『べらぼう』第1回 感想文
『べらぼう』始まりましたね。
『光る君へ』のみやびな平安京から、威勢のいい江戸のまちへ。
どちらも戦乱のない時代で私は嬉しい。
でも、どちらも庶民の暮らしは苦しい…。
1 明和の大火
「明和9年の大火」から始まった『べらぼう』。
明和9年⇒めいわくねん⇒迷惑年。
「迷惑な年だから大火事が起こった」と元号が「安永」と変えられたとか。
この火事は、寺の僧侶・真秀が放火したのが原因とされているらしい。火事は風にあおられて江戸の町中に広がり、甚大な被害をもたらした。死者約1万5000人、行方不明者約4000人。
このとき真秀を召し取ったのは、「鬼平」として小説やドラマの主人公となった長谷川平蔵宣以(はせがわ・のぶため)の父、長谷川宣雄(はせがわ・のぶお)。『べらぼう』にも登場しましたね、中村隼人さん演じる長谷川宣以。父の威光を笠に来て、売れっ子の花魁「花の井」が欲しいとわめく「ぼんぼん」でした。
2 語りは綾瀬はるかさん
語りは綾瀬はるかさん。なんと「現代からタイムスリップして花魁に化けたキツネ」でドラマに登場。花魁に化けたキツネがスマホ片手にドラマの背景を解説。エンターテインメントドラマと銘打つだけあります。
3 吉原の女たち
そして舞台の「吉原」は、遊女たちの悲惨な暮らしに焦点を当てて語られます。口減らしのために幼くして売られてきた女たちの多くは、吉原に来たとて白いご飯が食べられる状況ではなく、不衛生な環境で苦しい生活を強いられます。病気になって亡くなった遊女は、近所の寺の空き地に捨てられ、穴を掘って埋められるのです。ドラマでは寺の空き地に、身ぐるみはがれて捨てられている数人の遊女たちの亡骸まで描かれていて、わたしはショックを受けました。これが現実だったのだろうと思います。使い捨ての遊女たち…。
4 渡辺謙さんの田沼意次
渡辺謙さんの田沼意次はかっこよすぎ。教科書で習ったのと違う。
「吉原を何とかしてくれ」と懇願する蔦重に、「お前は何か(客を呼ぶ工夫を)しているのか」と問う。蔦重はその言葉に開眼。
意次の息子、宮沢氷魚さん演じる意知(おきとも)も、いい人オーラがキラキラ出ている。女の「殿、いけませぬ~」という声が聞こえたと思ったら、木陰で意知が「いいからいいから」と貧しい女性に上等の折詰め弁当を渡していた。
5 次回は…
次回は蔦重が、例の「吉原細見」(吉原ガイドブック)で、あんなことこんなこと工夫するのかな?平賀源内さんも何かしそうだな。
楽しみ楽しみ。