【本の紹介】『「狂い」のすすめ(ひろ さちや著)』
「最近は本も読めんようになってしもた」
と嘆く父の書棚から『「狂い」のすすめ(ひろさちや著)』を借りてきました。
86歳の父はたいへんな読書家で、多岐にわたる分野の本を大量に読んでいました。今では読めなくなったと言いますが、まだまだ頭の中には知識が詰まっているようで、子や孫が何を聞いても教えてくれます。
さて、『「狂い」のすすめ』。
もうちょっと「ええかげん」になりたい方におススメです。
「ええかげん」に生きることができている方には不要かもしれません。
もちろん「ええかげん」って誉め言葉ですよ。
しょっちゅう遅刻やらミスをしていてもヘラヘラしている人に、「ええかげんなやつやな~」という時に使う「ええかげん」ではありません。
「ええかげんにせえ!」の「ええかげん」です。「良い加減」です。
あ!悪い意味でいう方の「ええかげんなやつ」にも不要かもしれません。
(あ!でも私は「ええかげんなやつ」も大好きです。憧れます。)
室町時代に編纂された『閑吟集』の中に次のような歌があるのだそうです。
『閑吟集』のこと
筆者は言います。
人生がはかない夢であるのは庶民も権力者も同じ。
誰の人生が優れているとか劣っているとか、そんな比較は無意味です。
「常識」も「ルール」も時代や文化によって変わります。
絶対に正しいものはありません(と私は思います)。
(「まじめに生きる」とはどういうことなのか、糞まじめな私はまじめに考え込んでしまいます😒)
ひろ さちやさんが好きなモームの「人間の絆」についても触れられています。
『人間の絆』のこと
「人間の絆」には次のようなことばがあるそうです。
ひろさちやさんはモームを読んで、
「自分は生まれてきたついでに生きているんだ」
と思いついたのだそうです。
なるほどそう思えば気持ちがずいぶん楽になります。
私が大学生時代に言われたこと
私が大学生のころ、お二人の先生にこのような教えを受けました。
わざわざ呼び出していただいて。
『おまえはまじめすぎる。それでは生きていけんぞ。明日できることは今日するな』(国文学の先生)
『君は筆を持つ前に心を開きなさい。筆をおいて墨をするのだ』(書道の先生)
私は際立って糞まじめでガチガチの学生だったのですね。
人に心を開くことも苦手な。
あれから40年が過ぎましたが、いまだに先生方の教えが身についていない気がします。
この性格は治らないかもしれません。
「『狂い』のすすめ」再読します(それが糞まじめや、っちゅうねん😂)