見出し画像

加藤恭子「90.5%の会社が知らないPRのコツ 話題にしてもらう技術」

シティプロモーション推進課に着任して10ケ月が経過。実はここのところ、ものすごくもやもやしていたのだけれど、この本を読んで、もう一度今の仕事を見直したら、もやもやがすっきりしてくるのではないか、そんな感じがする1冊だった。
今の課に来る前にも、何となく、専門部署ではないにせよ、自分の事業のプロモーション、あるいは、事業を市のプロモーションみたいなことは意識しながら仕事をしてきたつもりだった。だから仕事自体の不安はそんなになかった。でも実際に仕事をしてみると、何だか考えていたことと違ったのだ。
もちろん、プレスリリースの書き方とか、記者会見のこととか、ツイッターとかインスタのこととか(facebookは自分でもやっていたのでそれなりに分かっていたけれど)、ウェブページのこととか、新たに学んだこともたくさんある。特にプレスリリースについては、本を読んだり講座を受けたりしてそれなりにつかめた感じがあり、担当課が作ってきた案を活かしながら記者さんに伝わりやすいようにアレンジするとかもできるようになった。過去に自分が書いたプレスリリースを発掘して顔から火が出そうになったこともある(遠慮されていたのか、ちょっと分野がニッチだったためか、あまり手を入れられていなかったということもある)。この10ケ月で学んだことは多い。
けれども、なんというか、こういうことが必要なんじゃないか、と思っていたことが、あまりできていない、というか、仕事として認識されていない、ということがあった。例えば、情報収集。本当は各課からあがってきたことを発信するだけでなく、自分から情報収集したりすべきかなと思うのだけれど、必要性は認識されているけれど、実際にあまりできていない。
また、社会全体の動きについても敏感にならなければいけないと思うけれど、朝の新聞チェックは全員でやっているものの、足りないような気がしていた。
一方で、他市で開催されるイベントに出かけていき、市のプロモーションをするといったことは必要とされていた。それとなく回数を減らしたりしたけれど、直接、コミュニケーションを取ることで、どんな情報が求められているのかを知ることができる、といったことを言われたりした。でもだとしたら、まず先にもっと市内のイベントでコミュニケーションを取るべきではないか。
とはいえ、今の仕事で手一杯だし、どこをどうしてよいか分からなかった。しかも、何だか自分の思惑だけで、やらなければいけない、と主張するのも何だか違うような気がしていた。でもこの本には、はっきりと必要だと書かれていた。

コラムの中に、PR担当の7つの役割、というのがあった。

①経営者の情報参謀⇒経営者に必要な情報をインプットする
②社内広報(情報受信)⇒社内で起きている情報、社外に伝えたほうがいい情報をキャッチし、そこから社外に伝えるべき内容を取捨選択する
③社内広報(発信)⇒外部で起きている重要な情報や、自社がどのように報道されているかを社内に伝える
④社外広報(コーポレート)⇒社外に会社としての活動を伝える
⑤社外広報(プロダクト)⇒社外に製品・サービス情報を発信する
⑥業界・競合モニタリング⇒業界の情報や競合他社の発信情報を適宜モニタリングする
⑦世の中の声を聞く(ソーシャルリスニング)⇒移り変わる世の中のトレンドや、暗黙のルールなどに耳を傾ける(知ることで適切な情報発信につながる)

私が大切なのにないがしろにされているのではないかと思ったことが、②と⑦で、PR担当の役割として掲げられている。②ができていないと、④や⑤ができていないし、⑦ができていないと、④や⑤が的外れになったりすることもある、というのだ。
一方で、③については、自分でも認識していなかったなと考えた。プレスリリースしたことが記事になった時には担当課にはお知らせしていたけれど、全庁的にはお知らせしていなかった。担当課だけでなく、全体的にお知らせすべきことなのかもしれない。
この7つの役割と照らし合わせて、今の仕事について、改めて考えてみたいと思った。

実は、シティプロモーションの前に、メディアや社会との付き合い方として、Public Relationsの考え方というのがとても大事なのだということが理解できた。
他にもプレスリリースのコツや、メディアに記事を書いてもらうための方法について、大事な考え方はもちろんのこと、ちょっとしたコツなどもいろいろと書かれていて、いろいろ試してみたいことがでてきた。
また一番最後に付録として、「ストーリーでわかるPRの取り組み方」という章があって、そこまで書かれていることのまとめ的なことを、架空の会社の架空のお話を通して説明しているのだけれど、本格的に人物描写がされていて、こんな人いそうだな、という感じで親近感が湧いて面白かった。
教科書的に、たまに振り返りたい本です。

【アーカイブ公開中】「noteとTwitterでどう話題にしてもらうか?」を加藤恭子さんにお聞きするイベントを開催します。 #noteとTwitter |noteイベント情報|note
この本は、noteイベントに参加したことをきっかけに読みました❤

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?