【食べ物で世界一周の旅】 ●10国目:フィリピン ●10食目:アドボ
『世界各国の料理を食べ、
地図上で隣の国、隣の国、と順に巡って
世界一周を目指す旅』
今回は、シンガポールから北東へ、
海を渡ってフィリピンへ。
*
(今回は、孤独のグルメ風)
*
フィリピン。
日本の八割ほどの面積で、
7000もの島からなる国。
でもたしか日本も、
5000島くらいあるんだよな…
と思って調べたら、
6852島もあるらしい。
その方が意外かもしれない。
*
フィリピン人は
一日五食も食べるらしい。
そのうち二食の間食でも、
焼きそばのような
しっかりしたものを食べる。
おいおい、
なんて食いしん坊な国なんだ。
*
それにしても、
はらが、
減った…
よし。お店を探そう。
*
フィリピン料理屋は、
フィリピンパブと違って、
なかなか見つかない…
どこだ…
どこにあるんだ…
焦るんじゃない。
俺は腹が減って
いるだけなんだ。
*
ここはどうだ。
24時間営業、
バイキング形式、
六本木。
いいじゃないか。
なかなか面白そうなお店じゃないか。
*
(キィ……)
わりと、
こじんまりしたお店だな。
メニューはバイキングだけだから、
何を注文するでもなく、
もう好きに取っていいんだな。
*
ん?
んん?
まだ、
二品しかできてないじゃないか…
24時間営業の、
谷間の時間に来てしまったのか…
がーんだな…
出鼻をくじかれた
いろんな食べ物を前に悩むのが、
バイキングの歓びだというのに。
*
それぞれの味を想像して迷う、
いくら美味しそうでも
一巡目は取りすぎない、
何度もおかわりして
味のストーリーを組み立てる、
そのため一つ一つは小盛りに、
炭水化物は後半にまわす、
デザートの余地も残しておく、
そんな一連の
迷い、
自制、
決断、
展望、
などと向き合っていくのが、
愉しいというのに…
おれは今、
翼を失ったハトのようだ。
喉をゴロゴロと
鳴らすことしかできない…。
*
ひとまず目の前の品で
しのぐしかないな。
まずは、これは…
豚やオクラを煮込んだもののようだな…
うん!
これはうまい。
なんだこの不思議な味は。
旨味。酸味。甘味。
でも、どこか懐かしい…
何かに似ている…
そうだ、コンビーフだ。
コンビーフのあの、
ちょっともったりとした食感や
しつこさギリギリのコク、
あれと似ているんだ。
そこをほどよい酸っぱさで、
しつこくなく食べられる。
あとこの甘みは…
ココナッツか…?
わるくない。
いや、この複雑な味、
これこそがフィリピンの
多様性を表しているんだ。
そして、
ごはんと滅茶苦茶合うぞ。
アジア最高。
ごはんのもとに、
アジアは一つになれるんだ。
*
(その後ある程度揃ったところで写真を一枚)
*
ごちそうさま。
次の隣の国は、
海を渡って南のインドネシアを目指そう。
*
世界一周の旅はつづく。
[旅の記録]
日本⇒韓国⇒台湾⇒ベトナム⇒カンボジア⇒ラオス⇒タイ⇒マレーシア⇒シンガポール⇒フィリピン⇒to be continued...
[本日のお店はこちら]
※2013年に書いたものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?