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図書館マスターになろう③本のならび方

図書館や本屋さんで本を探すとき、あなたはどうやって探しますか?

検索機を使う
棚の文字表示をみて探す
自分のよく探す棚は把握している
店員さんや司書さんに聞く

探し方は様々ですが、いろんな方法で目的の棚や本にたどりいていることでしょう。

探すまでのあいだに他の本との出逢いもあるので、今までの探し方を続けるのもありですが、もうすこし効率よく簡単に探せる方法があります。

それが、本の並び方=分類を覚える方法です。

【本の並び方】


「覚える」といっても難しいものを覚えるわけではありません。
普段無意識に行っている概念分けを、記号とくっつけて覚えるのが分類の覚え方です。

本屋さんや図書館で本がてんでバラバラに置かれていたら、目的の本があったとき探すのがとても大変ですよね。
それを防ぐために、本屋さんでも図書館でもあるていど同じ種類の本を同じ場所に配置しています。

図書館から本をかりた時、背表紙(細いところです)の下の方に記号や英語が書いてあるシールを見たことがありますか?

あれは分類が書かれているシールです。
分類は同じもの(類)に分ける(分)という意味です。

子どもたちには、

「本の住所」

とも伝えていました。

「迷子の本を戻してあげよう、シールに書かれているのが本の住所だよ」と。

では、本の住所を覚えて本を探しに行きましょう。

【分類】


図書館によって細かい分け方が違いますが、基本的には「日本十進分類法」をつかって分けられています。 (海外では「国際十進分類法」国立国会図書館ではまた別の分類がありますが、ベースはほぼ同じです)

シールに書かれているのは、例えばこんな記号。

「913」 (読み方は キュウ イチ サン。数字ではないので、
      キュウヒャクジュウサン とは読みません。)

9は「文学」
1は「日本文学」
3は「小説、物語」

つまり、「913」は「日本の小説や物語」をさします。

一番最初の区切り(一番最初の記号)は、下のようになっています。
上記例でだしたのは、9です。
三点リードの後は、小学校で借りられていた本です。

0:総記 (図書館、図書、百科事典、郷土資料など)
・・・総合的な図鑑、ギネス世界記録、なぞなぞなど

1:哲学 (哲学、心理学、宗教など)
・・・占い、自分と向き合う本など

2:歴史 (日本史、世界史、伝記など)
・・・伝記漫画、地図、世界の暮らしなど

3:社会科学 (政治、法律、経済、教育、福祉など)
・・・簡単な法律の本、福祉の本など

4:自然科学 (数学、宇宙、動物、植物など)
・・・植物・動物の図鑑、宇宙の本、元素記号の絵本など

5:技術 (建築、機械工学、海洋工学、家庭科など)
・・・工事、船の仕組み、料理の本など

6:産業 (農林水産業、通信、観光など)
・・・農林水産業の調べ物の本、野菜づくりなど

7:芸術 (美術、音楽、スポーツ、娯楽など)
・・・スポーツ、間違え探し、クイズなど

8:言語 (日本語、英語、中国語など)
・・・国語辞典、漢字辞典など

9:文学 (日本文学、英米文学、中国文学など)
・・・あらゆる国のフィクション、ノンフィクション


これを見て「細かいのいやぁ~」とならない方は、ぜひ
「日本十進分類法」
を調べて2つ目の区切り、3つ目の区切りも覚えるとより探しやすくなります。

いやぁ~となる方は、上記覚えていただくだけでも十分に活用できます。

図書館にも本屋さんにも棚があり、棚のどこかに記号や棚に何系統の本が置かれているか書かれています。
探偵になった気持ちで、探してみてください。

本棚の中で本がどのように並んでいるかわかるともっと探しやすくなるので、【本棚の中での順番】も読んでいただけると幸いです。


【絵本の分類】


小学校では、これに加えて絵本がありました。

絵本は「E」 (EHON)のローマ字頭文字からとっていました。

市立図書館では数も多かったので、
大きい絵本で別の棚にある場合は、JE (JUMBO EHON)、
赤ちゃん向けの絵本はAE(AKATYAN EHON)
など分けていました。

絵本の2つ目の区切りは、アイウエオ です。

子どもたちには絵本のタイトルで探す方が探しやすいようで、例えば以前紹介した『ギョギョギョつり』は、
「E ギ」
となります。

絵本のタイトルの頭文字をとる形になります。

今はこのタイトルの頭文字をつけることが多いですが、作者名を入れることもあり同じく
『ギョギョギョつり』だと矢野あけみさんが作者なので、
「E ヤ」
となります。

絵の作者の方が有名な場合、作画の方の名前を入れることもありますが、主流は本のタイトルです。どちらも有名な場合もありますしね。


【本棚の中での順番】


上で紹介した0~9までの分類を、さらに3区切りにわけると
日本文学「913」となります。
分類のシールは3段になっているものもあれば、段がないものもあります。
3段の場合は、
一番上が 分類の記号
真ん中が アイウエオ
一番下が 何もないか、細かく分類する場合は記号がある場合も。

段がないものは、分類の記号の後に、アイウエオがついています。

このアイウエオは絵本とは違い、著者や作者の名前の頭文字が書かれていることが多いです。

棚の中で、左→右
のジグザクに置かれています。

一番右端までいったら、下の段の左端から、
また右端までいったら、下の段の左端から。

一定の大きさより大きい本は、一番下の棚においてあることが多いです。
順番に探してもない時は、一番下の棚か別の本棚で特設コーナーが設けてある場合もあるので、検索機で探してみてください。


【生涯つかえる知識】


大学図書館、市立図書館、学校図書館すべてベースは同じ分類です。
電子書籍の場合も図書館で借りる場合は同じ分類を使います。

また本屋さんでも大きな概念の下に、細かな概念があって分類されているのは一緒です。本棚の中でのならび方も同じです。

この分類と本棚の中でのならび方を覚えておくだけで生涯つかえる知識となりますので、よければ覚えて使ってください。これを読んだあなたが、効率的に素敵な本に出逢えることを願っています。


次回は、「図書館マスターになろう④ 本探しのコツ」を紹介します。

<参考文献>
・『ギョギョギョつり』(作・絵:矢野あけみ/鈴木出版/2019.7)





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