雨の中のランニング
タッタッタッタ....。わたしは雨の中をただひたすら走る。冷たい雨が、肌を伝う。全身びしょ濡れになりながら、走り続ける。まるで雨も一緒に泣いてくれているみたいだ。
さっきまで、息ができないくらい胸が苦しかったけど、大丈夫。息が途切れるほどに走ると、体が勝手に酸素を取り込んでくれる。ほら、まだ呼吸をしている。わたしは生きている。
俊ちゃんの家を出た理由は、ひとつ。”俊ちゃんのことが大好きすぎたから” どうして、大好きなのに別れたか。それは、「俊ちゃんの奥さん」と呼ばれる人生を送りたくない、と思ったからだった。彼は、10歳年上で、何でもできた。ライターで、投資家で、英語がペラペラで、ダンサーで、生き抜く知恵と、ユーモアがあった。短気で、勝気な性格で、関西人で口は悪かったけれど、笑いのセンスが抜群だった。
あるとき、友人との会話中に、わたしは自分自身のある行動に気づき、ショックを受けた。わたしは、彼の自慢話ばかりしている... 。 俊ちゃんのクレジットカードで優雅にお買い物をしたり、ジムにいったりする有閑マダムになった人生を一瞬想像して、首をふった。
「わたしは、わたしの人生を築きたい!」
彼のいない間にこっそりと荷造りをして、2年間一緒に暮らした渋谷の部屋を飛び出した。今から20年ほど前のことである。
これがわたしの人生の転機の始まりだった。ここからわたしは、10年間俊ちゃんの幻想に追われることになる。海外に飛び出した理由も、それ以来、外国人男性としかお付き合いできなくなったのも、全て俊ちゃんへの思い出から逃れるためだった。
〜つづく〜
《経験から学んだこと〜失恋から立ち直る方法》
みなさんも、ご経験があるのではないでしょうか。大切な人を失った時、胸がぎゅーっと締め付けられて、息ができないような気持ちになったことが。本日は、失恋をしたときに、気分転換をしたり、前に向いて歩き出すための、わたしなりの方法をシェアしますね。
わたしはまず、泣きます。わたしの場合は、10分間ビェ〜っと泣く、と決めています。10分だけとか、30分だけ、と時間を設定しておくと、気持ちを入れ替えるのが楽になります。このとき、自分の中にある感情を全部、吐き出します。辛くて、悲しくて、何もできない弱い自分を、そのままに受け止めてあげましょう。泣くことは、最高のメディテーションだと、あるヨガの先生がおっしゃっていました。
それから、家の外に出て走ります。
家の外に出る理由は、わたしが世界とまだ繋がっているのを確認するため。そして、走る理由は、自分が生きていることを確信するためです。
ジョギングもおすすめですが、わたしは、短距離をダッシュして、ジョギングでスタート地点に戻り、またダッシュしてジョギングで戻る、ということを10セットほど行います。無酸素運動をすることで、酸素が強制的に吸い込める状態をつくり、「胸が苦しくて息ができない」という思い込みから自分を解放し、「息が吸えていて、生きている」という状態に意識を持っていきます。
全身運動をすることで、脳内にポジティブになる物質が生成され「生きているだけでありがたい」「世界中に男は他にもいるじゃないか」...という気持ちが生まれてきます。
そのあとは、友人や家族に会いに行きます。今の苦しい境遇を話して、「助けてほしい」と伝えるのです。わたしは、ジョギングした足で、友人に会いにいき、ハグをもらったりしていました。ハグは、特効薬です。どんな状況の自分も認めてくれる、優しく受け止めてくれる人の存在があることを確認できます。あなたの元を去った恋人だけではなく、あなたを大切に思ってくれている人が、他にもいるって素晴らしいことですよね。友人と出会うことのもうひとつのメリットのひとつは、悩んでいるのは自分だけではない、と気づけることです。同じような経験、もっと辛い経験の中にいる人たちもいるのだ、とわかると、自分の悩みも乗り越えられそうな気がしてきます。
運動してお腹が空いたら、美味しいものを食べて、寝ましょう。次の日に、朝の光を浴びながら、人生の新たな1ページが始まるのを感じることができると思います。目を閉じて、深呼吸をしたら、新しいページのチャプターを開くことに、胸を踊らせましょう。
失恋は、あなたを大きく成長させるための一歩です。たくさんの素敵な思い出と、自分を成長させてくれたパートナーに感謝をして、次のステージに向かいましょう。思いもかけない冒険が、あなたを待っています。
失恋から立ち直る方法を動画にしました♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?