丼のような大きさの茶碗で3杯というのは2合強くらいあるはずだ。それだけの量をごく自然に食べていたと思うと恐ろしい。
③ 謎理論を発動する
炭水化物もたっぷり摂る癖に、「たんぱく質はたくさんとっても太らない」とおかずをたくさん食べたり、「頂き物は食べていい」と職場のみなさんが下さるお菓子をどんどん詰め込んだり。「これくらいなら太らない」とチョコレートや飴を食べたり、「フルーツは体に良い」とみかんをいくつも食べたり。少食の友だちとご飯をシェアする時は「仕方がないから」と平らげたり、「今日は辛いことがあったから」と両手が千切れるほど食べ物を買って食べまくったり。「食べてもいい」理由を思いつく天才である。
こんな食生活を送っている癖に、「私って太る体質なんです」と半ば被害者ヅラをしていた。「アンチダイエット」を掲げて、普通の食事を摂るように意識して初めて、自分がいかに考えなしに口に食べ物を運んでいたかが身にしみた。食事と食事の間にお腹が空いて困るわけでなければ、決してお腹いっぱい食べる必要などないのだ。そんな簡単なことにも気づかなかった。
これは戒めの日記である。いつか仰天チェンジのアフターに生まれ変わりたいものである。