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【笑恥スペシャル】小さいかぼちゃん①「幼稚園はキライだ」
今回からしばらくは、【笑恥スペシャル】「小さいかぼちゃん」の物語です。
母から聞いた話と、押し入れの中のセピア色の写真と、おばあちゃんになった「かぼちゃ」のかすかな記憶を頼りに、小さかったころのかぼちゃ(かぼちゃん)のほぼ創作物語を作ってみようという「自己満企画」😆
かぼちゃんは小さい子なので、指さして笑うのはやめておいて、優しく見守ろうと思います😊
※ この物語はほとんどフィクションです。登場する人物は実在しません🙏
「小さいかぼちゃん」①‐幼稚園はキライだ
むかしむかし、湖のほとりの城下町の古い産院で、世にもかわいらしい女の赤ちゃんが生まれました。
そのあたりでは美人で評判のお母さんと、イケメンで評判のお父さんの子ですから可愛くないわけがありません。
赤ちゃんは、お父さんとお母さんと、お父さんのお母さんが相談して、神さんにもみてもらって、「かぼちゃん」と名付けられました。
かぼちゃんのお母さんは、20歳になったばかりで若かった上に、お母さんのお母さんももう年を取っていたので、子育てを助けてもらうことができませんでした。
しかも、「こうどけいざいせいちょう時代」。働き者でお酒好きのお父さんは帰りが遅く、お母さんがひとりで家事と子育てをしていました。
そういうのがあたりまえの時代でした。
どうしたらいいかわからなかったかぼちゃんのお母さんは、育児書を隅から隅まで読んで、書いてあるとおりにしました。
①3時間おきに時間を決めて授乳しましょう。
②泣いてもすぐに抱っこしてはいけません。抱き癖がついてしまいます。
そう書いてあったので、きっちり守りました。
さいわい、かぼちゃんはおとなしい赤ちゃんで、3時間おきに授乳するために寝ている子を無理矢理起こすほどでした。
実に手のかからない赤ちゃんでした。
かぼちゃんが2歳になると、弟が生まれました。弟は、大きな声でよく泣く赤ちゃんだったので、お母さんは新しい赤ちゃんのお世話で手いっぱいになりました。
紙オムツや全自動洗濯機やコンビニやスマホや便利な調理道具や湯沸かし器や、そういうものもなかった時代です。
ふっくら美人だったお母さんは、ガリガリに痩せてしまいました。
それほど無理をして頑張っているのに、おばあちゃんなどからいろいろ嫌なことを言われます。
お母さんは、嫌なことを言われて腹が立ったりすると、おしゃべりできるようになってきたかぼちゃんに全部ぶちまけました。
かぼちゃんは、そういう話を聞いている間はお母さんを独り占めできるので、じつはうれしかったのです。
そして、「お母さんを怒らせる人たちはすごく悪い人だ」と思って、いっしょに怒りました。
かぼちゃんがいっしょに怒ると、お母さんは優しくなるので、一生懸命怒りました。
かぼちゃんは、一日のほとんどは、家事をしたり弟の世話をしたりするお母さんについて回っていましたが、ひとりでいることも嫌いではありませんでした。
積み木を積んだり、
家の前でアリさんの行列をじっと見ていたり、
ホースから流れる水を眺めたり。
5歳になると、幼稚園に行きました。
かぼちゃんは幼稚園が嫌いでした。
砂場でひとりで砂を掘っていました。
そしておどおどしているので、よくいじめられました。
「かぼちゃんの足ふみあそび」というのがありました。
ハナちゃんが、「順番にかぼちゃんの足踏んでいこ!」と号令を出すと、10人ぐらいが一列に並んで、ひとりずつかぼちゃんの足を踏んでいくのでした。
かぼちゃんは怒りませんでした。
みんなに遊んでもらっている、と思っていました。
でも、こんな遊びは面白くないな、とも思いました。
そんなことでしたから、外でトモダチと遊ぶよりも、弟と遊んだり、ダンゴムシを集めたり、家でひとりで絵本を見たり、数字を順番に並べるパズルをしたりする方がずっと好きでした。
なかでも数字のパズルはやめられない程好きでした。
なんてかわいいかぼちゃんでしょう!
かぼちゃバアちゃんが抱きしめてあげましょう、よしよし😆
けれども健気なかぼちゃんは、小学校に入ると「正義の剣」を振りまわす、怖いもの知らずの少女に変異するのです😱(つづく)