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中世の美しさが息づく村はエギスハイム【フランス】


1.エギスハイムとは

エギスハイムは、フランスのアルザス地方に位置する小さな村で、その美しい街並みと豊かなワイン文化で知られています。「フランスで最も美しい村」の一つに数えられるこの場所は、中世の雰囲気をそのまま残した石畳の道や花で彩られた木組みの家々が特徴です。エギスハイムは訪れる人々にとって、まるで時間が止まったかのような魅力的な旅先です。

2.歴史

古代から中世まで
~古代ローマ時代~
→エギスハイムの起源は古代ローマ時代にまで遡るとされています。この地域はローマ帝国の支配下にあり、ローマ人によって開拓されました。
~中世初期~
→エギスハイムは8世紀に、アルザスの重要な拠点として発展し始めました。この時期にエギスハイム家が成立し、地域の政治的、経済的中心地となりました。特に、10世紀にはブルゴーニュの公爵エギスハイム家が力を持ち、村の防御を強化するために城が建設されました。

中世の繁栄と要塞化
~エギスハイム伯~
→1世紀になると、エギスハイム伯(エギスハイム=ダボ伯家)が村を支配し、地域の繁栄に寄与しました。村は重要な交易路に位置していたため、経済的に繁栄しました。エギスハイム伯の一族の中でも、特に有名なのが、ブルゴーニュ公の一族であったポープ・レオ9世です。彼はカトリック教会の重要な改革者であり、エギスハイム出身であることが知られています。
~防御の強化~
→中世後期には、エギスハイムは要塞化され、防御のための城壁や塔が建設されました。この要塞化により、村は戦乱の時代にも耐え抜くことができました。

近代から現代まで
~近代~
→フランス革命後、エギスハイムはフランス共和国の一部となり、封建制度の廃止とともに自治体としての発展が進みました。19世紀には、アルザス地方全体がドイツ帝国に併合されましたが、第一次世界大戦後にフランスに返還されました。
~現代~
第二次世界大戦中、アルザス地方は再びドイツに占領されましたが、戦後はフランスに復帰しました。現代のエギスハイムは、観光地としての魅力を維持しつつ、ワイン生産や観光業を中心に経済が発展しています。村の美しい街並みや歴史的建造物は、多くの観光客を引きつけています

3.見どころスポット

中世の街並み
エギスハイムの村は、花で飾られた木組みの家々や石畳の道が特徴です。村全体が一つの巨大な観光スポットで、散歩するだけでその美しさを堪能できます。

エギスハイム城 (Château d'Eguisheim)
→エギスハイム城は、8世紀に建てられた要塞で、村の防御のために重要な役割を果たしました。現在はその遺構を見学することができます。

サン・ピエール・エ・サン・ポール教会 (Église Saint-Pierre-et-Saint-Paul)
→この教会は、その美しいステンドグラスとロマネスク様式の建築で知られています。祭壇や彫刻も見逃せません。

④レオン9世の噴水 (Fontaine du Pape Léon IX)
→レオン9世(ブルノ・フォン・エギスハイム=ダグスブルク)は、エギスハイム出身の教皇であり、この噴水は彼にちなんで作られました。

カーヴ・ド・エギスハイム (Caveau d'Eguisheim)
→アルザスワインの生産で有名なエギスハイムには、多くのワイナリーがあります。カーヴ・ド・エギスハイムでは、地元のワインを試飲することができます。

4.イベントとフェスティバル

ワインフェスティバル (Fête du Vin)
開催時期: 毎年8月
→エギスハイムはアルザスワインの生産で有名で、毎年8月にワインフェスティバルが開催されます。地元のワイナリーが出店し、訪問者は様々な種類のワインを試飲できます。音楽やダンスのパフォーマンスも行われ、賑やかな雰囲気の中でワインを楽しむことができます。

クリスマスマーケット (Marché de Noël)
開催時期
: 11月末から12月
→エギスハイムのクリスマスマーケットは、そのロマンチックな雰囲気と伝統的な装飾で有名です。手作りの工芸品や地元の特産品、クリスマスのお菓子やホットワインが並びます。村全体が美しくライトアップされ、特別な季節の雰囲気を楽しむことができます。

聖レオンの祭り (Fête de Saint-Léon)
開催時期
: 6月
→エギスハイム出身の教皇レオン9世を記念する祭りで、宗教行事やパレードが行われます。歴史的な衣装をまとったパレードや、地元の文化を紹介するイベントが開催され、村全体が祝祭ムードに包まれます。

④音楽祭 (Fête de la Musique)
開催時期
: 6月21日
→フランス全土で行われる音楽祭の一環として、エギスハイムでも様々な音楽イベントが開催されます。地元のバンドやアーティストが村の広場や通りで演奏を行い、訪問者は無料で音楽を楽しむことができます。

花のフェスティバル (Fête des Fleurs)
開催時期: 5月
→エギスハイムの美しい花で飾られた街並みを祝うフェスティバルで、様々な花に関連するイベントや展示が行われます。村全体が色とりどりの花で装飾され、特に庭園や花壇が見どころです。

⑥ワインオープンデー (Portes Ouvertes des Vignerons)
開催時期: 不定期(通常春や秋)
地元のワイナリーが公開され、訪問者はワインの試飲や見学ツアーに参加できます。ワインの製造過程や歴史を学ぶことができ、ワイン愛好家には特におすすめのイベントです。

⑦地元の市場 (Marché Hebdomadaire)
開催時期: 毎週木曜日
→エギスハイムでは毎週木曜日に地元の市場が開かれ、新鮮な農産物や地元の特産品が販売されます。観光客も地元の人々との交流を楽しみながら、アルザスの味覚を堪能することができます。

5.交通アクセス

→最も一般的な方法は、電車とバスを利用する方法です。

電車とバス
~パリからコルマールまでの電車~
TGV(高速鉄道): パリ東駅(Gare de l'Est)からコルマール(Colmar)までTGVで約2時間30分です。事前にチケットを予約することをおすすめします。
・運行会社: SNCF
・予約サイト: SNCF公式サイト
~コルマールからエギスハイムまでのバス~
バス: コルマール駅(Gare de Colmar)からエギスハイム行きのバスが運行されています。所要時間は約20分です。
・運行会社: CG68 (Compagnie de Transports du Haut-Rhin)
・バス番号: 208番
・時刻表: CG68公式サイト

レンタカー
→レンタカーを利用することで、より自由に移動できます。
~パリでレンタカーを借りる~
・レンタカー会社: Avis, Hertz, Europcarなど
・所要時間: パリからエギスハイムまで約5時間(約500km)
・ルート: パリからA4高速道路を東へ、ストラスブール経由でA35高速道路を南下し、コルマールを経由してエギスハイムへ向かいます。

飛行機と電車
→時間を節約したい場合、飛行機を利用することもできます。
~パリからストラスブールまでの飛行機~
・航空会社: Air France
・所要時間: パリのシャルル・ド・ゴール空港(CDG)からストラスブール空港(SXB)まで約1時間15分
~ストラスブールからエギスハイムまでの電車~
電車: ストラスブール駅(Gare de Strasbourg)からコルマール駅まで電車で約30分
バス: コルマール駅からエギスハイム行きのバスを利用

6.まとめ

エギスハイムは、フランスのアルザス地方に位置する絵本のような美しい村で、その中世の街並みや豊かなワイン文化で訪れる人々を魅了します。石畳の道、花で飾られた木組みの家々、歴史ある城や教会など、村全体が見どころに溢れています。特に、地元のワイナリーを巡る試飲ツアーや、毎年開催されるワインフェスティバル、クリスマスマーケットなどのイベントは、エギスハイムの訪問を一層特別なものにしてくれます。
パリからのアクセスも良好で、電車やバス、レンタカーを利用して簡単に訪れることができます。エギスハイムの歴史や文化、自然の美しさを存分に味わいながら、ゆったりとした時間を過ごすことができるこの村は、アルザス地方を訪れる際には絶対に見逃せないスポットです。
次回の旅行では、エギスハイムを訪れて、その魅力を実際に体験してみてはいかがでしょうか。きっと心に残る素晴らしい思い出になるはずです。

7.写真

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