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数学とは
【約1200字/3分で読めます】
数学は「数字」という抽象的な概念を扱う学問です。
一般的に「数字」のことを抽象的と言うのは、ピンとこないところがあるかもしれません。
というのも、一般社会では「目標を具体的な数字で表わす」といった言い回しがよく使われるからです。
「志望校に合格するために偏差値を〇以上に上げます」
「〇日までに〇件の受注を確保する」
といったように数字が入ることによって目標が定まります。
ですから、一般的には「数字」は「具体的なもの」と認識されているのです。
しかし、元をたどれば「数字」は「抽象的なもの」です。
なぜならば、数字は単体では何も表わしません。
せいぜい「2は1より大きい」とか、断定できることはそれほど多くないのです。
数字に他の「具体的なもの」が加わることによって、はじめて数字に具体性が生まれます。
つまり、「リンゴが1 kg、400円」とか「10歳の男子の平均身長は138.1 cm」といったように、数字に具体的な「もの」や「単位」が加わることによって、はじめて具体的な概念に置き換わるのです。
このような話は数字の起源を知るとピンとくるかもしれません。
数字の起源は、紀元前5000年頃のエジプト文明やメソポタミア文明にあります。
これらの文明では、形こそ現在のアラビア数字と異なっていますが、十進法の数字が生まれました。
なぜ、これらの文明で数字が生まれたのかと言うと、「農耕」や「酪農」を開始したからです。
それまでの人類はおもに「狩猟」と「採集」によって、日々の生活を維持していました。
「農耕」や「酪農」が生まれることによって、人類は一定数の「食物」を「保存」できるようになったのです。
そうすることによって、はじめて「数」の概念が生まれ、「数」を管理するための「数字」が必要になりました。
「数字」が生まれることによって「数学」も生まれ、人類はあらゆるものへ応用できる「抽象的な概念」を獲得したのです。
「数字」には「客観的」であるという特徴もあります。
客観的な概念であるからこそ、あらゆるものに、その考え方を当てはめて、「物事」を「測る」ことができるのです。
一方で「数字」の「客観性」を過信してはいけないという側面もあります。
例えば、なんらかの「セールス」であれ、「論考」であれ、そこに「数字」を付け加えるだけで妙な説得力が生まれてしまいます。
そういった側面があるからこそ、それを悪用するケースも出てくるのです。
「数字」自体は、客観性のある概念であっても、それを自分の都合のいいように、「編集」してしまうことが人間にはできます。
それを見抜くためには、「数字」を絶対視しないことです。
自分の頭で検証せずに「数字」を信じるべきではありません。
もしかしたら、その「数字」は誰かの都合のいいように編集された「数字」である可能性もあるのです。
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