コルマール観光!美しい街並みの見どころを解説【フランス】
1.コルマール(Colmar)とは
コルマールは、ドイツ国境に近いフランス北東部のグラン・テスト地域圏にある小さな街です。ストラスブールの南方約70㎞に位置し、アルザスワインの産地としても知られています。「ワイン街道」と呼ばれる約170㎞のブドウ畑が続く街道沿いには、小さな村が連なっており、コルマールを起点にまわることができます。
コルマールからワイン街道へ行くバスも出ているので、興味のある方はワイン街道巡りもおすすめです。
度重なる戦災の被害を免れたコルマールは、中世の街並みが今も残る奇跡的な街。運河沿いにある「プティット・ヴニーズ」は、イタリアのヴェネツィアを彷彿させるような景観が広がります。
またコルマールは、ジブリ映画の「ハウルの動く城」やディズニー映画「美女と野獣」の舞台になった場所と言われ、メルヘンチックな世界が楽しめます。
ストラスブールからコルマールまでは電車で約30分と日帰り観光も可能ですので、ぜひ足を延ばしてみてください。
2.主要観光スポット
➀プティット・ヴニーズ(Petite Venise)
→コルマール最大の見どころ「プティット・ヴニーズ」は、イタリアの水の都「ヴェネツィア」を彷彿とさせるような街並みから小さなヴェネツィアと呼ばれています。春から夏にかけて街中が花で飾られ、色とりどりの花で溢れかえります。運河沿いには、コロンバージュ(Colombage)と呼ばれるこの地方特有の木組みの建物が並び、運河沿いをボートで遊覧することもできます。
➁プフィスターの家 (Maison Pfister)
→コルマールといえば、ディズニーの「美女と野獣」やジブリの「ハウルの動く城」のモデルにもなった街として有名です。プフィスターの家は、1537年に建てられた歴史的建造物で、「ハウルの動く城」に出てくる建物のモデルになったといわれています。壁一面に装飾が施され、コルマールの建物の中でも一際目立つ建築物になっています。
➂ウンターリンデン美術館(Musée d’Unterlinden)
→ウンターリンデン美術館は、13世紀に建てられたドミニコ会の修道院だった建物を改装して1853年に美術館として開館しました。15世紀から18世紀の宗教絵画を中心に、古代美術、装飾美術、現代美術などの豊富なコレクションを所蔵しています。
最大の見どころは、礼拝堂にある《イーゼンハイム祭壇画》で、西洋宗教画の最高傑作の1つに数えられています。
もともとこの作品は、コルマール近郊にあるイーゼンハイムの聖アントニウス修道院のためにドイツ人画家マティアス・グリューネヴァルトによって描かれましたが、フランス革命の混乱を避けて1793年にコルマールに運ばれてきました。「受胎告知」「キリスト磔刑」「キリストの復活」など全10パネルで構成された《イーゼンハイム祭壇画》は、現在パネルごとに解体されて、全て鑑賞できるように展示されています。
➂聖マルタン教会
→13世紀に建てられたゴシック様式の教会で、美しいステンドグラスが見どころです。
④ドメーヌ・ワインツァックのワインツアー
→アルザス地方はワインの産地として有名で、地元のワイナリーを訪れて試飲するツアーが楽しめます。
➄コルマール屋内市場(Marché couvert de Colmar)
→運河沿いには、かつて地元の漁師達が暮らしていた漁師地区と呼ばれるエリアがあります。近くには1865年に建築家ルイ・ミシェル・ボルツによって建てられた常設のコルマール屋内市場があり、コルマールの食文化を支える「市民の台所」として親しまれています。鮮魚、精肉、野菜、果物、花、スパイスなどの専門店や飲食店が軒を連ねており、この地方の名産品も揃っているので、お土産を購入したい方にもおすすめの場所です。運河に面したカフェテラスもあり、コルマールの景色を見ながら一休みすることができます。
⑥サン・マルタン参事会教会(Collégiale Saint-Martin de Colmar)
コルマールのシンボル「サン・マルタン教会」は、1235年から1365年にかけて建てられました。ゴシック建築の荘厳な建物で、ヴォ―ジュ山脈で採れた赤砂岩を使っているため、赤みを帯びた特徴的な外観を持ちます。「コルマール大聖堂」と呼ばれることがありますが、サン・マルタン教会には司教座が置かれていないため、正確には大聖堂ではなく参事会教会になります。尖塔にはアルザスのシンボルであるコウノトリの巣があり、街の人たちに大切にされています。
3.歴史と文化
コルマールの町並みは中世の雰囲気を色濃く残しており、アルザス地方の文化が息づいています。年間を通じて多くの伝統的な祭りが開催され、訪れる人々を楽しませています。
4.アルザスの郷土料理
➀シュークルート・ガルニ(Choucroute garnie)
シュークルート・ガルニはドイツ料理でお馴染みのザワークラウトのことで、塩漬けキャベツを乳酸発酵させて、豚肉、ソーセージ、ジャガイモと白ワインで煮込んだ料理です。
➁フラムクッシュ(Flammekueche)
フラムクッシュはタルト・フランベ(Tarte flambée)ともいい、長方形の薄い生地にフロマージュ・ブランまたはクレーム・フレッシュを塗り、スライスした玉ねぎとベーコンをトッピングして焼き上げた料理です。アルザスの白ワインと愛称抜群です!
➂ベッコフ(Baeckeoffe)
豚肉、牛肉、羊肉、鶏肉などの肉を白ワインに一晩漬け込み、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎと一緒にじっくりとオーブンで煮込んだ料理です。冬の定番料理で、ボリューム満点の体温まる料理です。
④フォアグラ(Foie gras)
フォアグラはアルザスの名物です。
アルザスの甘口白ワインと一緒にどうぞ♡
➄郷土菓子クグロフ(Kouglof)
王冠のような形をしたフランスの伝統菓子クグロフ。
王妃マリー・アントワネットがこよなく愛したお菓子として有名です。リキュールで香りづけたドライフルーツをふんだんに練り込んだブリオッシュ風の発酵菓子で、昔はビール酵母で生地を発酵させていたそうです。
5.ショッピングと土産
コルマールには多くの工芸品店があり、地元の陶器やクリスマスオーナメントが人気です。市場では新鮮な食材や地元の特産品が手に入ります。
6.宿泊施設
高級ホテルからブティックホテル、バジェットオプションまで、多様な宿泊施設が揃っています。歴史的な建物を利用した宿も多く、特別な滞在が楽しめます。
7.近隣の観光地
➀リクヴィル
中世の雰囲気が残る小さな村で、美しいブドウ畑が広がります。
➁エギスハイム
フランスで最も美しい村の一つに選ばれたことがある村で、ワイン街道のハイライトです
➂フライブルク
ドイツとの国境に近い都市で、大学町としても知られています。
8.アクセス
→コルマールは、TGV(フランス国鉄SNCFの高速列車)やTER(フランス国鉄SNCFの快速列車)、直行バス、車でアクセスすることができます。また隣国ドイツからのアクセスも便利です。
➀パリからTGVで行く場合
⑴パリ東駅(Gare de l’Est)からコルマール(Colmar)駅下車
所要時間約2時間40分
⑵パリ東駅(Gare de l’Est)からストラスブール(Strasbourg)駅下車
乗車時間約1時間46分
ストラスブール駅からTERでコルマール駅下車
乗車時間約35分
➁ストラスブール空港からTERで行く場合
ストラスブール空港からからストラスブール(Strasbourg)駅下車
乗車時間約11分
ストラスブール駅からコルマール(Colmar)駅下車
乗車時間約30分
➂パリから直行バスで行く場合
パリ-ベルシー駅(Gare de Paris-Bercy)からコルマールまで所要時間約8時間15分
④フランクフルトからドイツ国鉄高速列車ICE(インターシティ・エクスプレス)で行く場合
フランクフルト中央駅からストラスブール(Strasbourg)駅下車
乗車時間約2時間
ストラスブール駅からTGVでコルマール(Colmar)駅下車
乗車時間約30分
➄フランクフルトから直行バスで行く場合
フランクフルト中央駅からストラスブールまで所要時間約5時間30分
⑥パリから車(レンタカー)で行く場合
A4号線→A355→A352→A3→N83の順に進む
※有料区間を含む
所要時間約5時間14分
9.まとめ
→コルマールは小さな街ですが、訪れた旅行者を魅了するアルザス地方特有の文化をもちます。フランスの首都、パリとは全く違った趣があり、足を伸ばす甲斐のある街です!
10.写真
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