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【支援教育・子育て】困った時の「歌」だのみ
先日の夕方、買い物に行く道すがら、「か~ら~す~ なぜ鳴くの~」のメロディが突然浮かんできて頭の中でぐるぐると回り始めました。
けれども後半の歌詞があやふやで、帰宅してから調べました。
歌詞を見ながら一緒に歌ってみると、何ということでしょう!
突然涙が止まらなくなったのでした。
なぜだろうかと考えていたら、そう、あれです!思い出しました!
マンションのベランダで、赤ん坊の我が子を抱っこして、号泣しながら「七つの子」を歌っていた自分の姿を。
育児休暇が明ける直前、「この子と離れて仕事に行く」と思うと悲しくてたまらなくなってしまっていたのでした。
そういえば子どもが小さい頃は「歌」にずいぶん助けられました。
子守歌でのねかしつけはもちろんのこと、はみがき、手洗い、きがえなど、生活の多くの場面で「歌」が大活躍。
歌の力
「はみがき」や「おきがえ」や「おかたづけ」など、親が声かけをしても子どもはなかなか動きだしません。
けれども、「歌」を歌うと動き出すことがよくありました。それはなぜなのか考えてみました。
①歌は、フレーズも時間の長さも決まっていて裏切らない
「はーみーがーきーじょうずかな~♪」ときたら次は「くちゅくちゅしゅわしゅわ…」と続いて、「しあげはおかーさーん(おとーさーん、おばーあちゃーん、おじーいちゃーん、せーんせー)」があって、「食べたらみがく やくそくげんまん」で終わり。
歌は裏切りません。
②スムーズに気持ちの切り替えができる
歌は普通の会話や声かけとは違い、リズムやメロディがあります。
おもちゃの片づけをするように言ってもなかなかやろうとしませんが、
「おっかたーづけー、おっかたーづけー♪」と楽しく歌いだすと、気持ちの切り替えができて一緒にお片づけを始める、ということもありました。
③親のイライラがおさまる
これがいちばんの効用ではないかと思うのですが、歌うと少しはイライラがおさまりますよね。
疲れすぎてイライラが昂じると歌う気にもなれないですが…😢
そこまでいっちゃったら…できれば休んでくださいね!
支援学校 小学部の子どもたちと「歌」
集団生活を楽しむための「歌」
支援学校は少人数ではありますが、集団生活であることにかわりはありません。時間割が一応決まっています。
ですが、「はじまるから自分の席に着きなさい」といって椅子に座らせていては意味がありません。
そこで「歌」の出番です。
「朝の会」のはじまり
私の勤務校でのお話しです。
子どもたちは学校に来ると、トイレに行ったり、タオルや連絡帳などを決まったところに置きに行ったり、お着替えをしたり、遊んだりします。
しばらくすると「朝の会」の時間になります。
はーじまーるよー はじまーるよー たーのしい じ・か・んー♪
何度か「はじまりの歌」のメロディーをオルガンで鳴らすと、子どもたちはだんだんと集まってきて、自分のイスに座ります。
小学部の6年間、同じ歌で行いますから自然にできるようになっていきます。
いすに座れたら、「ひげじいさん」の手遊びをします。
「トントントントンひげじいさん♪」で始まって、
「ひらっ ひらっ ひらっ ひら 手はおひざ~」
「朝の会をはじめます」
そこから、「朝の会」の始まりです。
そのように、一日を通して「歌」は切り替えの合図になります。
多様な子どもたち
ですが、「歌」で行動の合図をすることが全員に合っているというわけではありません。
たとえば聴覚過敏のお子さんの中には「歌」を嫌がるお子さんもおられます(もちろん聴覚過敏のお子さん全員が「歌」が苦手ということではありません)。
そういう場合は、そのお子さんに合った別の手段を考えることになります。たとえば「カードを提示して次の行動を示す」「視覚でわかるタイマーを利用する」「決まったフレーズで声掛けをする」など。
中には「自分で時計を見て行動する」ことを目標におくようなお子さんもおられます。そのお子さんの場合は、「〇時〇分に教室に戻ってください」と声をかけるだけです。
また逆に「歌」が好きすぎて興奮してしまうお子さんもおられます。
私が担任をしていた、ある「ウイリアムス症候群」のお子さんにはその傾向がありました。
ひとりひとり全く違いますが、なんとなく一緒にいて、お互いに意識し合い影響を与えあう、小さな社会がありました。
小学部段階では、「歌」が小さな社会づくりのための一助となっていました。
歌はいいですね!
子育て中に限らず、「歌」っていいですよね!
元気になれたり、気持ちが落ち着いたり、感動したり、思い出が蘇ったり。
私はサザンオールスターズの歌を聞いて、青春時代の思い出に浸ろうかと思います😊